超常解放戦線との戦いが終わった。流石に被害ゼロとはいかなかったが、
主要メンバーや脳無、構成員の確保、残ったシンパの制圧と大きな結果だった。
それからしばらくして…
「それでは…作戦大成功を祝しまして…
ドーナツとアイスミルクで乾杯です!」
「待てや!俺は死にかけて」
「「「カンパーイ!!!」」」
僕達は雄英高校の食堂を借りてドーナツパーティーをしている。
「ランチラッシュさん、協力ありがとうございます。」
「君のドーナツは噂になっていたからね。神が認めるとか…」
「神様はもういないわ。『フィアー・レディ』と呼んでちょうだい。」
口がシナモンだらけの終姉さんが喋る。
あの事件の後、終姉さんは今までの責任を取ると会見を開いた。
そこですべてを自分の全てを話し、判断を世間に任せた。
帰ってきた答えは『活躍して責任を取れ』だった。
「正直、『引退しろ』だと思っていたわ。ほんと、思い通りにならないわね…」
はあ、とため息を漏らす終姉さんの口にドーナツが突っ込まれる。
「私が根回ししたんだ。お前がいないと私が困るからな。」
ナガンさんが堂々と答えた。確かに、終姉さんが世に放たれるのはよくない。
「火伊那さんに養ってもらいながら、二人の子供の世話したかったのに…」
この人は本当に反省したのだろうか?
「そんなセカンドライフ歩めるほどの人徳がお前にあるか?」
「ないわね。私弱いから。」
終姉さんは堂々と言わないでほしい。
というか、『弱い』は何をしてもいい理由にはならな
「私にも構ってほしいですわ、創さん!」
僕の口にもドーナツが突っ込まれる。
「家族が大切なのはわかりますが、私も未来の家族ですわ!」
それはそうですけど…百姉さんもだいぶ変わったなあ…
「あらあら…あたし達は邪魔者みたいね。行きましょ、火伊那さん。」
「そうだな。私達も私達で楽しむとしよう。失礼する。」
2人が仲良さそうに立ち去って行くのを見て、僕にも火がついた。
「どっちが多く食べられるか勝負です!勝った方が今夜のリードです!」
「それは負けられませんわね!私が躾けてあげますわ、創さん!」
過去一番に負けられない戦いが始まった。
「創もだいぶ変わっちまったな…最初会った頃はオドオドしてたのに…」
「インターンでかなり変わったよね…私たちもやる、切島?」
「おうよ!男は勝負から逃げねえ!」
「後半部分も同じにしちゃう?」
「当たり前だ!…え、ちょっと待」
「というわけで…4人の青春に乾杯!」
「「カンパーイ!」」
「…乾杯。」
あたし達は約束通り焼肉屋にいるわ。
流石にドーナツパーティーの夜に焼肉は胃が死んじゃうから、日を空けたわ。
「じゃんじゃん食べなさい!明日を気にしてたら青春は楽しめないわよ!」
「その意気よ終ちゃん!あっこら山田、それ私のカルビ!」
「さっき俺のハラミ食ったじゃないスか香山先輩!」
「じゃあ、俺が食えば合理的だな。」
「「あっ、こら相澤!」」
こうやってまたバカやれる日が来るなんて思ってもいなかった。
朧が死んだあの日からあたしはあたしじゃなかった。
あいつのせいでもあり、あいつのおかげでもあった。
「…朧。あんたは一人で席温めておきなさい。
その時が来たら…ドーナツパーティーよ。」
「おい、どうした相心!?泣くほどうまいのにあたったか!?」
「バカ…!女の涙は見て見ぬふりするものよ…!」
「…煙が沁みたんだろ。あいつホルモン焼いてるしな。
俺の所にまで来て…ちょっと沁みるな…ホルモンは後にしろ相心。」
そうね。後にしましょう。今は楽しまなくちゃ。
あたしは腹十二分目まで焼肉を楽しみ、火伊那さんに迎えに来てもらった。
