芸術的で文化的な異世界生活を目指して   作:生しょうゆ

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第12話 劇場に行こう

 

 

 

 受験勉強と言っても取り立てて特別なことをするでもない今日この頃、俺が気晴らしに足繁く通うのは帝国劇場である。

 

 かつて来訪したという転生者の影響からか、異世界でも異世界なりに娯楽は溢れている。小説に加えて漫画に新聞、評論本に界隈向け雑誌なんてのもある。加えてオセロもトランプも開発済みとなれば、安易な金儲けの種は出尽くしていると言って良い。

 

 その発展を享受しても良いのだが、しかし小説は読み飽きて、漫画は未だ発展途上と来ている。新聞に掲載される簡素な風刺画か四コマ漫画が今の主流で、ストーリー漫画はポツポツと現れては消えるだけだ。

 

 そこで最近お気に入りなのが、帝国劇場にて演じられるオペラである。当初は『オペラなんて古臭い』と思っていたが、実際に見に行って気が変わった。

 

 まず圧倒されたのは音楽である。思えばこの世界に生まれてこの方、音楽と言えば路上の歌手志望の少年少女か、吟遊詩人の弾き語りしか耳にしてこなかった。家は貴族的趣味を解さない商家なので、音楽家を招待することもなかったしな。

 

 その褪せきった耳に、開演一番に叩き付けられたオーケストラの複合的音色は、衝撃と興奮を以て迎え入れられたのだ。

 

 密やかに紡がれる管弦と共に、一体となって舞台上に繰り広げられるアンサンブル。大がかりな魔術的舞台装置を利用し、色鮮やかに大胆に移行するドラマの妙。

 

 そして何よりも、膨らみを見せる管楽器のサウンドを背景にして、高らかに歌い上げられるアリア!

 

 これは帝国劇場の構造が力でもあるだろう。魅了魔術でも掛けられているんじゃないかしらん? と思って詳しく見つめたこともあったが、そんな事はなかった。

 

 代わりに驚嘆したのはその魔術式、建築式の緻密な設計である。

 

 声楽をホール内に十全に届けさせる構造は基本中の基本。舞台前方に設けられたオーケストラピットにおいても配慮を発揮し、如何なる席位置においてもその重なりが渾然一体となるように術式が張り巡らされている。

 

 加えて驚嘆したのは、各座席に付与されている『選り分け』の術式である。細かな布擦れの音や、無遠慮な話し声、小さな笑い声などをノイズとして排除するその構造式は、かくも芸術に情熱を上げるかと! 素直に賞賛の声が出てくる代物だ。

 

 何せこれは、かつての世界で言う所のAIの領域だ。単純に一定の種類の音を排除するのではなく、術式そのものが座席に座る者を学習し、パターンを見極め、その耳に十全に舞台上の音色が届くように勘案されているのである。

 

 実際には、基本の例となるノイズを予め入力し、ある程度の時間でその誤差を修正するのだろうが……(そして、修正できないような誤差を出す奴は退席という"修正"を食らうのだろうが)、それにしても理解が及ばない代物だ。

 

 もう、これに関してはお手上げ。今の学習状況じゃ、俺には同じ物を作り出せない。というかオペラを楽しむためだけにこんな高度な魔術式を考えつくとかどうかしてるだろ。言っておくが褒め言葉だ。

 

「──だから、俺が劇場に足繁く通っているのも学習の側面が多分にある。分かった?」

「……ええ。魔術式学から錬金術学にまで渡り、多弁に説明して下さったお陰で、私の皮肉は空回りしてしまったわね! ええ!」

「というかそっちもそっちで勉強サボってオペラ見に来てんじゃないよ、アルケシア君」

「ぐ……いや……これは半強制的にと言いますか……」

 

 そんな風に顰め面を浮かべるのは、『もう関わらない』と言ったくせに三ヶ月後にはこうして対面しているマルガレーテである。

 

