"創造"と"想像"   作:神剣狩刃

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第56話 僕と百姉さんに不可能なことはありません。あたしと火伊那さんにもよ。

大規模な作戦があると言われ、僕と百姉さんは公安のインターンで学びまくりました。

「というわけで…今日も今日とて"個性"伸ばしをやるわよ創、百様。」

「はい!…えっ、百様?」

明らかに違和感のある呼び方に、僕は思わず横を見てしまった。

「今日は…ロウソクですわ…!」

 

百姉さん?ボンテージとロウソクは違うんじゃありませんか?

「今日は私もやるぞ…!終、覚悟しろ!」

ナガンさん?あなたまでおかしくなったら誰が止めるんですか?

「ああ…滾るわ…!弱いあたしを鍛えてちょうだい…!」

この人が身内なのが本当に恥ずかしくなってきた…

 

公安でのインターンの日々で僕や百姉さん、終姉さんにナガンさんも成長しました。

そしてついに、決戦の時がやってきました。

相手は超常解放戦線、敵連合と異能解放軍が手を組んだ最大の組織です。

僕達はプロヒーローや雄英のみんなと郡訝山荘近くの山で待機

 

「めっちゃデカイのが向かってきています!」

耳郎さんが想定内の事態を報告しました。

 

「…百姉さん。お願いします。」

僕は百姉さんに手を伸ばしました。

「はい。創さん…帰ってきたら久々のドーナツパーティーです。」

百姉さんが僕の手を握ってくれました。

 

「「"創造"と"想像"が組み合わさったら…不可能なことなんてない。」」

 

黒い鎧が僕を包む。そこにジェットやバーニアを付け、機動力を確保する。

草薙剣と八咫鏡を模した剣と盾を背負い、胸に赤い八尺瓊勾玉を刻む。

 

僕は百姉さんと協力して、最強の武装を"想像"し、"創造"した。

 

大きな敵ギガントマキアの前にMt.レディーが、

その背中に乗っていた敵連合にミッドナイト先生が阻まれた。

 

「ミッドナイト先生からの指示です!ギガントマキアを眠らせます!」

百姉さんが麻酔薬を"創造"する。

「足止めは僕に任せてください!行くぞ、エンゲージ!」

僕は高く飛びあがり、敵と対峙する。

 

「なんだありゃ!?黒い騎士が飛んでるぞ!?」

「あれは…相心創だ。あいつ飛べるのか。」

「最近の子は進んでるねえ…おじさんのショーも時代遅れかな?」

「感心している場合じゃないです。早く落とさないと。」

まずは敵連合を捕らえないと、巻き込んでしまう。

 

「『黒よ、捕らえろ!』」

飛び回りながら大量のワイヤーを展開する。

「展開するだけじゃあ、捕らえることは」

そのワイヤーが敵連合目掛けてうねっていく。

「僕には…『機械仕掛けの神』がついている!」

 

ミッドナイトこと香山先輩が落ちた地点で、

あたしは創の戦いをゴーグルで見ていた。

「『想像せよ』。『敵連合はワイヤーに捕らえられる』。」

あいつの考えを瞬時に理解して、"事象"を引き起こす。

 

「終ちゃん…一人しか対象にとれないんじゃないの…?」

香山先輩の質問に、香山先輩を背負っている火伊那さんが答える。

「"個性"が成長したんだ。認識できれば何人でもできるぞ。」

31になってなお、あたしは成長するわ。

 

「あたしは弱いから誰かと組むし、手段を選ばないわ。」

「弱い人はこの数の敵を素手で制圧したりしないわよ…」

「終は『あたしは弱い』を言い訳に色々やってるんです…」

何の事かしらね?さて、創から目が離せないわ。

 

ワイヤーは炎や瓦礫に阻まれてしまった。

「『黒よ、飛び回れ(シュバルツ・ウンフィーグン)!』」

今度は飛び回りながら鉄製のブーメランを大量に飛ばす。

「鉄なら溶かして」

 

「鉄なら電気を通すぜ!」

上鳴さんが放電する。敵連合に直撃し、動きが止まる。

「ウェイ!ウェウェイ!」

「よく分からないけど分かったよ!…『黒よ、捕らえろ』!」

ワイヤーが敵連合を捕らえる。そして地面に下ろして

 

「二度と集らぬよう払うが最短…」

ギガントマキアが僕に向けて拳を振るう。

まずい。ジェットとバーニアが間に合わな

「一人でカッコつけてんじゃねえぞ創!」

鋭児郎君が僕を押してくれた。

 

