"創造"と"想像"   作:神剣狩刃

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第52話 僕と百姉さんとあたしと火伊那さんのメリークリスマス

ヒーロー科全生徒のインターン参加という異例の事態もあったけど…

「「「MerryChristmas!」」」

今はそんなことを忘れてクリスマスパーティーを開いています。

みんなサンタさんになって楽しくワイワイしています。

 

「クリスマスといえば当然!」

「ドーナツとアイスミルクですわ!」

「「「ケーキとかチキンは!?」」

なんて言ってるけど、皆嬉しそうだ。

「お前ら非合理的だぞ…」

相澤先生の声がする。まさか…

 

「サンタだけじゃダメだろ。トナカイも必要だろ。」

「はいよしるばー…?」

「相心終…トナカイやります…」

「「「めっちゃ乗り気だ!!!」」」

サンタコスのエリちゃんと、トナカイの着ぐるみを着ている相澤先生と

二人を乗せて四つん這いになっているトナカイの終姉さんがやってきた。

 

「いいか終、ちょっとでも弱音を吐いてみろ…分かってるな?」

「はい…死ぬ気でトナカイやります…」

「「「ブラックサンタならぬブラックトナカイだ…」」」

ナガンさんにまた何かされたのだろう。今度聞いてみよう。

 

そしてお楽しみのプレゼント交換会だ。…常闇さんの剣すごいなあ。

皆で準備をし、一斉に紐をを引く。

 

「わー!ダンベル!トレーニングしなきゃ!」

「カエルの時計か…結構いいデザインだな。」

「眼鏡…」「青山の写真…」

「お、おもちだ…!」「お、オールマイトの人形や…!」

「まあ…黒色の指輪…」「き、金の延べ棒…」

「おおきなけん…」

それぞれのプレゼントを受け取り大いに笑いあった。

 

後片付けは終姉さんが全部やってくれるそうなので、僕は眠ることに

「その…創さん…」

百姉さんがもじもじしながらやってきた。

「終さん曰く…『とある6時間』があるそうで…」

百姉さんに変なことを吹き込まないでほしい。

 

「先生方の目は終さんが引き付けておくそうなので…その…」

「百姉さん。しっかりしてください。僕達はヒーローです。」

僕は百姉さんを見つめながらしっかりという。

 

「ヒーローが無責任なことで活動できなくなるなんてあってはいけません。

対策すればいいとかそういうのではなく、しっかりと節度を持つべきです。」

「そ、そうですよね…すみません…浮かれていましたわ…」

百姉さんがすごくしょんぼりとしている。…心が痛い。

 

だから僕は過ちを犯すことにした。

「…百姉さんはいい子ですか?」

「…創さん?」

百姉さんはきょとんとしている。

 

「いい子の所にはサンタさんが来てプレゼントをしてくれますよね。

もし百姉さんがいい子だったら…サンタさんがくると思います。

ところで…今の僕はサンタさんの格好してますよね。」

「創さん…!」

百姉さん顔がぱあっと明るくなる。

 

「改めて聞きます…百姉さんはいい子ですか?」

「…ちょっと悪い子になってしまったかもしれません。」

そう来たか。でも、今の僕だって悪い子だ。

「…正直に答えた百姉さんはいい子ですね。」

「どう答えてもその答えになりますよね、創さん?」

僕と百姉さんは少し、素直になりすぎたかもしれない。

 

クソガキ共に扱き使われたあたしは我慢の限界だった。

「トナカイの皮をかぶるのはもうやめ!

大人たちのクリスマスパーティーよ!ドーナツとアイスミルクで乾杯!」

応接室を借りたあたしが乾杯の音頭を取る。

「「カンパーイ!」」

山田と香山先輩が声高らかに付き合ってくれた。

 

「乗るな、マイクにミッドナイト。こんな時にバカげた騒ぎを」

「今日ぐらい許してやれイレイザーヘッド。後で全員で絞られようじゃないか。」

火伊那さんに言われて、相澤も渋々乾杯した。

 

「ヘイ、終!公安で相当やらかしてるって聞いてるぜ!?」

山田が不躾なことを聞いてきたからあたしも不躾に答えるわ。

「今年で何回乙女の尊厳が砕かれたか分からないわ…」

「何があったの終ちゃん…?私でよければ付き合うわ。」

香山先輩が本気で心配しているから正直に打ち明けるわ。

 