 今日の服装は華美な余所行きのそれであり、金色の髪を後ろに結って、小さな帽子を被った貴族の子女スタイルである。動きにくそうだなそのドレス。歩く度に裾が重そうに揺れているぞ。

 

 俺が少女マルガレーテに出会ったのは偶然も偶然、というかあちらの方から話しかけてきたのだ。

 

 今日も今日とて素晴らしき作品に拍手喝采を送った後、帰路に就こうとしたところで『あら、そこにいらっしゃるのはジョット・ブレイク君ではないですか』と、皮肉たっぷりの顔で笑って来たのである。

 

『評判になっていますわよ。かの疑惑の天才児は、最近、劇場鑑賞に熱心だとか。学院試験を控えている身だというのに随分な驕奢の日々、結構ですわね?』

『うわっ、なんで居るんですか』

『な、何で居るんですか、と来ましたか……! ま、まあ! どなたかがおサボり遊ばされている一方で、日々研鑽を高めている子女がいることを、気に留めていて下さいませ!』

『いや、じゃあなんで居るんですか。というかオペラを馬鹿にするなよ。これはこれで勉強になるんだからな、サボってはいるけど』

『サボってはいるのね……?』

 

 で、そこから先程の説明に入ったのだ。オペラって素晴らしいなあ! という説明である。あとバレエも好きだしミュージカルも好き。しかしこうなるといくら稼いでも金が足りなくなるな……。

 

「それで、アルケシア様もサボりかい? そりゃあ良かった。金をせびるネタが増えるからな」

「貴方の腐りきった性根の責任はフルンゼ氏に求めれば良いのかしら。それともそう産み落とした世界に求めれば良いのかしら?」

「悪いが生来の性根だよ。先生とは互いに影響を与え合い、受け合う仲だな。クズのデュエットって訳だ。わはは」

「オペラへの冒涜そのものの二重奏は即刻止めて頂くとして……私が今この場に居るのは、お父様に『根を詰めすぎている』と言われたからよ」

「へえ」

 

 確かに、マルガレーテの顔は、夏のそれに比べてやや窶れている。眉間には皺が刻まれ、編み込んだ金髪もややくすんで見える。そして何より、げっそりとした顔で俺を見つめている。

 

「誰かさんが世の不条理を教え諭して下さったお陰で、ますます勉学に熱が入るようになりましたが、お父様にはそれが過度であると受け止められてしまったらしく、こうして息抜きを迫られた次第ですわ」

「成程、確かに過保護な親ってのは面倒だよね。俺も最近は『ジョットの杖はどれにしようか!?』ってうるさくてね。参ってしまうよ」

「貴方、まだ杖を買っていなかったの……? 流石に、試験には用いなければ、そもそも使えぬものと減点されてしまうわよ」

「そこは慣らしているから大丈夫だよ。それに、先生がプレゼントしてくれる予定でね」

「ふうん。流石、そつがないと言った所ですわね?」

 

 マルガレーテは皮肉っぽくそう言ってくる。こいつは皮肉しか言えんのかと言いたくなるが、しかし先生も先生である。何時になったらくれるのだろう。

 

 試験では試験用の杖を使うと話には聞いているが、まさか話を誤魔化して有耶無耶にするつもりじゃないだろうな。先生は吝嗇家、もといケチだからなあ。

 

「まあ、息抜きに来たってんなら勉強の話はよそう。今日はお家の人と一緒に来たのかな?」

「子供へ向けるような口調は止めて。今日は私付きの召使いと共に訪れたのよ。ローベン、ここに!」

「はい、お嬢様」

 

 そう言って現れたのは、何時ぞやも対面した縦に横にデカイ老紳士である。流石に劇場内ということもあって剣を提げては居ないが、それでもその巨躯は目立ちすぎている。それで今まで雑沓に紛れていたんだから大した物だな。

 

「お久しぶりです、ジョット・ブレイク君。先日は名乗ることも出来ず、大変失礼致しました。改めまして、私はローベン。ローベンと申しまして、アルケシア公爵家に仕えさせて頂いている者でございます」

