今回で、アリスが至ります!
あの不愉快なレーティングゲームが終わった後、私は家にいて、イッセーの介護をしている。
あれからもう2日経っていて、その間、ずっと後悔していた。
どうして慢心していたのだろう。
どうして油断していたのだろう。
なんであの時あの瞬間、仲間を助けられなかったのだろう。
ずっとそう思っていた。
あの戦いは、他の誰でもない、私のせいで負けたようなものだ。
だから、私は力が欲しい。
今までとは違って相手を破るためのものではない、ただ純粋に仲間を、手に届く範囲にいる私の仲間たちを護るための力を私は初めて欲し、そして同時に力の真の使い方を知った。
「力は、相手を傷付けるためではなく、自分の大切な存在を護るためにある」
「ッ!?アリア!?」
私が、『力の答え』に辿り着いたと思ったら、側にはアリアがいた。
アリアだけじゃない。
アリアの後ろには、オーフィスもいる。
「ようやく見つけたんだね、力の使い方を」
「――ああ、ようやく辿り着けた。護るためにある力は、護る時にしかその真の強さを発揮してくれないってことが」
「ん、そういうこと」
どうやら、オーフィスもそのことを知っていたようだ。
「でも、だったらなんで修行なんかしてたんだ?」
「ん?それはね」
「これのため」
すると、アリアの言葉を遮って、オーフィスが光の玉を放ってくる。
その光は優しく、そして何より力強かった。
「これは?」
「それを体の中にいれて。大丈夫。それは、アリスの力を解き放つものだから」
オーフィスはそう言ってきた。
オーフィスの言うことは、いつも何故か自然と信じてしまう。
だから、私は何も疑うことなく、その光を自分の中に入れた。
ドクン
「ひぐっ!」
途端に、私の中を何か言い表せないものが巡ったのがわかり、苦しくなる。
それはドンドン増していって、体を起こしているだけでも精一杯な程にまでなる。
「おいアリア、何か可笑しい」
「え?ちょっと待ってくれるかなオーフィスさん?そんな無表情で頭を握り潰そうとしながら言うのは止めてくれませんか?」
「何を言ってるのか、我、わからない」
「イダダダダダダダ!!!!!!ちょ!?ホントに潰れちゃうってオーフィスさん!?」
「なら、さっさと説明」
「分かった分かった!分かりました!!だからどうか!」
「.........」
人が苦しんでいる間に、コイツらは一体何をしているんだ!
オーフィスが心配してくれてることは分かったけど、こちらはそれどころではない。
「ア、アヴァロン!」
なんとかしようと、アヴァロンを出して苦しみを軽減しようとする。
だが、アヴァロンを出したら今までの苦しみは嘘のように消えて、アヴァロンとそれに納まっているエクスカリバーは異様な状態になっているのに気が付く。
アヴァロンは仕切りに点滅し続け、そのスピードはどんどん速くなっている。
エクスカリバーは力が不安定になっていて、その強力な力を駄々漏れにしている。
それでも部屋が壊れないのは、きっとオーフィスが結界を張ってくれているからだろう。
因みにどうでもいいことだが、今いる部屋は私の部屋なので、イッセーに被害は無い。
「それでは解説を。さっきオーフィスがアリスに渡したのは、神器の力を禁手に覚醒させるためのものなんだよ」
「......じゃあ正直今までの苦労は?」
「ん?それも、これを使いこなすために必要なことだったんだよ?オーフィスと戦って後一歩の状態になっていたアリスには、何時でも渡せたんだけど、いつ渡そうか悩んでてねぇ」
「そ、そうか」
「うん、それでね?なんで禁手になるためのものがあるかと言うと、その神器は元々、正規の神器じゃないのは知ってるよね?」
「そうなのか?」
初耳だぞ?
すると、アリアは小さく溜め息を吐いて、続きを話す。
「この神器は湖の乙女ヴィヴィアンが、エクスカリバーとアヴァロンがアーサー王の魂しか持ち主に認めないということに困り、ならばアーサー王の魂に直接埋め込もうと思い付いて、模擬的な神器として作り替えたものなんだよ」
「何?ということは、この神器は私とお前の前に、何人か使ってたわけか?」
「いや、これを使ったのはアーサー王本人と、アリスだけ」
「はい?でもお前も使っていたんだろう?」
「うん、使ってたよ?」
「..........ということは」
ということは、ということは!!
