ブルーアーカイブ 転生者によって歪められた青春の記録   作:雨の日

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3大校は描写したので原作前を早く終わらせるために黒幕(迷惑な奴ら)による表面上の状況整理と裏で行われていたことです


黒幕は現状を確認する1~砂漠の学校は爪を研ぐ~

 キヴォトスのDU地区にある高層ビルの一室。そこには複数の人が座り手に持つ資料を読んでいる。ハッキングなどをされて誰かに見られないために手書きで書かれたその資料にはキヴォトスにある主要学校の情報が書かれているようだ。

 

「まずは現状を確認するぞ」

 

「連邦生徒会長は先日失踪したことが確認されました」

 

「その結果、連邦生徒会はサンクトゥムタワーの制御権を失い行政が滞るようになってきました」

 

「これは予定通りだな」

 

 連邦生徒会長の失踪と連邦生徒会のサンクトゥムタワーの制御権の喪失。それは様々な場所に被害が波及する大問題なのだがこの場にいる面々にとっては大したことではないようだ。

 

 市民にとっては問題でも彼女らには問題ではない。何故なら連邦生徒会長が失踪しとある人物がキヴォトスに来ることにより原作が始まることを全員が知っていたからだ。そう、彼女たちは連邦生徒会に所属する転生者たちである。

 

「先生はいつ頃キヴォトスに?」

 

「さあ? そこら辺は特に記述もなかったはずだ」

 

「それまでは何とかできないか無駄な努力をしないといけないのか」

 

「あとは連邦生徒会長の捜索もだな。おそらく先生が所持することになるシッテムの箱の中にいるのだろうがこちらも探さないと不自然だと思われる」

 

「そうだったな」

 

 原作の通りなら先生が来れば制御権の方はどうにかなる。それまでに起こる大量の書類仕事を想像しため息が漏れる。できれば早く来てほしい。転生してから社畜のように働きたくないのだ。

 

「次に原作に関わる学校についてだな」

 

「ああ、まずはアビドス高等学校からだな」

 

「確か原作だと小鳥遊ホシノ、砂狼シロコ、十六夜ノノミ、奥空アヤネ、黒味セリカの5人のみが在籍している学校だな」

 

「そうだな」

 

 アビドス高等学校。全盛期はすごい勢力を誇っていたらしいが今では在校生5人というところまで衰退した砂漠地帯があたりに広がる学校。原作だと先生が最初に行く学校でありここでの出来事が後々に響いてくる。

 

「確かわれらと同じ転生者がいたのだったな」

 

「ああ、原作通りにするために排除したはずだ」

 

「そのあたりの報告書はどれだ?」

 

「・・・・・・あった。これだな」

 

 どうやらアビドスには転生者がいたらしい。彼女たちは原作通りにするために転生者の排除を決定し実行に移した。アビドスにいた転生者は砂漠で遭難して脱水症状によって亡くなったことになっているようだ。

 

「・・・・・・不審な点はなさそうか?」

 

「ユメパイと転生者。どちらも脱水症で亡くなったというのは不自然なんじゃないか?」

 

「いや、だがあのアビドス砂漠だぞ? 注意していても遭難しそうだしおかしくはないんじゃないか?」

 

 アビドス砂漠。それはアビドス高等学校の全盛期にはすべて領土だった広大な砂漠だ。砂蛇とも呼ばれる大きな蛇のような鯨のような巨大な機械生物が余裕で回遊できるその砂漠なら砂嵐などにあえば遭難することは難しくない。

 

 水分などを持っていない状況で誘拐し砂漠のど真ん中にでも放置すれば脱出するまでに脱水症状にすることも難しくないため実行犯はカバーストーリーをつくりやすいこの方法を用いた。

 

 普通ならそれで問題はなかった。ただこの転生者、皇キホは普通ではなかった。まあ転生者に普通と呼べる人がいるはずないのだが。

 

 キホは砂漠に放置された後自力でアビドスに帰るのは不可能と判断し砂嵐によって砂に埋まりつつある元住宅街となってしまったところにある廃墟に避難。とある存在に救助を頼んだ。

 

 救助を頼んだ相手はカイザーPMC理事。この頃からアビドス砂漠で上司の命令により宝探しを行っていた存在だ。この理事、原作ではアビドスを脅かす存在なのだがこの世界では違った。なんと理事は憑依者だったのだ。

 

 転生前の知識がある理事はこのままだと原作通り失脚していくことがわかっていたのでアビドス砂漠の発掘と並行してどうするか策を練った。そして自分の動きを原作通りにしながら梔子ユメと小鳥遊ホシノが入学するまで待ち行動を開始した。

 

