ブルーアーカイブ 転生者によって歪められた青春の記録   作:雨の日

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叡智は遺物を超えられるか? 3

 コアのある場所に見当がついてからは早かった。最初に見当をつけた位置にコアがあることを確認してからc&cとゲーム開発部、セミナー全員による人海戦術によってコアを発見して解除していった。その数、1000個。よく最後まで見つからなかったものだといえる数だった。

 

「それでククリ先輩、説明していただけますか?」

 

「わかったわ」

 

 最後のコアの中にいたククリは周囲の状況から趨勢が決したことを把握しておとなしく投降した。今はセミナーの執務室で何か危ないものを持っていないかボディーチェックされてから今回の騒動についての説明を要求されていた。

 

「私は廃墟でとある機械を見つけた。無名の司祭の遺物である不可解な軍隊と呼ばれるものよ。調月も知っているでしょう?」

 

「ええ」

 

「あれに勝つことは難しくない。ただ、数は脅威でありあれを束ねる名もなき神々の王女と呼ばれる存在はそれなりの強さを持つらしい。そちらについてはどうかしら?」

 

「いいえ」

 

「そう・・・・・・ほかにも奥地に違う機械勢力がいた。ケセドっていうのだけどそちらは?」

 

「いいえ」

 

「そう・・・・・・という風に廃墟には機械の一大勢力がいた。ほかにも探せば脅威になるものがキヴァトスにはゴロゴロあった。それなのにそのことを誰も気にしない。こんなの普通ではない。いや気にしている自分がもしかしたらおかしいのか。そんな風に悩んでいる時にメッセージが送られてきたのよ。それが・・・・・・」

 

「この世界はゲームの中の世界だってやつか?」

 

「そう・・・・・・其れがどんなにおかしいことだったか。今ならわかる。でも・・・・・・」

 

「精神的に追い詰められていて逃げ道が欲しかったってところか?」

 

「そうなのかもしれないわね。調月、明星、美甘。迷惑をかけたわ」

 

「いえ、こちらも得をした部分もあるので私はいいのですが・・・・・・」

 

「ククリ先輩。あなたを騙した人を見逃すことはできませんし被害もでています。ですから無罪放免というわけにはいきません」

 

「わかっているわ」

 

「しかしククリ先輩を騙すってそんなことできそうなやついたか?」

 

 ネルはククリが姿を見せなくなる前に関わった人物たちを思い出しながら首をひねる。ククリはロマン派ではなく現実派であり頭も回る方。台座を誰も壊せなかったように高い技術も持っているため騙そうとする企業が多く警戒心も高かった。

 

「私はメッセージの相手の名前も知らないし会ったこともないの」

 

「は? じゃあなんでそんなこと信じたんだ? 普通おかしいと思うだろ?」

 

「ええ。なぜか信じてしまった。やっぱりあの頃の私はどこかおかしかったのでしょうね」

 

「ククリ先輩、嘘はついていませんよね?」

 

「ええ、私のパソコンに記録が残っているはずよ」

 

 ククリに言われて押収品の中にあったククリのパソコンを持ってくる。ロックされていたのでリオが解除しようとして失敗し最終的にコユキが解除したがデータは何も残っていなかったはずだったのだが。

 

「・・・・・・これね」

 

「嘘!?」

 

 そこにはデスクトップを埋め尽くすフォルダの山。どんな風に隠していたのかまったくわからないその所業にリオとヒマリは驚く。ククリはその中から該当するフォルダを開く。そのフォルダには確かに何かのデータが入っていた。

 

「あー・・・・・・これ特殊な加工がされているわね? これによって暗示のようなものを受けていたのかしら? ・・・・・・これでいいわね」

 

「んん?」

 

 ククリが操作するとフォルダから感じていた何か違和感のようなものが消える。それが何か明確に言葉にできずネルは首を傾げる。

 

「・・・・・・ビンゴね」

 

 ククリがフォルダ内にあるものの1つを開く。そこには黒い点字のようなものがびっしりと入力されていた。スクロールしていくと下にもびっしりと入力されているのがわかる。

 

「点字か?」

 

「いえ、ここの配列とかがおかしいので違うとおもいますが」

 

