ライザー戦開幕です。
あれから、少し訓練をした後に山から降りて、次の日である今日、私たちは全員で旧校舎の部室に集まっている。
本番前だということで、皆はガチガチに緊張しているわけだ。
「皆ガチガチに緊張してるね」
「そうだろうな。このゲームの勝敗で、リアスの人生が決まるみたいなものだからな」
「そうだもんね」
因みに、私とアリアは二人でチェスをして遊んでいる。
今はアリアが優勢だ。
皆はガチガチに緊張してはいるが、祐斗は剣を鞘に納めたり手入れをしていて、小猫は羊羮を食べているし、イッセーはリアスに膝枕されてるし、朱乃はお茶を淹れてるし、真面目に緊張しているのはアーシアだけだったりする。
すると、いきなり部屋の真ん中に魔方陣が現れた。
「さて、そろそろ時間ね。皆、この魔方陣の中に入ってちょうだい」
リアスはそう言って、魔方陣に入る。
続いて、私たちも魔方陣に入り、その魔方陣が輝き、転移されるのがわかった。
だが目を開けてみると、そこには変わらない部室の中。
「おいイッセー、お前のせいで転移に失敗したじゃないか」
「俺のせいじゃねぇぞ!」
『相棒、幾ら魔力が米粒だからといっても、これは.......』
「だから俺じゃ無いって!」
私とドライグに呆れられるイッセーだが、本人は本気で弁解している。
しかしイッセーじゃないとしたら、一体どういうことだ?
『皆様、この度、フェニックス家とグレモリ―家の試合に置いて、審判役を任せられましたグレモリ―家の使用人、グレイフィアと申します』
すると、途端にあの銀髪メイドの声が聞こえてきた。
『この度のレーティングゲームの会場として、リアス・グレモリ―様方の通う、駒王学園の校舎を元にしたレプリカを異空間に用意させていただきました』
なるほど。
ということは、もしかしたらここは次元の狭間かな。
『両者、転移された場所が本陣でございます。リアス様は旧校舎、オカルト研究部部室、ライザ―様は新校舎の生徒会室でございます。『兵士』は互いの敵地に足を踏み込めた瞬間、昇格を可能とします』
ということは、私とイッセーは生徒会室にいけばいいというわけだな。
「皆、最初に確認しておくわよ。始まったら、まず始めに祐斗と朱乃が周辺の森に罠を仕掛けてきてちょうだい。それが終わり次第、作戦通りのチームで動くわよ」
「「「「はい!部長!」」」」
「任せろ!」
皆で気合いを入れて、準備万端だな。
「それと、皆これを耳に入れてちょうだい。これで連絡を取り合うわ」
そう言って渡されたのは、光の玉だ。
どう見ても通信出来そうもないが、まぁ気にしないでおこう。
光の玉を耳にいれると
『それでは0時になりました。開始の時間となります。制限時間は人間界の夜明けまで。ゲームスタートです』
銀髪メイドの合図で、真っ先に祐斗と朱乃が部屋を出ていって、罠を仕掛けに行く。
私はと言うと、開始の合図で窓から出て屋根に上がり、新校舎の生徒会室に目を向ける。
すると、そこからライザーの眷属がゾロゾロと出ていき、予想通りのところに散らばっていくのが見えた。
それを確認した後、部屋に戻る。
「どうだった?アリス」
「こちらの予想通りに動いてたな。チームは変えなくても大丈夫だ」
「わかったわ」
私とリアスが最終確認をしていると、早くも祐斗と朱乃が戻ってきた。
「部長、終わりました」
「わかったわ。それじゃあ皆!作戦通りにやるわよ!」
「「「「「了解!」」」」」
リアスとアーシアを残して、祐斗とアリア、朱乃が単独で、私と小猫とイッセーで、それぞれのところに移動する。
私たちが担当するのは体育館だ。
新旧両方の校舎の繋がるところであるため、敵がここにたどり着いているのはわかっている。
そして、体育館のステージの幕の裏に隠れながら、敵を確認する。
「予想通り、兵士が三人に戦車が一人か」
「戦車は私が。兵士をアリスちゃん、イッセー先輩は何かあったときの援護をお願いします」
「まかせろ小猫ちゃん」
そうやって確認していると、ありがたいことに相手の方から声をかけてきた。
「そこにいるのはわかっている!さっさと出てこい!」
「.....ばれてるぞ?」
「なら出ていくしかねぇな」
私たちは堂々とステージの上に出ていく。
「さて、お望み通りに出てきてやったぞ?」
「うむ。では早速始めよう。私の相手は誰だ!」
相手の戦車が早速かかってきた。
それに答えるのは小猫。
小猫を戦車に向かったことだし、私は兵士たちと遊ぶとしよう。
「というわけだ。お前たちの相手は私がする」
「そう。私たち三人に一人で?」
「別に問題は無い。逆に足りるのか分からないくらいだ」
「なんだと!?」
「黙って聞いてれば!」
「バラバラにしちゃうんだから!」
挑発は見事に成功して、三人して分かりやすい攻撃をしてきた。
私は突き出された棍棒を横にかわして、同時に発動させた神器で、棍棒を切り裂く。
因みに今回は剣のままだ。
そして、寸分違わず迫ってきたチェーンソーを剣で受け止め、反対から迫るチェーンソーに対処するため、受け止めていた方の兵士を蹴り飛ばし、前転してチェーンソーをかわす。
すると、さっき棍棒を斬られた兵士が殴りかかってきたので、拳を流して同時に急所に膝を叩き込む。
倒れたところで振り返り、振り返った勢いで剣を振るう。