 自分以外にもこの世界に来ている存在がいるかもしれないと理事は考えていた。なので原作持ちに不自然にみられるような行動は一切取らないようにしていた。現にアビドスに訪問した際原作にいない存在であるキホに遭遇した。

 

 それからの理事の行動は速かった。まずキホに自分の事情を話し信用を得てホシノとユメを味方につけた。そしてほかの学校にもいるかもしれないからと借金を減らしたりなどは表面上はしなかった。ただ、借金の返済は実際にはしなくていいと通告した。

 

 ユメの砂漠での遭難はキホの遭難の2日前だった。理事は偶然近くで演習をしていたこともあり救助に成功した。この時ユメは水分を全く所持せず軽装だった。砂漠を横断するにはおかしい格好に理事は最悪のケースを想定しキホに何かあるかもしれないと連絡用の端末を渡した。

 

 理事の懸念通り殺されそうになったキホは理事に保護されPMCの施設で働くことになった。このPMCでの働きによりアビドスの借金は完済したことに内部データではした。まあ9億以上の借金が短時間で完済するのはさすがにおかしいとみられそうなので色々と偽造をした。キホの死もその1つだった。

 

 ホシノには救助後まず真っ先に連絡した。絶対に心配し自罰的思考に陥るだろうと理事が判断したからだ。ユメに続いてキホも死にそうになったということでホシノは不眠症気味になり常にイライラしていた。どこかぶつけられる相手を探すようになりアビドス周辺の不良を震え上げさせた。

 

 理事はこれではいけないと思い2人の砂漠遭難がなぜ起こったのかを調べた。ユメならやりそうだがキホはあんな軽装で砂漠に行くほど不用心ではない。何か理由があったはずだと考えたからだ。そして2人が誘拐される映像を発見した。

 

 その映像が映っていたのは独立回線を用いていたものだった。その他の近くにある監視カメラには不審な部分はなかったが詳しく調べると何か細工が施されていることが判明した。

 

 理事は何か誘拐犯のことがわかる決定的な証拠となるものがないかホシノやユメたちに映像を見せながら尋ねた。ホシノは鋭い瞳をさらに鋭くし映像を睨みつけた。ユメはそんなホシノから発せられる殺気のようなものに顔色を悪くしながらその当時のことを思い返した。

 

「そういえば・・・・・・」

 

「ユメ先輩?」

 

「これで原作通りになる・・・・・・とかいっていたような?」

 

「原作通りになる? ・・・・・・まさか!?」

 

「どうやら俺の懸念通りだったようだな」

 

「じゃあユメ先輩やキホを殺そうとしていたのは・・・・・・」

 

「この世界の記憶を持つ。この世界をゲームの中の世界だと思っているアホどもだろうな」

 

「そんな!?」

 

 理事は犯人にあきれていた。この世界が原作通りに進むと本当に思っているのだろう犯行集団に。自分や探して見つけたほかの学校にいる転生者たちの動きから原作通りに進まないことは明らかだというのに。

 

「この地に住むものすべてを馬鹿にしているとしか思えない」

 

「理事・・・・・・」

 

「俺はこのボディに憑依している存在だ。確かにこの世界がゲームになった世界も知っている。ただな。こうやって触れ合ってみればわかる。確かにこの地でホシノたちは生きているのだとな」

 

「でもここまですることができる連中なら・・・・・・」

 

「失敗したと思ったら次を送りこんできそうだな。ならこうするか・・・・・・」

 

 理事は相手が原作通りにすることを目標にしていることを考えてキホとユメの死の偽造を提案した。ホシノとすぐに会えるように砂漠のPMC基地に匿いいつでも会いに来ていいとした。ただし尾行には十分注意するようにとも言い含めた。

 

「どこから生存が漏れるかわからんしな」

 

「確かにそうですね」

 

「ここまでやるということはうちと事を構えることも視野に入れているはずだ」

 

「カイザーに喧嘩を?」

 

「ああ。うちは原作だと主人公である先生と何度も敵対しているからな」

 

「そうでしょうね」

 

 ホシノは理事にジト目を向ける。原作通りに行動していたといっていた理事の行動はつらく苦しいものだった。カイザーは灰色の行動をよくとっている。アビドスで行われていたこともその1つで他の学校でもやっていたのだと簡単に予想できる。

 

「ホシノ、とりあえず俺の知る原作をまとめたものだ。後輩たちにも説明してくれ」

 

「理事はどうするの?」

 

「こんなナメたまねされて俺が黙っているとでも?」

 

「・・・・・・そうですね」

 

「・・・・・・犯人がわかったら知らせる。それまでは耐え忍んでくれ」

 

「ええ。私も今回の件、何も思っていないわけではないですからね」

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