「改めて名乗り直すね。私は『アルトリア・ペンドラゴン』。アーサー王として伝説に名を刻み、生前はドライグの因子を宿していた者。今まで通り、アリアって呼んでね」
「.......ウソだろ」
「ふふん、驚いたか」
「まさか、アーサー王がこんなに残念なヤツだったなんて」
「そこか!?」
「それは事実」
「二人して酷い!」
世界のアーサー王を信じる皆様、アーサー王は残念な人だったことが判明した。
「ほら、さっさと説明の続き」
「ぐすん、はぁい」
そして、かなり打たれ弱いんだということも。
「それでね?模擬的な神器だから、どれだけ頑張っても禁手に至ることが出来なかった。だから、エクスカリバーとアヴァロン、そしてヴィヴィアンが力を切り離してそれを通常状態に、切り離した力を取り戻すことで、それを禁手状態にして、神器として機能させようとしたんだよ」
「へぇ、そうだったのか」
「うん。それで、その切り離した力を取り戻した状態があれ」
指差した方向には、驚いてて忘れてたエクスカリバーとアヴァロンが浮いている。
エクスカリバーの力は安定しているが、アヴァロンはまだ点滅を続けている。
「なぁ、アヴァロンがまだ点滅してるんだが」
「それじゃあ、アヴァロンに触ってね」
「.......大丈夫なんだろうな?」
「あれは何時如何なる時も貴女の味方。アリスに危害を加えるなら自ら壊れる方を選ぶほどにね」
それなら信じようと思い、アヴァロンに近付いて触れる。
すると、アヴァロンは点滅を止めて、私の中に入ってきた。
アヴァロンが入ってきた瞬間に体を光が包み込み、やがて止む。
なんだろうと思い、自分の手を見ると、ゴツい鎧に覆われていた。
『.........は?』
声も、どこかエコーがかかったようなものだった。
これは一体どういうことなんだろうか?
「アリス、はい」
『あ、オーフィスありがとう』
オーフィスが部屋に置いてある大きな鏡を持ってきてくれる。
それに写り込んだのは、私の姿ではなかった。
『なんだこれ?』
そこには、黄金の色をした全身を隙間無く覆い尽くす龍の鎧が写り込んでいた。
至る所に埋め込まれている宝玉は七色に輝いており、瞳の部分は左が紅、右が紫に光っていて、背中には一枚一枚が体を覆う程に大きな七色に輝く翼が六対十二枚存在している。
その鎧は、龍を想わせるようなデザインのものだった。
「ほら、次はエクスカリバーに触れてみて」
『少しは状況を整理させろよ』
そうは言いつつも、私はエクスカリバーを掴む。
するとエクスカリバーは光となって鎧と同化する。
「どっちでもいいから腕を軽く振り下ろしながら、出ろって念じてみて」
『あ、ああ』
言われた通りにやると、籠手から黄金の剣が出てきた。
どうやらこれは、本来のエクスカリバーの姿のようだ。
「それが、本来の力を持ったエクスカリバーとアヴァロンの姿だよ。アヴァロンは所有者を護る鎧となり、エクスカリバーはアヴァロンと同化して護る鎧に護る力を与える。これが伝説にはない本来の力」
『なんかもうビックリだらけだ』
「ん、大丈夫。我も昔そうだった」
『最近オーフィスが妙に優しく感じる』
「我、アリアより上」
ふんすと胸を張りながら満足そうな顔で言うオーフィス。
「悔しいけど、取り合えず。これでもうアリスは護る力を得た。この力を振るうか振るわないか、それを決めてきておいで」
『これは?』
アリアが言って渡してきたのは、魔方陣が描かれた紙だった。
表と裏に違う魔方陣が描かれている。
「魔王の女王に貰ったものだよ。たぶんイッセーにも渡ってると思うよ」
『そうか、イッセーにも......それよりこの鎧どうしたらいいんだ?』
「体からエクスカリバーとアヴァロンを出すイメージをしてみるといいよ」
言われた通り、体からエクスカリバーとアヴァロンが出てきて、鎧は解除される。
「ほぅ、なんか解放感があるなぁ」
「それで、どうするの?」
「勿論行くさ。イッセーも行くだろうしな」
これは確信だ。
絶対にイッセーは来る。
私は魔方陣を使い、教えられた会場に転移した。
すみません。
グダグダになってしまい、更にライザーは次回となってしまいました。
申し訳ありません。