「えーと・・・・・・『この世界はゲームの中の世界だ。貴殿が何をしても自由だが貴殿の生殺与奪の権利はこちらが握っている。そのことを努々忘れるな』かしら?」

 

「読めるの?」

 

「ええ。これはエンジニア部だった侘時がつくったオリジナル言語だったはずよ」

 

「ならその侘時先輩がククリ先輩を?」

 

「それは無理ね。あいつ、確かキヴァトスの外にいるし私とは仲が悪かったもの」

 

「そうだな。確か侘時先輩は2年前にキヴァトスから出ているはずだ」

 

「・・・・・・確かにそうだったわね」

 

「キヴァトスの外に行くなんて珍しかったのでよく憶えています」

 

 侘時はちょっとした事情がありキヴァトスの外に出た珍しい人物でミレニアムサイエンススクールの人間なら憶えているものも多かった。何せミレニアムサイエンススクール地下にあるホドについて危険であると言い続けていた生徒であったからだ。

 

 何が危険なのか。どう危険なのか。何も告げない侘時は周りから避けられるようになった。そして侘時はククリをなぜか嫌っていた。ククリがなぜか聞いても明確な答えがなく次第にククリも侘時を嫌うようになった。

 

「ククリ先輩、よく侘時先輩のオリジナル言語だとわかりましたね」

 

「ここ。この始まり方は侘時のオリジナル言語の特徴だったのよ。調月も何かこういうのを調べていたそうだしちょっとすれば分かったんじゃないかしら?」

 

「ああだからどこかに見覚えがあったのね」

 

 リオはビックシスターアルゴリズムなどを開発している通り様々な情報を収集していた。その中にこのオリジナル言語についてもあったらしい。ヒマリはリオのその言葉にちょっと引いていた。

 

「しかし生殺与奪の権利とか大きく出ましたね」

 

「ああ」

 

「まああの装置に生命維持装置が入っていたのだけどそれを停止させられていたら今頃私は生きていないものね。それを考えると間違いではないわね」

 

「停止させるなんてできるんですか? 未だにこちらでの解析が進んでいないんですが・・・・・・」

 

「その生命維持装置の部分の技術は相手からの提供だったのよ。だからこちらにわからないようにどこかに罠が仕掛けられていてもおかしくないわ。一応テストはしているけれどね」

 

「確かに今開いたフォルダにも何か仕掛けをしていた相手ですものね。そっちにも何かあってもおかしくないのかもしれませんね」

 

 台座と球体だったものはしっかりと回収しエンジニア部などが必死に解析しているがわからない部分が多すぎる。まず材料から不明であり調査は難航していた。絶対に解き明かすと研究者の性なのか燃えていたが。そのような謎技術の塊なのだ。何があってもおかしくない。

 

「ククリ先輩」

 

「わかっているわ。私の技術は後でまとめてセミナーに提出するわ。そこから辿れるものもあるでしょうし」

 

「ククリ先輩を騙した犯人は必ず見つけます。もしかしたら他にも犠牲者がいるかもしれませんから」

 

「ええ、私も全面的に協力するわ。私以外にも被害者がいそうだもの」

 

「ほかにも、ですか?」

 

「ええ。私たち世代の発明品がミレニアムサイエンススクール周りにはいくつかあるのだけど知らない?」

 

「いえ、いくつかは」

 

「その中には悪用されたらまずいものもいくつかあるの」

 

「確かにな。インフラに影響しているものもいくつかあったはずだ」

 

「相手がほかのにも手を出してない保証はないでしょう?」

 

「ああー・・・・・・」

 

 ククリの懸念にリオ達は頭を痛そうに抱えた。確かにありそうなのだ。ククリの世代の発明はインフラや第一次産業に関わるものが多く悪用されるといろいろな場所に問題が出る可能性がある。そしてククリほど警戒心が高くない生徒が多かった。何かされていてもおかしくない。

 

 先輩たちが残していった発明品、遺物が自分たちに牙をむく可能性が高い。すぐに動き出す必要性が出てきた。

 

「1つずつ解決していきましょう。どんな難題だろうと乗り越えて見せるわここはそういう学園でしょう?」

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