「おお、これはご丁寧に。どうも、ジョット・ブレイクです」

「ブレイク君にそんな丁寧な挨拶は必要ないわよ、ローベン」

「お嬢様より召使いの方が丁寧とは、公爵家は随分と進歩的な教育を行っているようだね」

「おや、帝国貴族侮辱罪を適用されたいようね?」

「いや、どうやら国家機密漏洩罪だったらしいな」

 

 肘で殴りつけてくるマルガレーテをひょいと避け、しかしここで会ったのも何かの縁。今日はお嬢様に集って下町見物と洒落込もうか。そう思ったところで、

 

「……おーやー?」

「うげっ!?」

 

 声色にぎょっとして振り返った先には、何故か知らないがリインが居た。非常に珍しく、というか初めて見たドレス姿である。黒を基調とした服装は、どす黒い黒髪と黒眼も相まって、率直に言って死神染みている。

 

「おや、おや、おや! その黒髪、その琥珀色の眼。その全く子供らしくない理知の顔。そこなそこに御座しますは、何を隠そうジョット君ではないですか!」

「り、リイン……さん……じゃないですか……」

 

 リインはそのままスタスタと歩み寄って来、退屈を紛らわすように両手で肩に体重を掛けてくる。お、重い……というか力が強い……流石は金等級の冒険者……。

 

「……お知り合いですか?」

 

 マルガレーテは不審者でも見るようにリインから数歩離れていたが、当のリインは「お友達にして将来の主人です!」と元気よく返事をする。

 

 自分が引かれていることを自覚していないようである。元気そうで何よりだ。

 

「いやあ、まさかジョット君とここで出会えるとは。まあ噂を聞いたから会いに来たんですけどね。寂しいですよ最近はめっきり顔を出さなくなってしまって。これでは私の覇道計画もご破算と! 残念会を開きませんか?」

「開きませんし、たとえ開かれても行きません。あと等級が上がった時におめでとうの贈り物は贈ったでしょう」

「ハゲと連名での贈り物は嫌ですよ。まあ中々に使い勝手が良いので、あの短刀は多用していますがね。ちなみにそのハゲは?」

「ハゲは『オペラ行くくらいならその金で娼館行くわ』との事でして、今頃は何処かの寝屋でよろしくやっていやがるんじゃないでしょうか」

 

 ジーニス先生は『流石にご両親に怒られちゃうぜ!』と念入りに秘密にするように言っていたが、まあどうでも良いだろう。一応はこのサボりも対外的には実践魔術練習となっているのだ。

 

 リインは呆れたように笑い、肩を竦める。ガチャガチャ音が鳴らないのが新鮮であった。

 

「教育の放棄、ここに極まると言った所ですね。どうです? 今からでも師匠を変えません? 魔術は無理ですが、剣に関しては教えられますよ」

「今は十月ですよ。今から専攻を変えられるわけが無いでしょう。あと俺って肉体労働が嫌いなんですよね。汗水垂らして働くとか馬鹿みたいじゃないですか?」

「ぎゃは。言外に私を馬鹿だと言うジョット君のジョット君っぷりに感激ですね! 久々にジョット君成分を摂取できて満足です」

「何ですかその胡乱な成分は……?」

 

 そんな風に懐かしく一頻り言い合ったところで、「ちょ、ちょっと」とマルガレーテが声を掛けてきた。なんかようかい。

 

「いやお知り合いですか? と言っているでしょう。貴方が年上趣味だったのは意外だけれど、その無礼な態度が私だけに向けた物ではないようで何よりだわ」

「何よりなら何よりじゃないか。君は皮肉を言いたいだけなのか?」

「い、いいえ違います。この御婦人……いえ、お嬢様とは、どのようなご関係ですか?」

「言いましたけどね? 親友にして将来の王と側近ですよ」

「ぅおっ……とと。これは失礼致しました」

 

