ハイスクールD×D 黒の聖剣   作:神ショー

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アリスが戦闘しやすえ。






はぐれ

 

 

 

夜、誰もいない道路を一台の自転車が走っている。

 

それをこいでいるのは、新人悪魔であるイッセーだ。

 

ついでにアリスもイッセーの肩に手を置いて立って乗っており、スピードに対してはしゃいでいたりする。

 

 

「よし!イッセーもっとだ!」

 

「出来るか!」

 

 

どんなに疲れていても、アリスの言葉には必ず返すイッセー。

 

そうとう妹思いなのか、シスコンなのだろう。

 

話を戻して走りながらチラシを配りまくる。

 

チラシとは、グレモリー眷属を召喚するための魔方陣を描いたあのチラシのことだ。

 

イッセーはそのまま爆走し、ポストに向けてアリスが器用に投げ入れる。

 

それによって、歴代新人悪魔たちの中でも最速の配り速度を誇っていることに、二人は気付いてはいない。

 

そしてチラシを早くも配り終わり、部室に帰ってきたイッセーとアリス。

 

 

「部長、全部配り終わりました」

 

「ええ、お疲れ様。相も変わらず速いわね二人とも」

 

「はっはっは!見たかリアス!これが私達のコンビネーションだ!」

 

「うん、でもアリスちゃんがいるからこそ」

 

 

「ぬぉ!こ、小猫!?なんで抱き付いてくるんだ!?ええい離れろ!」

 

「..........」

 

「いだだだ!無言で力を込めるな!」

 

 

もはやこの光景は二人がグレモリー眷属になってからというもの日常茶飯事になってたりする。

 

周りはホッコリしているが、アリスはというと涙目になっていてそれどころではない。

 

それに気付いたイッセーたちは、何故か一ヶ所に集まり、話し合っていた。

 

だがそれを気にしている間もなく、そのままソファーに座って横になった小猫。

 

少し大きめのソファーなので二人、しかもどちらも小柄なので丁度良く収まる。

 

 

「こ、小猫?」

 

「――ふにゃあ.....アリスちゃん良い匂いにゃぁ」

 

「小猫!?なんかおかしいぞ!?」

 

 

なんか、どんどん小猫が積極的になってしまっている。

 

そんなこんなで、抜け出そうとしているアリスのところに、リアスたちが来た。

 

 

「ねぇふたりとも?写真撮ってもいいかしら?」

 

「どうぞですにゃん♪」

 

「え!?ちょ!?」

 

「よし!皆撮るわよ!」

 

 

そして各々の持つ携帯で、二人の写真を何枚か撮り、終わったら終わったで、二人の邪魔をしないようにみたいな感じで、リアスたちは離れてイッセーの契約の話になっていた。

 

 

「なんか、もう諦めたぞ.....」

 

「にゃん♪」

 

 

それから、イッセーが魔方陣を通って契約者のところに転移出来ず、泣きながら自転車で行って帰ってくるまで、この状態が続いたようだ。

 

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 

 

それから暫くが経って、その間に小猫に誘われて遊びにでかけたりした次の日、イッセーがリアスに怒られていた。

 

なんでも教会関係者を教会に送り届けたらしく、悪魔は教会に近付くだけでも危険らしい。

 

良く生きてたなイッセー。

 

そしたら、リアスの隣に朱乃が立つ。

 

 

「説教は終わりましたか?部長」

 

「あら朱乃、どうしたの?」

 

 

すると、朱乃は表情と雰囲気を変えて話す。

 

 

「大公からはぐれ悪魔の討伐依頼が届きましたわ」

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 

 

そして早くも場面は変わり、廃墟の前に私達が並び立っている。

 

どうやらここにはぐれ悪魔とかいうのがいるみたいだ。

 

最近この辺で行方不明者が多数いると言われているのは、このはぐれ悪魔の仕業らしい。

 

 

「それじゃあ、この実戦を使って二人に悪魔の戦い方を教えるわよ」

 

「......なぁ、リアス」

 

「ん?何かしら?アリス」

 

「今回の戦いは私に任せてくれないか?少し試してみたいことがあるんだ」

 

