ブルーアーカイブ 転生者によって歪められた青春の記録 作:雨の日
3日後、ウル、ミミカ、ミカ、アズサ、ベア、正義実現委員会の転生者3名、紅の9名はアリウスに向かった。先生はこの短期間ではウルたちを納得させることはできず同行することができなかった。
シャーレの転生者組はトリニティにきてから問題を起こさないようにしながら情報収集を行っていた。自分たちのせいでセイアが死亡したことによって原作とどのくらい差があるか。ほかの転生者がいないか。いたとしてどのような影響を与えているかなどを探ってくるように言われていたのだ。結果、トリニティのネームドが何人か退学していることなどがわかった。
トリニティのネームド退学者は阿慈谷ヒフミと浦和ハナコであった。ヒフミは正義実現委員会の転生者にブラックマーケットに行くなと何度も警告されていたにも関わらずモモフレンズの限定グッズなどのためにそれを無視して行き不良に誘拐されて身代金を要求されたりしていた。これに怒り正義実現委員会の転生者など数人がティーパーティーに直訴。ティーパーティー直々の勧告が行われたがそれも無視したことによってヒフミは退学になった。
ハナコは原作通り夜間の水着徘徊以外特にやっていなかったがハナコの優秀さを妬んでいたトリニティ生が結託して様々な噂を広めていき帰宅部の転生者がハナコが嫌いだったこともありその噂がハナコの耳に入らないように工作を行いまた冤罪を広げていった結果ハナコはティーパーティーに呼び出され詰問された。優秀な頭脳故に自分の力では冤罪を晴らすことができないこともわかってしまいながら必死に弁解したが予想通り晴らすことができず退学になった。
トリニティの転生者組はパテル分派に集中しているが他にも何人かいる。シスターフッドのベアや正義実現委員会の転生者3人組、図書委員会のハジキなどだ。ただ、シャーレの転生者組はほとんど見つけることができなかった。ミレニアムやゲヘナでの騒動の情報がトリニティにも伝わっており正義実現委員会の学生が目を光らせていたからだ。
それでもトリニティで神秘について新しい発見がありそれをカリキュラムに組み込んでいることを知ることができた。ただ得た神秘についての情報はほぼ嘘でありこの情報で何か研究が進んだりはしないだろうとシャーレの転生者が判断できるくらいのものだった。
ほかにもいろいろと探ろうとしたが大聖堂ではシスター服を着た学生、伊落マリー(憑依)に古書館では不健康そうな顔をした学生、古関ウイ(憑依)により阻止された。先生からも注意を受けたことによりシャーレの転生者たちはそれ以上の情報収集を断念した。
シャーレの転生者組のあやしい行動はトリニティの転生者たちのまとめ役になっているハジキを経由して全員に共有された。トリニティの転生者はそれを冷静に受け止めて特に何も行動を起こさなかった。ここで変な行動をとる方があやしいということをトリニティでの派閥闘争などを見てよく知っていたからだ。
シャーレの転生者組はトリニティでのこれ以上の行動はまずいのがわかっているのか大人しくしているのが大半だったがそれでも全員ではなかった。アリウスについて探ろうとカタコンベに向かいアリウスに向かうウルたちを追跡する者がいた。
ウルたちは追跡者がいることに気づきながらそれを無視して進んでいく。カタコンベは何か神秘ではないエネルギーに満ちていてそれによって構造が一定の周期で変わるようになっていることにウルが気づく。
ウルの考察をベアは肯定した。このカタコンベはユスティナ聖徒会によってアリウスをひそかに匿うためだけに建築されたものでユスティナ聖徒会がアリウスを苛烈に弾圧したのもここのことを隠すためであったのだと。ただユスティナ聖徒会がなぜそこまでしたのかの理由についてはベアも知らないらしい。
ウルはそこら辺については興味がないのか心当たりがあるのか問い詰めることもなくカタコンベを進んでいく。その迷いのない歩みに誰も疑問を持つことなくついていき無事にウル一行はカタコンベを突破した。
ウルは視覚以外の感覚が鋭くカタコンベに最近入ったアリウス生の神秘の残骸をたどってアリウス分校に向かったがベアはかつてここに来たことがあるような足取りでウルの横を並走していた。
アズサにミカがベアに会ったことがないか訊くとアズサは会ったことがないと否定したが既視感のようなものを覚えたとも言っていた。それが何かは曖昧で説明はできないと謝罪した。
ミミカはベアの神秘元を把握しているのでなんとなくどういうことかわかっていたが口に出すことはなかった。正解はアリウス分校でマダムと呼ばれている悪い大人、ベアトリーチェに会えば自ずとわかるものだからだ。
アリウスにはウル一行がカタコンベを突破してきているのが分かっていたのかアリウス自治区の入口にはアリウス生が完全装備で銃を構えながら待機していた。ただ、ベアを見るなり顔色を悪くしたりして隊列に乱れがでた。
ベアはその様子を無表情で見ながら祝詞のようなものを口ずさみ始めた。ベアの言葉が周囲に響いて拡散していきアリウス自治区全体に響き渡った。アリウス生はその言葉に恐怖しているのか一部恐慌状態に陥り隊列がさらに乱れた。入口にいないメンバーも同様で精神的に強いメンバー以外はその場から動けなくなっていった。
ベアの祝詞が終わるとベアの真上の空中に光が集まり門の形になった。ベアの服装もシスター服から白いドレスに変貌した。ベア自身も身長が伸びロングヘアの金髪からロングヘアの銀髪になり眼が青から紅になった。
その姿を見たアリウス生は跪いた。ベアが自分たちを支配している大人、ベアトリーチェと重なって見えたのだ。ただその表情には困惑が混ざっていた。ベアから感じる雰囲気がどうしてもベアトリーチェと結びつかないのだ。ベアトリーチェがこんなに優しい包み込むような雰囲気を出せるはずがない。恐怖と絶望と虚無しかアリウス生はベアトリーチェから感じたことがなかったのだ。
ベアの作りだした門はアリウス自治区ならどこからでも見えた。もちろんアリウス分校の支配者であるベアトリーチェにも見えていた。ベアトリーチェはその門を見て頭痛がし始めた。最初は弱かった頭痛は徐々に強くなっていきベアトリーチェは立っていることができなくなった。ベアトリーチェの影が蠢きなにかの形になっていくがベアトリーチェは全く気づかない。それよりも自分の身に起きていることがなんなのかに集中していた。
ベアはそんなベアトリーチェの居場所がわかっているのかベアトリーチェのいる方向に歩を進めた。ウルたちは転生者組以外はベアの変貌に驚きを隠せないながらベアについていく。転生者組は入口でやるのかとベアの所業に引いていた。せめて対面するまでは我慢してほしかったと思いながら転生者組もついていく。
ベアはアリウス自治区で一番立派な建造物に入る。ベアトリーチェはそこの至聖所でウルたちを待ち構えていた。大人の威厳を保つためなのか表面上はいつも通りに振舞っているが内心は荒れていた。どうして頭痛がするのかがベアを直接見て分かったからだ。
ベアの神秘元はダンテ・アイリギエリがつくった叙事詩『神曲』に登場するベアトリーチェである。そうベアトリーチェと神秘元の名前が一緒なのだ。そして神秘は未だ解明されていないことが多い。ベアの祝詞完全詠唱による神秘活性により何らかの影響がベアトリーチェにでたのだろう。