 ぐい、とリインが首を突っ込んできたのにたじろぎながら、マルガレーテは改めて恭しく礼をする。この恭しくって形容詞そろそろ外して良いかな。何時も恭しいし。

 

「私はマルガレーテ・アルケシア。アルケシア公爵家の三女にして、ブレイク君とは……ええと……顔見知りですね。よろしくお願い致しますわ」

「へえ! お偉いさんですか。それも怪奇蝙蝠男と違ってちゃんとした。これはこれは」

 

 リインも軽く頭を下げ、「こちらは召使いのローベン」と老紳士もご紹介に与かる。「じゃあ、こちらは私の相棒のジョット君です」と俺もご紹介に与かる。与からんで良い。そして相棒でもない。

 

「はあ……その、相棒ですか? ブレイク君は、付与魔術師として日銭を稼ぐだけでなく、冒険者稼業もなされていたので……? 貴方がそうであるというのは、今し方耳にしましたが」

「いいえ? でも、いずれはそうなる未来が待ち受けていますよ。約束しましたからね!」

「してないからね」

「おほほ……ブレイク君は愉快な友人を持っていらっしゃるようで……」

 

 マルガレーテは控えめに言ってドン引きって顔を浮かべていた。しかし、それをすぐに引っ込めたのは流石だと言わざるを得ない。リイン相手には無意味だけどな。人の顔色を気にしないし。

 

 そこでリインがぱち、と手を叩き、笑って言った。

 

「まあ、ここで会ったのも何かの縁。そして金の切れ目が縁の切れ目! ジョット君との縁に切れ目を作らぬ為にも、ここは一つ、散策にでも乗り出しませんか、お嬢様?」

「申し出はありがたいのですが……生憎、この様な格好でして、街を歩くには適切ではありません。また今度、お誘い下さいませ」

「へーえ。じゃあ、またね。行きましょうリインさん」

「貴方も貴方で下町を歩く格好ではないでしょうに」

 

 そうマルガレーテは呆れたように言う。しかし、そんなふわふわドレス姿に比べればまだマシな方だろう。子供用のジャケットと長ズボンに、少々高級そうな刺繍が入っているだけである。金持ちのガキ感満載だな。

 

「俺は良いのさ。散歩は俺の趣味なんだ。金が掛からないし、物珍しい物を見ることも出来るからね」

「その様な格好で下町を歩くことに、反感を覚える者もいるでしょう」

「えーどうでも良いでしょう。だって俺子供だし。金持ちのガキが遊んでる事に腹を立てるのもガキみたいだろう」

「自分を金持ちの子供と言う子供って、碌なものじゃないわね」

 

 まあ、実際俺が金持ちのガキを接客する立場だったら、死ぬほどムカついて頭の中で三回ぐらいは殺すであろう自信があるが、今の俺は接客される側なのでどうでも良いのだ。おう、言い切ってやるぞ。

 

「ぎゃは! だったら今すぐ行きましょうかジョット君! あちらのお嬢様との関係についても後で聞くとして、どこに行きます? 武器屋でも見に行きましょうか?」

「そんな生涯縁がないことを望む場所ではなく、カフェにでも行きましょう。今日のオペラの感想でも言い合いません?」

「えー、寝てたから分かりませんよ。私がここに来たのって、ジョット君に会うためでしたし」

「よし! 梯子して別の劇場に行きますよ! オペラへの冒涜者を今日中に改宗させなければならん!」

 

 確か帝都内の小劇場の中に、この時間からでもやっている小演目があったはずだ。劇場を寝床と勘違いしているような輩には、徹底的に教え諭さなければならないだろう。

 

 と、話の方向性が変わったので、俺はマルガレーテを見た。彼女は馬車でも待たせているだろうに、まだこの場に佇んで、俺を見つめている。

 

 なんだい、先程までとは打って変わって、つまらなそうな顔を浮かべて。仲間外れにされた子供みたいだな。子供だったわ。だったら子供らしく遊ぶとしよう。

 

