古代の英雄は平穏な学園生活を送りたい〜千年後に転生した俺は古代魔法を隠しながら青春を夢見る〜 作:大塚セツナ
拝啓、お父さんお母さん。
お元気ですか? 私は元気……といえば元気なのですが、今は元気がないと言いますかなんと言いますか……。
うまく説明が纏まらないので、日記形式で書くことにしますね。
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今日からルーネスくん――いや、教えてもらう身なので、『師匠』と呼ぶことにしますか――師匠に弟子入りすることにしまた。
魔人さんたちとの戦いで、自分の力不足を痛感し、強くなりたい……そう思ったのです。
最初は驚かれましたが、快く引き受けてくれた師匠には感謝しかありません。
明日から始まる特訓に備え、今日は早めに寝ることにします。
……特訓というと、なんだか物語の登場人物になれたみたいでワクワクしますね。
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雨の月、2日 晴れ
も、ものすごく疲れました……。
いえ、疲れたなんてものじゃありません。私、あんなに運動したのは生まれて初めてです……。
未だに足がプルプル震えてます。
謎の水晶に魔力を込めながら走り、それが割れたら新しい水晶が出て来てまた走り、さらにそれが割れたらまた新しい水晶が…………。
夢にまで水晶が出て来そうでもはや怖いです。
ですが、お昼休憩はとてもハッピーでした。
師匠とリルさんにお礼の気持ちを込めて、手作りクッキーをプレゼントしたのですが……リルさんがクッキーを頬張る姿は、ワンちゃんそのものでとても可愛い可愛いでした。
あれを思い出したら、明日の特訓も頑張れそうでした。
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雨の月、3日 曇り
前言撤回です、もう足が動きません。
「よし、昨日でだいたいイリーナのスペックは分かった。今日は少しペースを上げてみよう」
あの時の師匠の顔は、笑顔のはずなのに、魔人さんよりも恐ろしかったです……。
今の私の唯一の安らぎは、お菓子を食べている時のリルさんだけです……。
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雨の月、4日 雨
ひゃっほう! 雨なら地獄の特訓もお休みですね!
……そう思っていた朝の私を殴ってやりたいです。
いや、分かっていたんですけどね? 演習場に張られた結界の効果で、演習場の中には雨が入ることはない……ようは、天気に関係なく使えるんですよね、はい。
特訓3日目ともなると訓練も本格的になり、熾烈なものに――なりませんでした。
初日、2日目と続き、水晶を持って走り続けるだけ……私、本当に強くなれるんですかね……?
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雨の月、5日 晴れ
なんだか、最近変化を感じます。
なんというか、周りの幽霊さんたちと喋りやすいというか……。
「イリーナちゃんの頼みだろ? 任せな!」
「この人生……いや、霊生、君のために燃やすよ!」
……といった感じで、積極的に私のお手伝いをしてくれるようになったんです。
……まあ、むしろ喋りにくい気もするんですが。
師匠に相談してみたところ、私の魔力が上がったことで、幽霊さんたちの能力も上がったみたいです。
今までは物理的に影響を与えることは出来なかったものが、少しならモノを動かしたりできるようになったらしく、使役できる幽霊さんの数も増えました。
少しずつですが、特訓の成果が出ている……それが嬉しくて、思わず幽霊さんたちと小躍りしたところをアリシアさんに見られたのが恥ずかしかったです……。
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雨の月、6日 晴れ
な、な、なんと! 今日は特訓はお休みでした!
「何日かに一日、インターバルを置くことで体内の魔力の巡りが良くなり――」
とかなんとか師匠は言っていましたが、あの地獄の特訓がお休みと分かってから半分くらい頭に入ってこなかったです!
今日は一日中、リルさんをモフモフさせてもらいます!
……と意気込んでいたのですが、お菓子を食べ終わってから1時間もすると……
『ええい! いつまで引っ付いておるのだ!』
と言って、引き剥がされてしまいました……あのモフモフをモフモフさせて貰えないとは、悲しいです。
…………。
フフッ、なんだか近況報告のつもりが、普通の日記みたいになっちゃいましたね。
……お父さんやお母さん、それにご先祖様みたいな、一流の
私は、勉強も運動も魔法も苦手などうしても、暗い話ばかりになってましたよね。
けど、最近は本当に楽しいことばっかりです。
リルさんやアリシアさん、そして師匠……。
みんなに出会ってから、毎日が面白おかしくなりました。……まあ、大変なことも多いんですけどね。
お父さん、お母さん。
色々言いましたが、私は……元気にやってます!!