「.........そうね。貴女の神器の性能も見たみたいし、いいわ。許可してあげる。だけど、危ないと感じたら加勢に入るからね?」

 

「うむ、わかった」

 

 

それから全員で廃墟に入り込んだ。

 

中に入ると、色んなものが混じりあっているような【匂い】があった。

 

 

「好きじゃない匂いだ。試す相手に相応しい外道だな」

 

 

周りは分からないという顔をしているが、どうやら小猫だけは分かるようで、コクコクと頷いてくれている。

 

すると、奥の方から声が聞こえてきて、とうとうその姿を現した。

 

 

「不味そうな匂いがするぞ?旨そうな匂いがするぞ?甘いのかな?苦いのかな?」

 

 

出てきたのは、上半身が裸の女で、下半身が訳の分からない怪物の姿をした、紛れもない化け物だった。

 

これはもう救うことすら出来ない。

 

 

「ほう、そこの小娘はすごく旨そうだ。そこの邪魔虫どもを蹴散らしてからゆっくり味わうとしよう」

 

「ほう、私を食うつもりだと?不敬な!」

 

 

そう言ってから騎士王との聖約(セイクリッド・オブ・アーサー)を発動させて、鞘から剣を抜く。

 

剣と鞘はやはり黒く染まっていて、それでも支障は無いらしいが、一応確認の為に今回は譲ってもらった。

 

 

「試してみるか」

 

 

今回は、その他にも試すことがあって、そのためにも譲ってもらったんだ。

 

私は目を瞑り、頭の中でイメージする。

 

今手にしている剣が、大鎌に変化するようにと。

 

全てを切断し、世界を崩壊させる力を持った大鎌へと変化するように。

 

 

「......うん、成功だな」

 

 

恐る恐る目を開けると、そこにはイメージ通りの大鎌が手に握られていた。

 

剣の時のような漆黒ではなく、血のような深紅に彩られた鋭利な大鎌だ。

 

 

「さて、わざわざ待っててくれてありがとな。余裕か?」

 

「いや、お前をどう料理するのか考えていただけだ」

 

「そうか――だが、貴様はここで終わりだ。今まで散らせてきた罪の無い命の報い。その身で受け入れ朽ち果てろ!」

 

 

そう宣言して、私もこの命を狩ると決めた時、視界が変わった。

 

例えて分かりやすく言うなら、今までずっと暗闇の中にいたのが、いきなり光の溢れるところに出てきたような感じだ。

 

分かりにくい?それなら理解できるように努力してくれ。

 

相手の弱点や、次にしてくる行動が全て分かるし、対応することもできるようだ。

 

 

「ふはははは!!その威勢!まさに気に入った!今夜は本当に恵まれている!!」

 

 

相手がそう言った瞬間に魔力を背中から放出して、この前の堕天使と同じく、だが明らかに違うように切り裂いた。

 

大鎌は私の手にしっくりくるし、何より扱いやすい。

 

それに前とは違って、瞳の力も悪魔の身体能力もある。

 

故に、簡単に相手の胴体を深々と切り裂いていた。

 

 

「ぐぎゃぁぁぁぁ?!!!おのれ小娘ぇぇぇ!!!」

 

 

化け物(後で知ることになったがこの化け物はバイザーというらしい)が叫び散らしながら私に向かって猛突進してくる。

 

だが私は上に飛んでかわし、すれ違いに片腕を切り落とす。

 

そしてのたうち回っているバイザーに、着地と同時に走り、もう片方の腕も切り落としておく。

 

そこで私が急停止し、バイザーのほうを見ると、既に目の前にいて押し潰してきた。

 

 

「ッ!?アリス!!」

 

 

「アリスちゃん!?」

 

 

見ていた皆が加勢に入ろうとしてきたが、される前にバイザーの下半身をズタズタに切りまくって、体勢が崩れた時に下から脱け出す。

 

心配してくる皆に向かって顔を向け、大丈夫と言葉をかける。

 

 

「私は大丈夫だ。心配はいらない」

 

「ッ!?アリスちゃん、眼が.......」

 

「ん?眼がどうかしたのか?」

 

 

小猫が驚いた表情でこちらを向いていたので、鎌を鏡にして見ようとしたが、生憎とこの鎌は深紅なので、色がよく分からない。

 