「じゃあ、アルケシア君にも時間はあるか? そういや君の感想を聞くのを忘れていたんだ。どうだい、劇場二本立ての後、感想戦二本立てってのは。俺の感想は強くて速いぜ」

「……感想戦は将棋の用語でしょ。そんな、感想で戦い合うような意味ではないのよ」

 

 言いながら、しかし彼女は微笑んだ。「ローベン」その言葉に老紳士は無言で頷き、礼もそこそこに去って行った。

 

「仕方がないから、付き合ってあげる。ローベンが家の者に伝えてくれるから、門限は気にしなくて良いわ」

「門限……? あっ、忘れてた」

「貴方の方がそれでどうするのよ……」

 

 まあ、両親には後で謝れば良いだろう。ちょっと先生に『魔術の練習に熱が入った』とか言わせとけば納得するはずだ。先生にはアドリブに付き合って頂く事になるが。

 

 そんなこんなで、俺達は劇場を梯子し、しばしの感想バトルに白熱した後、帰路に就いた。

 

 その頃にはマルガレーテの眉間の皺も取れ、げっそりとした顔もすっかり高貴な美少女となっていた。カフェの店先にて、上機嫌に鼻歌などを歌い、帽子に手を当てて歌姫を気取っている。

 

「タリ・ラ・タタ・ラ・ラララ……」

「音程がぐちゃぐちゃだし発声の基礎がなってないしリズムが独りよがりすぎる」

「なんでそんな本気の採点を受けなければならないのよ」

 

「ほんと貴方って、性格が悪いわね」公爵家の馬車に背を預け、呆れたようにマルガレーテは笑う。「それに段々分かってきたけど、人間としてみみっちいし」

 

 夜はすっかり更けて、魔術灯が馬車を仄白く照らしている。

 

「ほんと、その才能に比べて、どうしてこんな人間なんだって苛つくくらいで……」

 

 その下に、マルガレーテの髪色は、曖昧に黄金に輝いていた。

 

「でも、今日は楽しかった」

 

 ありがと。と、そう微笑んで、マルガレーテは馬車に乗り、去って行った。俺は去り行く馬車に手を振って、それが路道を行くのを見つめていた。

 

 後に残されたのはぼーっとした顔を見せるリインと俺である。ドレス姿に預けていた剣を提げ、しかし隙だらけにうつらうつらとしている。

 

「眠……いですよ、ジョット君。私、今日気が付きました。私の趣味は眼がぱちんと覚めるような代物ですね。もっと過激な音楽なら楽しめたかも知れません」

「そりゃあ悪かったです、無理に付き合わせてしまって。よければ今度は、俺がリインさんの趣味に……あっ娯楽の方面で! 付き合いますよ」

「えー、そう言われても、戦場音楽って戦場以外でやっているんですかね? あと、血の臭いと敵の叫び声もなければ物足りませんよ」

「やっぱり付き合いません。さようなら」

「ええっ、そんなー。残念です」

 

 さて、そうして俺は自宅に帰り、その途中で「マジでどこに行ってたのジョット君ねえ!? 報告連絡相談は社会人としての必須スキルなんだからね!」と、焦燥した様子の先生と家の前で落ち合った。

 

「ジョット君のことだから、子供みてえに心配はしなかったけどよぉ……いや、不労所得という名の飴をちらつかせたら飛んでいきそうだがな……ともかく! 事前に言えよ遅れるなら!」

「急なことだったので、申し訳ありませんね。何しろ公爵令嬢様と一緒に観劇していたものですから」

「あー……あのクソガキかぁ……なら仕方ねえかな……」

「誘ったのは俺の方ですけれどね」

「お前が悪いんじゃねえか!」

 

 で、帰ってからは両親に対して必死になっての説明である。公爵家の名前を出せば驚かれたものの、それはそれとして叱られることになった。

 

 貴族の家名にも乱れぬとは立派な親である。今後とも脛をかじり続けていきたいものだ。

 

 

 

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