「野ション一回、失禁数回よ。」

その場にいた全員が盛大にミルクを吹いたわ。

「キタネー!おもちですらまともにトイレできるぜ!」

「…流石に終ちゃんにトイレの躾をするのは…悪くないわね?」

「香山さん、その際には私も参加させてほしい。」

「大の大人が下の話題で本気で盛り上がるな…」

なによ相澤。いつになってもこういう話題は面白いのよ。

 

「そうだ、これを見てほしいわ。公安で撮った動画なんだけど…」

私はスマホを取り出してとある動画の準備をする。

 

「オイオイ!無礼講にもほどがあるぜ!」

口ではそう言っている山田だが、どう見ても興味津々だ。

 

「でも、気になるじゃない?聖夜だし何しても許されるわ。」

香山先輩は隠す気もない。そういうところは昔からだ。

 

「…いつでも準備はできています、筒美さん。」

「すまないなイレイザーヘッド。私が手を挙げたら頼む。」

この二人はデキているのだろうか?そうだとしたら絶対に許さない。

 

「はーい、かいなちゃーん。ミルクのじかんでちゅよー?」

私のスマホから私の優しい甘い声が聞こえてくる。

「今すぐやめろ終!いつ撮った」

「すみません、筒美さん。ちょっと俺も聞きたくなりました。」

相澤が火伊那さんを捕縛する。やっとこの場のノリが分かったか。

 

何の動画かは言うまでもない。あたしと火伊那さんの赤ちゃんプレイ動画だ。

「ミルクおいちいでちゅか、かいなちゃん?」

「お…おいちい…でちゅ…」

火伊那さん以外が大爆笑している。

 

「だっはっはっは!これが『麗しのレディ・ナガン』のやることかよ!」

「メチャクチャ声震えてるじゃない!無理やりはよくないわよ終ちゃん!」

「この日は珍しく火伊那さんが標的の急所を外したのよ。

それのフォローをあたしがしたから、そのお礼にやったのよ。」

「筒美さんもミスするんだな…終を扱うからそんなことないと思っていた。」

「おい終!公安に帰ったら覚悟しろよ!?」

それは楽しみだわ。だから続きを流す。

 

「いっぱい飲んで大きくなるんでちゅよ、かいなちゃん。」

「…でちゅ…」

半分死んだ顔で哺乳瓶からミルクを飲む火伊那さんを見て

火伊那さんを除く全員が大爆笑している。

 

しばらくして、あたしのお気に入りのシーンになる。

「…急にもじもじしちゃってどうしちゃったのかな、かいなちゃん?」

「…貴様ミルクに何か仕込んだだろ?」

「赤ちゃん言葉でいわないとママ分からないな?」

「…おトイレ行きたいでちゅ…」

「もっとそれっぽく言ってほしいな。」

「…しーしーしたいでちゅ…」

再び大爆笑が起きたわ。

 

「流石にここから先は流せないけど…あたしが抱えてしーしーさせたわ。」

「止めてくれ終!笑い死んじまうぜ!だははは!」

「終ちゃんもなかなかやるわね!あははは!」

「筒美さんも苦労してるんですね…くくく…」

「殺せ…誰か私を殺してくれ…」

大丈夫よ火伊那さん、あなたは死なないわ。だってあたしがいるもの。

 

楽しいクリスマスパーティーが終わり、公安に帰り着く。

「楽しかったわね、火伊那さん。」

「終…『6時間』で埋め合わせしてもらうぞ…」

そのつもりよ。それのための前座なんだから。

 

きっちり6時間楽しんだあたしは火伊那さんの服を綺麗にする。

「ん、異能開放戦線…?」

ズボンのポケットから覗く本を手に取って読んでみる。

不自然にマーカーが引かれている。

 

「…ホークスか。伝達役に火伊那さんを選んだのはそういうことね。

『あたしは何もするな』と…有能すぎるのも悩ましいものね。」

4か月後に事が起きるならその前に叩くだろう。

インターンはそのための準備か。ギリギリにもほどがある。

 

「…火伊那さんはなんであたしに言わなかったのかしら?」

ホークスから言われただけならいい。後でホークスを絞るから。

でも、もし、火伊那さん自身の意志だったとしたら

「…聖夜に想い人を疑うのは止めましょう。あたしの考え過ぎだわ。」

私は火伊那さんの胸の中で考えるのをやめた。




クリスマス回ぐらい明るい話で終わらせるべきだって?
ここで入れておかないと入れるタイミングがなかったんですよ…
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