「俺は烈怒頼雄斗!俺の後ろに!!血はァ流れねえ!!!」

鋭児郎君が小瓶をギガントマキアの口に投げ込んだ。

ギガントマキアの拳が鋭児郎君に直撃する。

でも、鋭児郎君は砕けなかった。

「創!後は思いっきりやれ!!」

 

地に落ちていく鋭児郎君は拳を突き出した。

「鋭児郎君…!任せて!後は僕がやる!」

僕はギガントマキアに向けて剣を向ける。

「来い!僕が相手だ!」

「道を邪魔するか…ならば潰してやる…」

 

創さんはギガントマキアの足止めをしていました。

剣で斬り、盾で攻撃を受け、果敢に挑みました。

でも、麻酔薬はまだ効きませんでした。

「創さん…!そろそろ効かないと…!」

 

最強の武装を作ったとしても、纏っている創さんは人間です。

鎧や盾は砕けぬとも、創さんへのダメージは無効化できません。

何より…ジェットやバーニアの燃料は無限ではありません。

切れれば地に落ちて…高度によっては致命傷です。

私は思わず駆け出しました。何かあっても創さんを助けられるように。

 

何度斬っても、ギガントマキアはひるまない。

手足を斬っても、目を刺しても、ひるまなかった。

「小蝿が…」

僕の受けたダメージも無視できるものじゃなくなってきた。

「これで終わりだ。」

ギガントマキアの拳をジェットでよけ

 

「創さん!」

その声に思わず振り返ってしまった。

 

避けたら百姉さんが潰れる。どうすれば

 

「愛した人間を信じなさい!創は勝つわよ!」

終姉さんが百姉さんを抱えて叫んだ。

「創!負けたらあたしと百ちゃんが死ぬわよ!」

それは嫌だ。終姉さんの思い通りにはさせない。

 

ギガントマキアの攻撃を正面から受け止める。

「潰れろ…!」

「潰れるもんか!」

突如、ギガントマキアの拳の勢いが緩まる。

 

僕はある人を"想像"する。

「色は赤と黒、誰よりも信頼出来て、誰よりも大好きな!

僕が守りたい、すっと一緒にいたい百姉さんだ!"創造想像"!」

 

着ていた鎧がはじけ飛び、百姉さんの姿になる。

「これなら…僕にも"創造"出来る!」

僕はワルキューレの鎧と槍を纏い、黒い翼を生やす。

「『黒よ、貫け(シュバルツ・ドリンゲン)!』」

マキアの拳を槍で貫いた。その勢いで、マキアは大きくのけぞった。

 

「ば、ばかな…」

そして僕はマキアに向けて盾を構える。

「『黒よ、守れ(シュバルツ・フェアタイディゲン)』!」

翼を翻し、突進する。マキアの顔面に強くぶつかる。

「あ、あるじよ…」

ギガントマキアは仰向けに倒れ、動かなくなった。

 

「ふう…これで僕達の仕事は終わりかな…」

空中で一息ついて、下を見てみた。

「創さーん!早く下りてきてくださーい!」

百姉さんが嬉しそうに手を振っていたから、すぐに駆け付ける。

 

「やりましたよ!百姉さん!」

「はい!流石創さんです!」

喜んで抱きつ

「わっ!?」「きゃっ!?」

お互いの胸が邪魔して抱き着けなかった。

 

「両社に胸があるとハグできないのよ?知らなかった?」

「できる方法もあるが…元の姿に戻るのが手っ取り早いぞ。」

敵連合を何らかの方法で静かにさせた、

終姉さんとナガンさんがアドバイスをくれた。

「私の麻酔弾だ。動かない的に当てるなど訳ない。」

 

アドバイス通りに僕の姿に戻る。すると、終姉さんが不思議そうに尋ねる。

「なんで百ちゃんの格好で決めたわけ?」

そんなの決まっている。

「だって、僕と百姉さんの力で勝ちたきゃったです…から…」

ああ、ここでもこれか。こういうところは変わらな

 

「ふふ、創さんらしくていいですわ。」

百姉さんが僕をぎゅっと抱きしめる。

僕は百姉さんを守れたんだ。

 

「おいおい、こんな時に見せつけてくれじゃねえか創!」

「よっ!お幸せに!ハジメンにヤオモモ!」

「オイラにもヤオヨロッパイを!」

「ウェイウェイ!ウェーイ!」

いや、百姉さんだけじゃない。皆を守れたんだ。だったら、何でもいいや。




次回、最終回です。
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