ブルーアーカイブ 転生者によって歪められた青春の記録   作:雨の日

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介入により歪んだ茶会 2

 サンクトゥス分派の長になりティーパーティーのホストになったウルの初仕事はパテル分派の元長であるミカとの面会であった。何らかの組織によって利用されたとはいえセイア暗殺に関与したことは事実なのでミカはパテル分派の長を退くことになったのだ。

 

「初めまして、サンクトゥス分派の長に新しくなりました泊ウルといいます」

 

「初めまして。私は聖園ミカ。よろしくね? ウルちゃん」

 

「ええ」

 

 面会は和やかに進んだ。ウルはセイアのようにもって回った言い回しなどできないしその言い回しによってミカとの関係がうまくいっていなかったのを知っていたのでなるべくストレートになるように心がけていた。

 

「ウルちゃん」

 

「・・・・・・何でしょうか?」

 

「セイアちゃんを殺そうとした組織とかに心当たりってある?」

 

「・・・・・・一応サンクトゥス分派の人間の身辺調査はしましたが不自然なお金の動きは確認できませんでした」

 

「・・・・・・お金以外を使った可能性もあるよね?」

 

「もちろんです。傘下の企業を使ったりされていた場合こちらでは追いきれませんから誰にでも可能性はあります」

 

「そっか~」

 

 ミカの目が濁る。自分を利用してセイアを殺害したことが許せないのだろう。無意識なのであろうが圧が増した。ウルはそれを何でもないかのように受け流す。ミカの無意識の圧くらい受け流せないとキヴォトスの上澄みとの本気の戦闘はできないのだ。

 

「パテル分派の方がやった可能性はあるのでしょうか?」

 

「う~ん・・・・・・ないと思うよ?」

 

「そうですか・・・・・・となるとフィリウス分派かシスターフッドですかね?」

 

「ナギちゃんのところはこんなことしないと思うんだけど」

 

「シスターフッドのほうは否定しないんですね」

 

「うん。あそこは秘密主義でよくわからないんだよね」

 

「確かに。今のトップである歌住サクラコさんも妙な噂が流れている人物ですしね」

 

「そうそう! 教会に来た人間を洗脳してるとか変な噂があるんだよね」

 

「実際にお会いしたことはないので何とも言えないところですね」

 

 首謀者候補から救護騎士団は自然と除外されていた。部長だったミネの片腕を欠損させる理由が思いつかなかったのだ。ミネの戦闘能力はほかの分派からすると脅威だったが味方にとっては頼もしいものだったはず。それを損なってまでセイアを暗殺するのは不合理だ。

 

「そういえば知ってる? ミネちゃんがまた倒れたって」

 

「またですか」

 

 ミネは自分の実力不足でセイアを守りきれなかったことを悔やんでいた。物や人にあたることはなかったが度を越えたトレーニングを行うようになりよく倒れていた。後輩たちはそんな痛ましい状態のミネを止めようとしたが何度言ってもやめようとしないので説得は半ば諦めていた。

 

「・・・・・・ミネちゃんの責任だけじゃないのにね」

 

「聖園様も思いつめないでくださいね?」

 

「アハハ。それは無理かな? どうしても頭によぎっちゃうんだ。もっと考えて行動すればよかったんじゃないかって」

 

「・・・・・・そうですか」

 

「ああすればよかったとか。こうすればよかったとか。いまさら言ってもどうしようもないのにね?」

 

 事件からそれなりに経つがやはりミカにもまだまだ時間が必要のようだ。こういうのは時間が解決してくれるというが学生の時間は意外と短い。早く立ち直って明るい笑みを浮かべてほしいところだ。

 

「・・・・・・起こったことは変えられません」

 

「そうだね」

 

「ですが・・・・・・」

 

「?」

 

「これからはいくらでも変えられます。聖園様、なにかやりたいことはありますか?」

 

「え? えーと・・・・・・セイアちゃんの仇を討ちたい!」

 

「でしたらここで止まっている時間はありませんよ? 卒業までに相手を探しながら勝てるように鍛えないといけないんですから」

 

「・・・・・・確かにそうかも。ミネちゃんが手も足も出なかったんだもんね」

 

 ミネの実力をミカは正確に把握していない。ただ、救護騎士団の武力をほぼ担っていたというのは知っていた。ミネが壊して騎士団が治すという言葉もあるくらいだ。そんな相手を時間をかけることもなく打倒した相手の実力は相当なものだろう。

 

 ミカは自分の実力をあまり気にしたことがなかった。自分で戦うことがあまりなくナギサやセイアとは口喧嘩はするが銃撃戦になることはなかった。つまり戦闘の経験がほぼないのだ。

 

 ウルは相手をSRTのような特殊部隊なんじゃないかと思っている。自警団の警戒網と正義実現委員会の警戒網の2つをかいくぐれるような相手がそうポンポンいるとは思えない。それに現場に相手に関するものがなかったというのも根拠の1つになっている。現場からあんなにきれいに証拠を消すのは中々できることではない。

 

 ミカによる誘導があったらしいがそれも爆弾を持っていく実行犯のみにだったらしくその後に現れた部隊についてミカは知らなかったことが調査でわかっている。町中にある監視カメラもミネとの戦闘もあったのに不自然にならないように編集されていた。

 

 そんな部隊を雇うことができるのはある程度大きい学園だろう。もしかしたらカイザーなどの悪い大人が関わっている可能性もあったがそれにしては今まで動きがない。なのでその線は薄い。

 

 ただ、学園となると候補は絞られるがどこと特定できる情報がない。悪事をばらされるということで襲撃されたらしいのだが大きな学園ならどこでもなんかしらやっている可能性が捨てきれない。なんなら連邦生徒会が1番可能性がある。

 

「聖園様はパテル分派の長を辞退したんですよね?」

 

「うん。私が今の状況で長にいるのは色々とまずいからね」

 

「そうですよね」

 

「えっと・・・・・・何かまずいのかな?」

 

「いえ、それなら鍛える時間はありそうですね」

 

「うん。放課後はナギちゃんのお茶会とかがなければ大丈夫かな」

 

「ならとある人を推薦したいんですが・・・・・・」

 

「とある人?」

 

「柏木ハジキさんという人なんですが知っていますか?」

 

「えっと・・・・・・」

 

「まあ目立たない人ですし知らないですよね。図書委員会の方なんですが中々お強い人なんですよ」

 

「へえ~」

 

 柏木ハジキ。図書委員会所属の3年生。ミカと同じSMGを使う生徒であり性格も温厚。それにハジキにはとある特技がありそれとミカの相性がいいとウルは判断した。

 

「どうしますか?」

 

「・・・・・・うん。お願いできるかな?」

 

「わかりました。こちらで連絡しておきます」

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