緑谷さんが心操さんに勝って、轟さんが瀬呂さんに勝って僕の番になる。
「B組からの刺客!!キレイなアレにはトゲがある!?塩崎茨!」
「対!1-Aのキノコにご用心!相心創!」
観客が沸き上がる。僕としてはここで負けたくない。
「スタート!」
塩崎さんの茨が伸びてくる。僕は一瞬で下着姿になる。
「うお!?ガチガチに鍛えてるじゃねえか!?これはシヴィー!」
「普通に鍛えてるだけ…いや、結構鍛えてるなアレは…」
塩崎さんが顔を赤くする。
「な…!?なんて破廉恥な姿に」
「百姉さん直伝…『効率的な"想像"』!」
肌という肌から剣を生やす。まるでハリネズミのように見えるはずだ。
「あっ…」
「燃やすのもよかったけど、女性の髪は命だから。…切るものかわいそうだけど。」
「…貴方が心を痛める必要はありません。参りましたわ。」
「一瞬で終わったあ!致命的な相性の悪さだったか!相心創二回戦進出!」
戦いが終わって百姉さんの所に駆け付ける。
「百姉さん…頑張ってください。」
「決勝で創さんと戦うためにも…負けられませんわ。」
鼓舞しようと思ったけどその必要もなさそうだ。
「A組の頼れる学級委員長!正に万能の八百万百!」
「対!闇と影からの使者!漆黒への舵手、常闇踏陰!」
百姉さんと常闇さんの戦いが始まる。
「スタート!」
「常闇さん…貴方の対策は万全ですわ!」
ももももも姉さん!?いきなり脱いでどうしたの!?
「な…!?ど、動揺を誘うつもりか…!?」
「影を消すには光が一番ですわ!」
ももももも姉さんの体が光り輝く。
「強い光源…『想像』通り弱点でしたわね!」
「しまった…!」
眩しくてよく見えないけど、もももも姉さんが常闇さんに関節技を決めている。
「完璧に決まりましたわ…!降参してください…!」
「が…か…む、胸が…」
「フミカゲ!シッカリシテ!」
常闇さんがカクリと意識を手放した。…あれは刺激が強いと思う。
「流石だね百姉さん。…いきなり脱いだ時はびっくりしましたよ。」
「創さんも脱いだではありませんか。私たちの"個性"上仕方のないことです。」
それもそうか。…でも、僕が脱ぐのと百姉さんが脱ぐのじゃ絵面が違いすぎる。
「…二回戦も越えましょう。」
「もちろんですわ。」
改めて決勝に向けての闘志を燃やす。
「さあ、スタジアムの修復も終わったから次の戦いだ!
身長差がすごいぞ!相心創対飯田天哉!」
試合が始まる前に僕は飯田さんに感謝を述べる。
「き、騎馬戦の時はありがとう。おかげで百姉さんと戦える舞台まで来れたよ。」
飯田さんは僕の握手に応じてくれた。
「ふっ…俺も通過点でしかないということか?
君は臆病なのか大胆なのか分からなないな。」
「あっ、いや、その…ううん、そうだよ。
百姉さんと戦うためにも飯田さんに勝つ。それと…」
僕は一つ深呼吸をする。
「飯田さんと真っ向勝負する気はないよ。」
「スタート!」
「鎧は金!大盾は鋼!中世騎士の鎧だ!」
僕は全身を黄金の塊で出来た鎧で包む。ものすごく重い。
「おーっと!ゴージャスだ!てかあれ売ったら遊んで暮らせんじゃねえか!?」
「本人から離れたら消えるだろ。…しかし、本当にすごい発想力だな。」
はっきり言って飯田さんに正面から挑む必要はない。
リーチと機動力で負けてる以上、防御に徹したほうがリソースを効率的に使える。
気を付けるべきはリングアウト…後は時間切れまで粘ればいい。
『そういう戦い方をしている』ように見せればチャンスはやってくる。
「なるほど…だが、俺も本気で行かせてもらう!」
飯田さんが全力の跳び蹴りを放つ。鎧と盾がなかったら耐えるのは厳しかった。
「中央をキープし続ければ…一撃で飛ばされることはないみたいだね…!」
「…タイムアップ後の戦いによっては君の身体能力に
負ける可能性もあるだろう。ならば、ここで決める!レシプロバースト!!」
ものすごいエンジン音が響く。そしてすごい衝撃が体に走る。
流石に飛ばされはしないけど、明らかに後退している。
レシプロバーストによる跳び蹴りの威力はすさまじい。
それが何度も襲ってくる。白線が見えた。
「これで止めだ!うおおお!」
「…真っ向勝負はしないから…逃げるよ。」
鎧と盾の"想像"を解きながら、飯田さんの跳び蹴りを前転で回避する。
飯田さんは勢いそのままに場外へ飛び出た。
「あーっと!?土壇場での回避が決まったあ!飯田場外!相心準決勝進出!」
勝利宣言を聞き僕は飯田さんに駆け寄る。
「だ、大丈夫…?かなりの勢いで飛び出してたけど…」
「心配はいらない…しかし、防御ではなく回避を取るとはな…」
「『鎧と盾がなくなる』"想像"を具現化したんだ。」
体から離れて物が消える体験は何度もしているから一瞬で出来る。
もっとも、タイミングを失敗したら動けなかったけど…
無条件で出来る切り札なんて物はこの世にないからね。
百姉さんの二回戦目を見なくちゃ。
「続いては1-Aガールズの対決だ!芦戸三奈対八百万百!」
「芦戸さん…本気で行かせてもらいますわ。」
「目が怖いよヤオモモ!?」
僕と本気で戦うと言っていたんだ。正直…僕も怖いぐらいだ。
「スタート!」
「酸への対策はこれが一番ですわ!」
百姉さんが白衣とゴーグルを纏いリケジョの姿になる。
「単純だけど効果的な対策だよ…これで武器を持ったら…」
僕が言うまでもなく、百姉さんは警棒とシールドを構える。
「芦戸さん!神妙にお縄につきなさい!」
「服装とセリフがあってないよ!?」
個性を封じられ、身体能力に差があったともすれば結果は明らかである。
百姉さんも見事に勝利を決めた。やっぱり百姉さんはすごいや。
次の僕の相手は轟さんだ…炎と氷…色々なことができるけど…
一回線や二回戦の戦いから考えるに、短期決戦になるだろう。
ということで原作とだいぶ異なる最終種目になります。