赫眼を見られるのが苦手なさとりちゃんは個性把握テストでは、個性を使う時だけ目を瞑ったりしてみんなから見られないようにしていました。
コスチュームを着る時はずっと赫眼で、本人的には全眼カラコン入れてる設定で逆に堂々としています。
翌日
午前は普通の授業を受け、お昼は大食堂で学食をいただき、午後は待ちに待ったヒーロー基礎学。
「わーたーしーがー ! ! 普通にドアから来た ! ! ! 」
「オールマイトだ... ! ! 本当に先生やってるんだな... ! ! 」
「画風が違いすぎて鳥肌が......」
みんながそれぞれ感想を口にする。
「早速だが今日はコレ ! ! 戦闘訓練 ! ! ! 」
「──それに伴って個性届と要望に沿ってあつらえた....
おおお ! ! とクラスの大半が反応した。もちろん私も。
オールマイトが着替え次第グラウンド・βに集合と言い、みんなワクワクした様子で更衣室へと移動した。
◇
コスチュームは要望通り、上は動きやすさ重視で結構ぴっちり、下はラインが目立たないようにダボッとなってて、個性が使いやすいように背中も開いてる。本当に想像通りすぎてデザイン会社の人達すごいなぁと思った。実際に着てみたら、ちょっと大胆すぎたかもしれない...
少し手間取りながらもコスチュームに着替え、更衣室を出て集合場所のグラウンドへ移動する。
「お茶子ちゃん ! コスいい感じだね ! 」
前の方を歩いていたお茶子ちゃんに駆け寄り話しかけた。
「さとりちゃん ! ありがとう ! でもすごいパツパツスーツんなった」
「確かに...よく見ると結構......」
「さとりちゃんもあんまし人のこと言えんでしょ ! ! 」
まじまじ見られたのが恥ずかしかったのか、お茶子ちゃんは顔を真っ赤にして話を変えた。可愛い反応するなぁ
「さとりちゃん、背中めっちゃあいてるしピチピチで本当に大胆なスーツやね」
私のことを頭からつま先、前から後ろまで全部みたお茶子ちゃんが急に神妙な面持ちで言う。
「やっぱりちょっと大胆すぎだよね...上着注文しようかな」
「そうした方がいいかもしれんね」
「みんなのコスどんな感じのか楽しみだね」
「そうやね〜」
◇
グラウンドに到着して、パッと周りを見た感じ結構最後の方だった。
しばらくして 1番最後だと思われる緑谷くんが入ってくるのと同時に、オールマイトが今回の戦闘訓練についての説明を始める。
入試の時みたいな市街地演習だと思ったけど、屋内で しかも対人戦闘の訓練らしい。
なるほど、なるほど
えっ...対人!? 組手とかはよくやってたけど、個性使っての人との戦闘なんてやったことないから不安だな。。
まあ、きっと大丈夫だよね! 危なくなったらオールマイトが止めてくれるはず! 気を取り直して、訓練に集中しないと
「敵役とヒーロー役に別れて、2対2の屋内戦を行ってもらう!!」
ほうほぅ
2対2ね。ペアはくじ引きだし、これは喋ったことのない人と喋るチャンス!! 誰とペアかな〜
ワクワクしながらくじを引いた
A 緑谷・麗日
B 障子・轟
C 峰田・八百万
D 飯田・爆豪
E 青山・芦戸
F 口田・葉隠
G 上鳴・耳郎
H 蛙吹・常闇
I 尾白・佐倉
J 切島・瀬呂
ペアの相手は尾白くんね!
あれ? 尾白くんの個性って尻尾っぽいあれだよね。私と個性少し被ってない!? いや、厳密に言えば私のは尻尾じゃなくて触手なんだけど...
私が色々考えている間にオールマイトが対戦相手のくじの箱に手を入れる。
「続いて最初の対戦相手はこいつらだ!!」
オールマイトが2つの箱から引いたのはAとD。AがヒーローでDがヴィラン。
出番じゃない人たちはモニタールームで戦闘を見るらしい。
◇
1戦目はなかなか激しい戦いだった。
緑谷くんとバクゴーくんの関係がなかなか複雑そうなのはすごくわかった。にしてもバクゴーくんはやり過ぎだと思う。オールマイトも度が過ぎたら中止にするって言ってたけど、あれで止めないなら絶対ほかの戦闘も止めないよね
まぁがんばるぞー
次は誰だろ?
「次の対戦相手はー!? このペアだ!!」
オールマイトが引いたのはBと I のくじ。さっそく私の出番だ!