すると、降り下ろされたチェーンソー二本を綺麗に切断し、振るった衝撃波で二人は飛ばされる。
そして、転がった二人に直ぐ様近付いて、立ち上がったところに急所を殴り身動きを封じる。
終わったのでイッセーのところに行くと、引き吊った顔でこちらを見ているのがわかった。
「どうした?」
「いや、これからはアリスを怒らせないようにしようと思ってた」
「???」
すると、終わったのか小猫もこちらに来る。
「終わったか」
「うん、アリスちゃんほど早くはないけど」
「いや、上出来だって。ほら、速く行かないと、時間だ」
「うん」
そして体育館を出ると、その瞬間に体育館を巨大な雷が包み込み、体育館ごと消滅する。
『ライザー様の兵士三名、戦車一名、リタイア』
これをしたのは、朱乃だな。
作戦通りに進んで、少し怖い。
「三人とも、先に行ってください」
「わかった。次は校庭だな」
そして、向かおうとしたとき、途端に悪寒が走った。
直ぐにイッセーと小猫を突き飛ばすと、私は爆発に飲み込まれた。
――――――――――
いきなりアリスちゃんに突き飛ばされて、なんだと思ってアリスちゃんを見ると、そこには爆発に飲み込まれたアリスちゃんがいる。
それを見た時、なんでアリスちゃんが爆発に飲み込まれたのかわからなかった。
上空を見ると、そこにはライザーの女王がいて、一言呟いたのが聞こえてしまう。
「テイク」
それはつまり、アリスちゃんがやられたということ。
それがわかったとき、今までに無いくらいに、私の中にドス黒い感情が芽生えたのがわかった。
「獲物を刈った後こそ一番油断するのに、そこのお嬢ちゃんは危機感知能力がいいのね。とっさに仲間を突き飛ばすだなんて」
「あらあら、これはこれは
普段とは何ら変わらない朱乃先輩の顔は、表情こそ変わらないものの恐ろしいオーラを放っている。
イッセー先輩もそうとう怒っていて、落ち着いてはいられない様子だ。
「その呼び名、私はあまり好きでは無いの。やめてくださる?」
「あらあら、いいではありませんか、爆弾女王」
「くっ、この!」
朱乃先輩が挑発をして、ライザーの女王が攻撃しようとしたとき、それよりも先に私は動く。
翼を出して飛び、女王目掛けて容赦なくアッパーを入れる。
よろめいたところを殴り、蹴り、拳を突き刺し、踵落としをして地面に激突させる。
そこには何の感情も無く、それでもまだ足りない。
「こ、小猫ちゃん?」
「あら、これは....」
イッセー先輩と朱乃先輩が何か言っていたが、気にせずに追撃をしようとする。
だが、相手も黙ってはおらず、こちらに攻撃を仕掛けてきた。
相手を攻撃することしか頭に無かった私は、この攻撃はかわせず、当たると思い目をつぶってしまう。
だが、爆発音は聞こえても、痛みは来なかった。
疑問に思いながら目を開けると
「全く、私があれだけでやられる筈無いだろう。それに小猫、あまり無茶はしないでくれよな」
そう言って微笑み、額を小突いてくる、大好きなアリスちゃんがいてくれた。
――――――――――
「な、何故!?貴女はさっき確かに!」
「残念ながら、私に攻撃は効かない」
私がどうやってあの爆撃を防いだか。
それは簡単だ。
爆撃された瞬間、アヴァロンが結界を張ってくれて、爆撃どころか爆風すら感じなかったわけ。
まぁ、アヴァロンが言うことを聴かないで、暫く解除しなかったので、動けなかったのだが。
「くっ、貴女は危険だわ。ここで始末させてもらいます!」
そう言って、こちらを攻撃してくるライザーの女王。
だがその攻撃は、私の前で止まり、ライザーの女王のところに向かっていって、予想外のことにライザーの女王は諸に食らう。
『ライザー様の女王、リタイア』
どうやら、私を倒すためにかなりの力を込めた一撃だったらしく、リタイアしてしまった。
『ライザー様の兵士三名、リタイア』
お?
ということは、祐斗がやったのか。
「ということだ。さっさと校庭に行こう」
「ちょ、どうやったんだよ今の!?」
「ふっ、イッセー。あれは秘密だ」
イッセーが如何にも知りたいというような顔だったので、唇に人差し指を当ててジェスチャーをしておく。
「アリスちゃん、私も知りたい」
「うーん」
「あらあら、私も知りたいですわ」
「......この戦いが終ったらな」
そういうことにしておいて、さっさと校庭に向かう。
そこに待っていたのは、残りのライザー眷属全員だ。
「総動員ってわけか」
「やぁ、皆」
「あ、祐斗先輩」
そこで、祐斗と合流する。
すると、待っていたのか相手のクルクル髪の女の子が話しかけてきた。
「ここから先には行かせませんわよ、グレモリー眷属の皆様」
「ふむ、ならばどう通ろうかな?」
「強気ですのね。こちらは戦車が一人に騎士が二人、兵士が二人に、私を含めて僧侶が二人の合計七人。対して貴女たちは戦車が一人に騎士が一人、兵士が二人に女王が一人の六人。今のところは互角ですのよ?」
互角なのにも関わらず、あちらも強気でいるのが少し不思議だ。
「こちらは数より質だからな。イッセーはわからないが、こちらが有利だと思うぞ?」
「アリス!?最近俺の扱い悪くないか!?」
「......」
「無視は止めてくれぇ!」
こうして、私たち眷属の最後の激突が始まった。
どないでした?