「火伊那さん…もっと優しく歩いて…吐いちゃう…」
おんぶしてくれた火伊那さんの背中は大きいけど、揺れる。
「終に色々吐かれるのは慣れている。安心しろ。」
かっこいいけど、そういわないで…吐いちゃう…
「…ありがとう、火伊那さん。あたしを受け止めてくれて。」
「これからも受け止めていくさ。だから…もうどこにも行くなよ、終。」
この人を好きになってよかった。この人から離れたくな
「うっ。」
「…終?まて終!下ろすから我慢しろ!受け止めると言ってもそれは嫌だ!」
心配には及ばないわ。まだ口の中だから。というか下の方は受け止めれるのに
火伊那さんから降りて開放したわ。
「…31でホルモンは考えた方がいいわね…」
「食べる量を考えろ。腹八分目が一番いいんだぞ?」
「あたしは弱いから焼肉で自制心かけられないわ…」
「はあ…何でこんな奴に惚れてしまったんだ…」
終を部屋に叩き込み、私はホークスを自室に呼び出した。
「飲むぞ。愚痴に付き合え。」
「終さんの愚痴っすか?俺も言いたいんで、行きますよ。」
ドーナツとアイスミルクを肴に終の愚痴を打ち明ける。
「あいつは我儘すぎるんだ…しかも、何も言わない。」
「ホントに困るっすよね…『私は弱い』しか言わないし…」
「大体、終は身体能力だけなら公安の上澄みだぞ?」
「いやホント。俺"個性"抜きじゃ一度も勝ててないですよ。」
「でも…言うようになったのは成長しているんだろうな。」
「でしょうね。前だったら…」
「「「『妾だからな』で」」」
「「…あれ?」」
今一つ声が多かったような…
「なに二人でしっぽりやってんのよ!?あたしの愚痴は許せるけど、
火伊那さんと二人きりなのは許せないわ!いろいろ早すぎる男!」
いつの間にか終が部屋に入っていた。
「いやいや!?何でそんな含みのある言い方を!?」
「うるさい!バーカ!早漏童貞!寝取り魔!」
「いや、最後の二つ矛盾してません!?」
終の罵倒の語彙力はどうなっているのだろうか?
「脱ぎましょ火伊那さん!こいつにあたし達の愛を見せつけるわ!」
「待て終!?私が悪かったのは認めるが」
すまないホークス、見た上で全部忘れてくれ。
じゃないとお前を始末しなければならない。
青春の日々はあっという間に過ぎ、ついに僕達の卒業式を迎える。
百姉さんのスピーチが始まる。僕は舞台袖でドキドキしながら聞く。
「私は初めてこの学校に来た時、このような未来になるとは思いませんでした。
仲間との出会い、学業の厳しさ、敵との戦い…どれも想像できませんでした。
ですが、それでいいのです。だって…想像通りなんてつまらないではないですか!」
その言葉を聞いて僕は舞台に現れて百姉さんからマイクを貰う。
「人間が想像できることは、人間が必ず実現できるんです!
だったらその想像を『Plus Ultra』しましょう!!だって僕達はヒーローだから!!
想像を超えた遥かなる夢を見て!!!未来を創っていきましょう!!!」
そして百姉さんと手を繋ぐ。
「「『想像せよ』!『誰にも想像できない未来』!」」
こんなパラドックスだって、きっとできてしまうはずだ。
だって、"創造"と"想像"が組み合わさったら…不可能なことなんてないから。
ということで完結です。
あるネタのために始まった作品ですが、本編は緊急変身を超える長さになりました。
本末転倒とはこれのこと。
こちらは番外編は作りません。想像に任せた方が面白いじゃないですか。
ただ、R-18は何とか書きます。百姉さんのSMとか面白そうじゃないですか。
では、またどこかでお会いしましょう。