ナンバーワン戦隊ゴジュウジャーVS戦姫絶唱シンフォギア ユニバース大戦 作:ボルメテウスさん
「脱出方法と言われても、その方法はおそらくは」
「どんなに話し合ったとしても、結果としては、あの青春ノーワンを倒すしかないだろうね」
「なるほどね……数の暴力ってやつか」
陸王はフェンス越しに校庭を見下ろした。青空の下、整列した生徒たちが青春ノーワンを中心に円を描いている。まるで集団催眠だ。
「でも問題はそれだけじゃない」
マリアが腕組みをした。
「あの子たち、洗脳されてる罪のない人。戦いのプロでもない私たちが下手に動けば──」
「最悪、命に関わる事故だな」
重苦しく付け加えた。
「じゃあどうすんだよ!? このまま閉じ込められて飢え死にか!?」
拳を震わせる。
その時だった。
「待ってください!」
玲央が突然閃いたように指を立てた。
「あの結界を作った青春ノーワン……彼の目的は『青春』でしたよね?」
「そうだな。『本物の青春を贈る』とか言ってた」
陸王が確認すると、玲央の瞳が輝いた。
「なら……学園以外の青春を見せつければ」
「なるほど、逆転の発想だな」
陸王は感心したように頷く。「確かに彼は『学園の青春』に拘っているみたいだし。他の青春を示せば価値観が揺らぐ可能性がある」
「でも、どんな形で? 私たちただの指輪の戦士よ」
マリアが首を傾げる。
「そこだよ」
陸王は胸を張った。
「ここにいるのは全員『青春の一部』を生き抜いてきた人間。つまり──」
ゆっくりと周りを見回す。
「各自の『青春』を披露すればいい。スポーツマンは熱血ドラマを。芸能人はエンタメを。教師は学びの楽しさを」
「お前……天才か?」
千兵衛が目を見開く。
「いやいや、ただのアイドル思考さ」
陸王はウインクした。
「でも問題は時間だぞ。この人数を相手にできるか?」
「任せろ」
グッドスピードが不敵に笑った。
「俺の速さなら校庭をコンサートホールに変えるなんて朝飯前だ」
「じゃあ僕は星空コーディネート担当でいい?」
玲央が嬉しそうに申し出る。
「俺がステージをすぐに建てよう!こういうのは得意だからな」
剛力が指をポキポキ鳴らす。
「私も手伝うわ。こういう時のフォーメーションは──」
マリアが空中に指で陣形を描いた。
「よしっ、これで準備万端!」
全員が頷き合う。
その頃、校庭では──
「なんだ……この奇妙な装置たちは」
青春ノーワンが狼狽える。
陸王が仕掛けた奇襲が始まったのだ。
まずグッドスピードのスピードで即席ステージが瞬時に組まれた。
玲央の星座知識を活かした照明効果。
剛力の力技で運ばれた大型スクリーン。
マリアが生徒たちを誘導して安全に座らせる。
「今こそ──」
陸王がマイクを握った瞬間、爆音が響いた。
《青春は学園だけじゃない》
巨大ビジョンに映るのは陸王自身。
「百夜陸王によるスペシャルライブだ!」
歓声が上がり、生徒たちの目が釘付けになる。
「ほらみんな見て!アイドルってこんなにキラキラしてるんだぞ!」
「え……」「すげぇ……」
徐々に生徒たちの意識が戻っていく。
各々の“青春”を全力で表現。
青春ノーワンの洗脳が崩壊していく──
しかし──
「どっどうなっているんだ!?私の青春が、こんな下らないアイドルに」
「あら?アイドルが青春じゃないって、誰が決めたの」
「なっ」
それと共に、青春ノーワンに攻撃を仕掛けたのは、マリアだった。
突然の奇襲に、驚きを隠せない青春ノーワン。
「一体、どこから」
「裏方の仕事よ。青春ってのは、別に学園だけじゃない。一つのステージを作り上げるのに、多くの人が協力する。あの陸王のステージを作る為に仲間達が力を合わせる事」
青春ノーワンは、すぐに洗脳された生徒達を盾にしようとした。
だが、青春ノーワンの声は、彼らには聞こえなかった。
「なっ」
「幻の青春の輝きに、力を合わせた本物の青春にあなたの作り出した幻は崩れたわ」
それと共にマリアは、剣を構える。
「青春ノーワン!覚悟っ!」
マリアはそのまま駆け出し、剣を振るう。
そのまま斬撃を受けた青春ノーワンは地面へ叩き付けられる。
「この私がぁぁ!!」
青春ノーワンが叫ぶと共に、その中にいる人間にマリアは手を伸ばす。
彼女は、そのまま引き上げると共に、青春ノーワンは爆散する。
「どうやら、成功したようね」
見ると、ステージには未だに夢中な人々。
彼らを見ながら。
「えぇ、本当に余計な事を」
「っ」
聞こえた声と共に、マリアは、迫る攻撃に対して防御する。
突然の攻撃を行った人物を見る。
「お前は」
そこに立っていたのは、1人の人物。
「私、クオンAIコンツェルンの開発セクション統括の設名新です」
「・・・そんな人が、ここで一体何をしているの」
「・・・何、貴女方がこちらで行っていた試験を邪魔していたようなので、その注意をしに来たのです」
それと共に、設名が取り出したのは、テガジューン。
「それは」
それと共に、新は、そのまま構える。
「あれって、確かファイヤキャンドルが使っていた」
「エンゲージ」『ドラゴンキーパー』
鳴り響いた音声と共に、その姿が変わる。
白いマントを羽織った、龍を思わせるヘルメットを被ったその人物は。
「レッドキーパー、さぁここからが私の正義です」