ブルーアーカイブ 転生者によって歪められた青春の記録 作:雨の日
ミレニアムの情報封鎖はかなり厳しく現状の連邦生徒会では交友関係に若干変化があったくらいで他はいつも通りということしかわからないことを確認し次の資料に移った。そこに記載されている内容に彼女たちは安堵の息をついた。
「ゲヘナは原作と変わりがなさそうだな」
「いや、給食部が凄まじく強化されているだろう!」
「確かにこれでは最終編に影響がでそうだな」
「フウカが美食研に拉致られたりしていないみたいだしこれではドライビングテクニックが上達していないかもしれないな」
「いやよくフウカは仕入れに行っているというのが載っているし問題ないんじゃないか?」
「ただの仕入れであそこまでドライビングテクニックが上達するか?」
「フウカは最悪替えがきく。ほかに問題はあるかしょはあるか?」
「そうだな・・・・・・風紀委員の方は変わらずか?」
「資料を見る限りは変わっていないな」
「美食研や温泉開発部は?」
「そちらも変わらず・・・・・・いや食堂付近ではおとなしいのはおかしいのか?」
「・・・・・・そうだな美食研は原作だとフウカを拉致していたからおかしいな」
「ただ、食堂の主たちが強いからな。これはしょうがないのだろうな」
「ゲヘナに送った工作員はどうだ?」
「温泉開発部や美食研のテロに巻き込まれたりしてほとんど逃げ帰ってきました!」
「ここもか!?」
「風紀委員や万魔殿に入ったやつとかはいなかったのか?」
「風紀委員のほうは食堂の主である推定転生者とヒナに見抜かれて危うく学籍を剝奪されるところでした」
「どこの学園でも学籍を剥奪されるのは難しいはずなんだが」
「ゲヘナですからね」
「そうか。万魔殿のほうは?」
「万魔殿のほうは・・・・・・はあ!? 記載なし!?」
「記載なしだと!? こちらに情報が入ってきていないのか?」
「そのようです」
「風紀より万魔殿のほうがやばいのか」
「後続を出しますか?」
「いやいい。今これ以上動かすと業務に支障がでる」
「わかりました」
とある日、ゲヘナの第1食堂に全食堂の責任者が集まっていた。これは定期的に行われている集まりなのだが風紀委員専用の食堂責任者であるルルも珍しく招集に応じていた。
「最近鬱陶しい奴らが増えてきたな」
「そうね。私たちの周りを嗅ぎまわっているみたい」
「あれで隠れているつもりなのかしらね」
「不快、処理してはダメか?」
「練度不足ですね」
「あれくらいなら敵じゃないよ?」
「ツムリ、処理するのはまだまずい。何の目的かわからないと状況が悪化するだけだ」
「理解、状況把握後なら構わないか?」
「・・・・・・まあいいだろう。後処理はこっちでやるからなるべく周りに被害を出すなよ?」
「了承、戦闘方法を吟味する」
ツムリとルルの恐ろしい会話に誰も突っ込みを入れない。何故ならこれはゲヘナではよくあることだったからだ。ゲヘナは自由と混沌を掲げているが一定の秩序を保つためのルールがある。その1つに最近入りつつあるものがあった。それが給食部に手を出さないというもの。
給食部はフウカとジュリ以外全員転生者という構成になっていて全員下手な風紀委員より強い。喧嘩を売るのは骨折り損のくたびれ儲けなのだ。それを知らないものはゲヘナにはいない。
なら給食部に不躾な視線を送っているのは給食部のことをよく知らない外部の勢力であり探っていることから産業スパイの可能性が高い。末端のスパイは大した情報を持っていないことが多いので潰しても相手へのダメージが薄いことが多い。
相手の目的などがわかれば黒幕まで行きつくことができる可能性が高まるしやばい案件なら風紀委員を投入できる。ルルに鍛えられた風紀委員は原作より強いので戦力として十分な働きができるはずだ。
「万魔殿のほうは怪しい奴にサツキの催眠術をかけているらしいな」
「あれって成功することもあるのよね?」
「そうだな。確率はそう高くないらしいが」
万魔殿ではイブキを護るために不審者を入れないように色々と工夫している。だがそれでも突破されてしまうことが多い。その時はチアキやサツキが対処に動く。2人は原作だとほとんど戦闘について描写されておらず工作員も無断するのかあっさりやられている。
サツキの催眠術はほとんど成功しないのだがなぜか転生者には成功率が高く万魔殿に転生者の情報が共有されている。もちろん風紀委員はそのことを知らない。マコトは転生者に興味を持っているが給食部には出禁されているため野良の転生者を独自の情報網で探している。
風紀委員にスパイとして入ってきた工作員はまずルルという壁にぶつかる。この時、不審な行動を起こすとすぐにヒナに情報が共有されアコから風紀委員の脱退を進められる。それを無視してスパイ行動を続けるとルルから警告をだされる。そしてそれも無視するとマコトに話が行きそのスパイ生徒の学籍は剥奪される。
学籍を剥奪される前に戻ったスパイもいるが大半は続行し本当に学籍を剥奪されている。このことは上層部には伝えられておらずゲヘナに送られた工作員の8割は学籍なしの状態になっている。
「真正面からこれねえのかな」
「疑問、そんな工作員はいるのか?」
「・・・・・・いねえか」
「工作員ってコソコソするものだからねえ」
「いや、普通に周りに紛れるやつもいるだろ」
「そこまでの練度持ちはいないのではないでしょうか?」
「・・・・・・本職じゃない俺らにバレるくらいだもんな」
ゲヘナに行った工作員は確かに練度は低いが普通はバレない。ルルたちがおかしいだけである。そのことは分かっているのかムツカはニコニコと笑みを浮かべながら黙っているしリンリンもあきれた目をルルに向けている。
「最近なんか治安が悪くなってきたらしいから気をつけろよ?」
「それはヒナが言っていたのか?」
「ああ。体感だが1,2倍くらいらしい」
「大して変わらないね?」
「まあそうだな。でもこれからもっと悪くなる気がするんだよな」
ルルの言葉に原作開始が近いことを全員が悟った。ゲヘナは自分たちで何とかなるように動いているが他はどうしようもない。ほかの学校にも転生者がいることは確認できているのでその人が動くことに期待しておくくらいだ。
「連邦生徒会の動きに注意しておきましょうか」
「最悪、プロローグの連邦生徒会突撃に混ざることになるかもしれないな」
「拒否、料理だけしていたい」
「わかってる。ツムリを連れていったりはしないさ」