"創造"と"想像"   作:神剣狩刃

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第9話 百姉さんと戦うためにもここで負けるわけにはいかないんだ

緑谷さんが心操さんに勝って、轟さんが瀬呂さんに勝って僕の番になる。

「B組からの刺客!!キレイなアレにはトゲがある!?塩崎茨!」

「対!1-Aのキノコにご用心!相心創!」

観客が沸き上がる。僕としてはここで負けたくない。

 

「スタート!」

塩崎さんの茨が伸びてくる。僕は一瞬で下着姿になる。

「うお!?ガチガチに鍛えてるじゃねえか!?これはシヴィー!」

「普通に鍛えてるだけ…いや、結構鍛えてるなアレは…」

塩崎さんが顔を赤くする。

 

「な…!?なんて破廉恥な姿に」

「百姉さん直伝…『効率的な"想像"』!」

肌という肌から剣を生やす。まるでハリネズミのように見えるはずだ。

「あっ…」

「燃やすのもよかったけど、女性の髪は命だから。…切るものかわいそうだけど。」

「…貴方が心を痛める必要はありません。参りましたわ。」

「一瞬で終わったあ!致命的な相性の悪さだったか!相心創二回戦進出!」

 

戦いが終わって百姉さんの所に駆け付ける。

「百姉さん…頑張ってください。」

「決勝で創さんと戦うためにも…負けられませんわ。」

鼓舞しようと思ったけどその必要もなさそうだ。

 

「A組の頼れる学級委員長!正に万能の八百万百!」

「対!闇と影からの使者!漆黒への舵手、常闇踏陰!」

百姉さんと常闇さんの戦いが始まる。

 

「スタート!」

「常闇さん…貴方の対策は万全ですわ!」

ももももも姉さん!?いきなり脱いでどうしたの!?

「な…!?ど、動揺を誘うつもりか…!?」

「影を消すには光が一番ですわ!」

ももももも姉さんの体が光り輝く。

 

「強い光源…『想像』通り弱点でしたわね!」

「しまった…!」

眩しくてよく見えないけど、もももも姉さんが常闇さんに関節技を決めている。

「完璧に決まりましたわ…!降参してください…!」

「が…か…む、胸が…」

「フミカゲ!シッカリシテ!」

常闇さんがカクリと意識を手放した。…あれは刺激が強いと思う。

 

「流石だね百姉さん。…いきなり脱いだ時はびっくりしましたよ。」

「創さんも脱いだではありませんか。私たちの"個性"上仕方のないことです。」

それもそうか。…でも、僕が脱ぐのと百姉さんが脱ぐのじゃ絵面が違いすぎる。

「…二回戦も越えましょう。」

「もちろんですわ。」

改めて決勝に向けての闘志を燃やす。

 

「さあ、スタジアムの修復も終わったから次の戦いだ!

身長差がすごいぞ!相心創対飯田天哉!」

試合が始まる前に僕は飯田さんに感謝を述べる。

「き、騎馬戦の時はありがとう。おかげで百姉さんと戦える舞台まで来れたよ。」

飯田さんは僕の握手に応じてくれた。

 

「ふっ…俺も通過点でしかないということか?

君は臆病なのか大胆なのか分からなないな。」

「あっ、いや、その…ううん、そうだよ。

百姉さんと戦うためにも飯田さんに勝つ。それと…」

僕は一つ深呼吸をする。

 

「飯田さんと真っ向勝負する気はないよ。」

「スタート!」

「鎧は金!大盾は鋼!中世騎士の鎧だ!」

僕は全身を黄金の塊で出来た鎧で包む。ものすごく重い。

 

「おーっと!ゴージャスだ!てかあれ売ったら遊んで暮らせんじゃねえか!?」

「本人から離れたら消えるだろ。…しかし、本当にすごい発想力だな。」

 

はっきり言って飯田さんに正面から挑む必要はない。

リーチと機動力で負けてる以上、防御に徹したほうがリソースを効率的に使える。

気を付けるべきはリングアウト…後は時間切れまで粘ればいい。

『そういう戦い方をしている』ように見せればチャンスはやってくる。

 

「なるほど…だが、俺も本気で行かせてもらう!」

飯田さんが全力の跳び蹴りを放つ。鎧と盾がなかったら耐えるのは厳しかった。

「中央をキープし続ければ…一撃で飛ばされることはないみたいだね…!」

「…タイムアップ後の戦いによっては君の身体能力に

負ける可能性もあるだろう。ならば、ここで決める!レシプロバースト!!」

 

ものすごいエンジン音が響く。そしてすごい衝撃が体に走る。

流石に飛ばされはしないけど、明らかに後退している。

レシプロバーストによる跳び蹴りの威力はすさまじい。

それが何度も襲ってくる。白線が見えた。

「これで止めだ!うおおお!」

「…真っ向勝負はしないから…逃げるよ。」

 

鎧と盾の"想像"を解きながら、飯田さんの跳び蹴りを前転で回避する。

飯田さんは勢いそのままに場外へ飛び出た。

「あーっと!?土壇場での回避が決まったあ!飯田場外!相心準決勝進出!」

勝利宣言を聞き僕は飯田さんに駆け寄る。

 

「だ、大丈夫…?かなりの勢いで飛び出してたけど…」

「心配はいらない…しかし、防御ではなく回避を取るとはな…」

「『鎧と盾がなくなる』"想像"を具現化したんだ。」

体から離れて物が消える体験は何度もしているから一瞬で出来る。

もっとも、タイミングを失敗したら動けなかったけど…

無条件で出来る切り札なんて物はこの世にないからね。

 

百姉さんの二回戦目を見なくちゃ。

「続いては1-Aガールズの対決だ!芦戸三奈対八百万百!」

「芦戸さん…本気で行かせてもらいますわ。」

「目が怖いよヤオモモ!?」

僕と本気で戦うと言っていたんだ。正直…僕も怖いぐらいだ。

 

「スタート!」

「酸への対策はこれが一番ですわ!」

百姉さんが白衣とゴーグルを纏いリケジョの姿になる。

「単純だけど効果的な対策だよ…これで武器を持ったら…」

僕が言うまでもなく、百姉さんは警棒とシールドを構える。

 

「芦戸さん!神妙にお縄につきなさい!」

「服装とセリフがあってないよ!?」

個性を封じられ、身体能力に差があったともすれば結果は明らかである。

百姉さんも見事に勝利を決めた。やっぱり百姉さんはすごいや。

 

次の僕の相手は轟さんだ…炎と氷…色々なことができるけど…

一回線や二回戦の戦いから考えるに、短期決戦になるだろう。




ということで原作とだいぶ異なる最終種目になります。
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