相手は障子くんと轟くんで、私と尾白くんはヴィラン役かぁ
ちょっとヒーロー役やりたかったー
「尾白くん! 作戦会議しよう!!」
準備時間がすごい短いから、お互いの自己紹介と相手チームについて知ってることの交換くらいはしたいな。
◇
私たちヴィラン役は先に建物に入り、5分間で核兵器などのセッティングを行う。罠的なのを設置できる個性の人達はこの時間でヒーローを迎え撃つ準備をするんだろうなぁ。
「尾白くん、自己紹介がてら個性とか相手の知ってることとかの情報交換しよう」
「そうだね」
「じゃあ私から。私は佐倉さとり、個性は触手で腰のあたりから最大で2本の触手を出せて自由に動かせるよ。あとは、昔から個性の影響かわかんないけど耳とか鼻とか目とか、普通の人より良いかな。集中しないとだけど、静かな場所だったら足音でどこに何人いるかくらいならわかるよ」
「なるほど。すごいね、佐倉さん。俺は尾白猿尾。個性は見ての通り尻尾で、小さい時から格闘やってたから近接が得意かな」
「相手については障子くんが腕からニュって口を出てたのと、轟くんが氷出てたくらいしか知らないなー」
「俺もそのくらいしか...」
情報交換って言っても相手のことについては全然分からなかった。こんなことなら、この間の個性把握テストの時にちゃんと見ておけば良かった!
相手の情報が全くと言っていいほどないから臨機応変に行くしかないかな
「今考えたのが、私が1人で下に行って相手の出方を見つつ、足止めして出来たら確保テープで捕まえる。尾白くんには私が捕まったり、足止めに失敗した時のために核兵器の近くで守っててほしい」
「了解。そろそろ時間だろうし、それで行こう」
「こまめに無線で連絡するから! 尾白くんもなにかあったら連絡して!」
私はそう言いながらヒーロー役の2人が入ってくるであろう1階の方へ向かった。
◇
尾白くんと分かれて、そろそろヒーロー側が動き始めるかなと思った頃。2階の階段付近で足音を拾うために立ち止まった。
パキパキ...
最初に聞こえた音は建物に入ってくるヒーローたちの足音ではなく、容赦なく建物を凍らせた音だった。
うっそでしょ...建物ごとは聞いてないってぇ......
足までカチカチで動けん。動けるようにしないと
触手を出して足元の氷を砕く。靴に氷が残って少し重いけど、動けるし問題ないか
とりあえず、無線で連絡!
「尾白くん無事?動ける?」
『佐倉さん!ごめん、足元が完全に凍って動けない!』
「オッケー!とりあえずそっち向かうね」
尾白くん救出作戦スタート!!こっちは核兵器守らないとだし、1対2は不利だから助けないとね
もと来た道を戻ろうとしたら、階段を登ってくる足音が聞こえた。
「尾白くんごめん。ヒーロー来ちゃって助け行けないや」
足音的に1人だし、状況からして多分轟くんかな
「...!?なんでお前動けてんだ」
「ここから先は行かせないよー!」
理想は時間をかけないで確保して、尾白くんを助けに行きたいところ!!
「また捕まえれば関係ねぇか...!」
轟が右足を前に踏み込み氷を勢いよく出す。
「うわっ危な!」
佐倉は咄嗟に飛び退き、2本の触手で目の前に現れた氷を壊す。
「次はこっちの番だよ...ってアッ」
地面が凍っているため着地の際に滑ってバランスを崩してしまう。轟はその隙を見逃さず、佐倉を閉じ込めるように氷を展開させる。
「床凍ってるの忘れてたー!」
一瞬で全身を氷で覆うように凍らされて悔しそうな様子の佐倉。腕も脚も動かないようでどうしようかと悩んでいる。しかし、ほんの十数秒で脱出する方法を考えついたのか突然明るい表情になった。
佐倉を捕まえ、轟は核へと向かおうとするがすぐ後ろから破壊音が聞こえ、すぐさま振り返る。
「私ふっかーつ!!」
先程まで頭から爪先まで氷で拘束され、身動きがとれないはずの佐倉が1分も経たないうちに脱出していた。
「次は油断しないからね!」
「またすぐに捕まえてやるよ」
轟はさっきと同じく右足を前にし氷を出す。佐倉は上に大きく跳躍し、氷を飛び越え接近する。接近してきた佐倉を警戒し、轟は後ろへ下がりながら氷の壁を作るが、作った壁は佐倉の触手で壊され一気に距離が縮まる。一気に接近されたことに驚いたのか轟に僅かだが隙が生まれる。佐倉は隙を見逃さずみぞおちに1発。痛みと衝撃でよろけた轟を触手で拘束し、確保テープを巻き付けるために近づく。すると、
『佐倉さん!やばい、障子がきた!!』
尾白から突然無線。
「えっ!?」
あまりにも突然の出来事に佐倉の思考が一瞬止まる。すぐさま我に返った佐倉だが、
『ヒーローチームWIN!!』
オールマイトのアナウンスが流れ、障子・轟チームの勝利が決まった。
前話の投稿から1週間ほど経ちました。
それなのに当作品を読んでくれてありがとうございます。
次話もなるべく1週間以内に投稿したいと思っているのでよろしくお願いします!