 

「まぁ、眼のことは後から教えてくれ。仕上げが終わった後でな」

 

 

眼を向けた方向にいるバイザーは、両腕を失い、下半身がズタズタにされてろくに動けずに、蠢いていた。

 

私は静かに近付き、問う。

 

 

 

「何か言い残したいことは、あるか?」

 

「..........殺せ」

 

「そうか。なら、あの世で食った人間ちに懺悔し続けるんだな」

 

 

そう言って、鎌を降り下ろす。

 

鎌は頭を突き刺し、同時にここら一帯の地面に深いクレーターが出来る。

 

まるで隕石が衝突したみたいな衝撃と音だったが、私はそれどころじゃない。

 

バイザーは塵となって消え去っており、大鎌と浮遊していた鞘も消した。

 

だが、それでもまだ動こうとしない私を不信に思ったのか、皆が寄ってくる。

 

 

「アリス、どうしたんだ?」

 

「イッセー先輩、待ってください」

 

 

心配したイッセーが、アリスの肩に手を置こうとすると、小猫がそれを止める。

 

そこで、皆は気付く。

 

アリスの肩が震えているということに。

 

 

「アリス、やっぱりお前......」

 

「アリスちゃん.......」

 

「.........私は」

 

 

そこでようやく、アリスは口を開く。

 

その声は、確かに震えており、頬を見れば水が流れている。

 

 

「私は、いくら罪人とはいえ......一つの命を奪ってしまった」

 

「..........」

 

 

まるで、自分に言い聞かせるかのように、ポツリポツリとアリスは話し出す。

 

それを皆は静かに、だけどしっかりと聞く。

 

 

「これが、命を奪うということなのだな。この気持ち、この武器の重さ........この息が途絶えた時の感触が」

 

 

頬を流れる水は、どんどんその量を増やして、足元は微かに水が溜まっている。

 

肩の震えも、微かにではなく、目に見えて分かるほどに大きくなっていた。

 

 

「.......大丈夫」

 

「.....え?」

 

 

ふわりと、背中に何かが抱き付いてきたのが分かった。

 

横を見れば、見知った顔に、白銀の髪の毛。

 

それは他の誰でもない、アリスの親友である塔城小猫だった。

 

 

「私にも分かるよ、その怖さ。ううん、私だけじゃない。リアス部長も、朱乃先輩も、裕斗先輩も、皆知ってる。だから、一人で抱え込まないで?」

 

「........小猫」

 

 

アリスは向き直って、改めて小猫に抱きつく。

 

小猫は黙って抱き返し、まるでその怖さを貰おうとしているようにも見える。

 

 

「ありがとう」

 

「.......ふふ」

 

 

この光景は、アリスの震えが収まるまで続き、それを見ていた皆は、まるで怯える子猫を落ち着ける、親猫のようだったという。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれ?そう言えば小猫ちゃん?俺は?」

 

「イッセー先輩は、ヘタレですから、入らなくてもいいんです」

 

「俺だけ酷くない!?」

 

 

こんなことがこの後あったそうな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「朱乃、裕斗。写真の中身は?」

 

「ばっちりですわ」

 

「抜かりなしですよ部長」

 

「よし、なら後でイッセーと小猫にも送ってあげてね?」

 

 

因みにこんなやり取りもされていたそうだ。

 

後から送られた写真に、イッセーは感激したところを見られてアリスにバレそうになり、小猫は目撃情報によるとトイレに入ったまま暫くは出てこなかったそうだ。

 

もちろん、その写真がオカ研でアリスを除いた全員の待ち受け画面に設定されているのは、当然のことである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もっと言うなら、この大鎌を降り下ろした時に出来たクレーター。

 

後で外に出てみたら、廃墟から半径約100メートルの範囲が、まるで隕石が落ちたような、というか隕石が落ちたときと同じくらいの深さのクレーターだったみたいで、皆は冷や汗を流していたようだ。

 

アリス曰く、これでも封印がかけられていて、本来の1%程度の力しか出ていないらしい。

 

改めて、規格外の神器だと知ったオカ研メンバーだった。

 

 

 





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