ブルーアーカイブ 転生者によって歪められた青春の記録 作:雨の日
ベアトリーチェの死亡を確認したウルたちは今後のことを話し合うためにアリウススクワッドに会談を申し込みそれをアリウススクワッドを代表してサオリが承諾した。
アリウスは基本ベアトリーチェが運営していたため帳簿などがどこにあるかなどがわからずこの会談を受けてトリニティから支援を受けられないと最悪アリウス生全員餓死するなんてことにもなりうるのでサオリたちに拒否するなんてことはできないのだがウルたちはそのことを知らなかった。
会談のために代表としてウル、元々アリウスにいたベア、アリウスの衛生状態などを見て救護が必要だとミネが残ることに決め正義実現委員会の転生者3人組の1人、糸色アリアもウルたちの会談が1日で終わらないだろうからと残ることにした。
ミミカやほかの人たちは現状報告だけでもしておいた方がいいとトリニティに戻ることにした。ベアから門を通った者がいることも聞いていたのでその人がトリニティに行っているかなどの確認もしたいということもあったが。
ウルはまずサオリと現状の確認をした後今後について話をしていく。サオリもこの会談でアリウスの未来が決まるので緊張しながらもウルからの質問に対応していく。ウルはサオリからの返答を受けて手元にあるメモ帳にペンを走らせる。メモ帳に書かれている文字は目が見えていないとは思えないほど綺麗でサオリやほかのメンバーは見て驚いていた。
ウルはそのメモ帳に書かれている文字を指でなぞり少し考えた後鞄から丸められた羊皮紙と石板、万年筆とインク、彫刻道具を取りだすとまず羊皮紙に万年筆で何かを書いていく。それをサオリたちはじっと見ることしかできなかった。ウルが書き進めていくうちに羊皮紙は光り輝いていく。見ていられない光量ではないが普通ではない光景にサオリたちは驚く。
数分後、ウルは羊皮紙に書き終えたのか顔を上げてサオリに羊皮紙に書いた内容の確認をお願いする。羊皮紙にはトリニティからアリウスにする物資支援の内容が事細かくかつ分かりやすく書かれていた。これは難しい言葉で書いてもわからないだろうというウルの配慮だった。
サオリはほかのメンバーにも見せて内容を何とか理解したが支援の細かさや大量の物資などをこんな場でそれも独断で決めていいのか心配になった。ウルにそのことを訊くとこれはウルの派閥であるサンクトゥス分派から出されるものでありその長である自分にはこれだけ出すことができる権限があるという返答をされて思考が少し停止した。羊皮紙に書かれている量がどう見ても1派閥が出せる量ではなかったからだ。
ウルはトリニティの上流階級であるが流石にこの量を1人で出せるわけではない。ただサンクトゥスにはほかにもいろいろな方面に伝手がある人材がいる。それを総合すれば羊皮紙に書いた量を集めることは可能であった。
横で話を聞いていたミネもヨハネ分派として救護騎士団として支援することを表明した。こんな劣悪な環境にアリウス生を置いておいたら病気などをいつ発症してもおかしくないので即急な対応を行いたいと意欲を見せていた。
ベアもシスターフッドとして支援を表明した。もともとここ出身であることもあるし自分を逃すために散った同胞のためにも何かしたいと思っていたのでウルの提案は渡りに船だった。
サオリは話をまとめる時間が欲しいと提案しウルたちも急な提案だし仕方ないだろうとそれを認めた。
ミネは会談後ベアに案内されながらベアトリーチェが倒れて無気力状態になっているアリウス生を近場の広場に運んでいった。隻腕であるミネの容姿に驚くものはおらずそれがミネのやる気を上げていた。この者たちを絶対に救護しなくてはっと。
ミネのその様子にストッパーとしてついていたベアは苦笑いしか出なかった。確かにミネの容姿はキヴォトスでは珍しい。隻腕の生徒などほとんどいない。だからミネに初めて会う人は何かしら反応するのは当然だった。だがアリウスではそれがない。すべては虚しいという教えから他人の容姿などに興味がないというかどうでもいいからだ。
敵として相対すれば話は別だが今はそういうわけでもない。なら反応が特にないのもアリウス生としては普通なのだがミネにはそんなことは分からない。話しかけられた相手の容姿を気にかける余裕もないと勘違いしているのかもしれない。
ウルは会談後スペースを借りて羊皮紙に書いた内容を石板に彫っていく。羊皮紙だけではなく石板にも刻むことによって自分たちは本気であるとアリウスに示すためであった。目が見えていないとは思えないほど精密にびっしりと刻まれていく文字に近くで見ていたミサキはドン引きしていた。
ウルやミネのその様子にウルたちトリニティがアリウスを本気で支援しようとしているかを疑うものはいなくなった。そしてトリニティに戻ったミミカの戦闘後のことも思い出した。ミミカは体中に黒い文字のようなものが這いまわりそして右足が真っ黒に変色していた。大量の冷や汗をかきそれを隠すこともできなくなっていた。そんな痛々しい様子でありながらサオリや周りの人を気遣っていた。
トリニティからの支援を断る理由はほとんどないし断ったらアリウスは破滅する。それはサオリも重々承知していた。だが決断を下すことが怖かった。そんなサオリを見てアツコとヒヨリ、ミサキは自分たちも一緒に責任を取るとサオリの決断を後押しした。
翌日、サオリはウルからの支援の契約に同意することをウルに告げた。ウルはそれを受けて石板と羊皮紙の空いていた空間にサインを入れてほしいと告げた。サオリはそれに同意して羊皮紙にサインを書き、石板にサインを刻んだ。
ウルとサオリ、両者のサインがなされた羊皮紙と石板は光り輝きながら空中に浮かび契約の番人のようなものを出現させた。ウルたちもサオリたちも突然の番人の出現に驚いた。番人の容姿はユスティナ聖徒会においてもっとも偉大と謳われた聖女バルバラを模していた。ユスティナ聖徒会が戒律の守護者として君臨していたからだろうとベアが推測を語った。
番人は厳かにウルに契約を違えないことを誓えるか訊きウルはそれに同意した。番人はウルの言葉などから嘘をついていないことなどを確認したのか頷きサオリに石板と羊皮紙を渡した。その後、契約を破った時ユスティナ聖徒会がトリニティに制裁を下すと物騒なことを言いながら消えていった。