ナンバーワン戦隊ゴジュウジャーVS戦姫絶唱シンフォギア ユニバース大戦 作:ボルメテウスさん
「さぁ、久し振りの走りだ。付き合って貰うぜ」
ブンレッドの赤い装甲が光を浴びて煌めく。グッドスピードは軽やかに構えを取り、目の前の敵を見据えた。
「……」
洗脳されたシシレッドは何も言わない。ただ虚ろな瞳でセイザブラスターとテガジューンを構えると、無造作に引き金を引いた。
バシュッ!ズガガガッ!
二丁拳銃から放たれた紫色のエネルギービームが嵐となって襲いかかる
「遅いッ!」
ブンレッドは風のごとく疾走した。彼の動きはまさに疾走。校舎の壁を駆け上がり、三角飛びでさらに加速する。弾丸の軌跡を紙一重で躱しながら、ブンブンハンドルのロッドモードを展開。
「喰らいなッ!」
伸びた刀身がシシレッドを薙ぐ。だが彼は巧みに身をひるがえし回避。
「ハァッ!」
すれ違いざまにブンレッドの脇腹を狙ったシシレッドの拳が唸る。しかしブンレッドは既に背後に回り込んでいた。
「残念だったなぁ」
ブンブンハンドルの柄でシシレッドの肘打ちを封じながら、後頭部への当て身。バランスを崩したシシレッドがよろめく。
「ふぅ……どうだい?まだ本調子じゃないな」
「……ッ」
それでもシシレッドの動きは鋭い。すぐに距離を取り、再び両銃の乱れ撃ち。ブンレッドは校舎の角を利用して弾幕をやり過ごす。次々と現れる柱や壁を利用してジグザグに跳躍し、敵の死角に滑り込む。
「まだまだ足りねぇよ!もっとだ!」
ブンレッドの挑発に反応してか、シシレッドの射撃精度が上がる。
だがブンレッドの脚から赤い車輪が、彼のスピードをより加速させた。
「ッ!?」
初めてシシレッドの目に驚きが浮かんだ。ブンレッドの動きが急激に加速する。まるで物理法則を超えた走り。
「今度はこっちの番だぜ!」
瞬く間にシシレッドの懐に入り込み、ブンブンハンドルを連続で突き出す。袈裟斬りからの三段突き。シシレッドは辛うじて銃身で受け止めるが、金属が悲鳴を上げる。
「お前のゴールはまだそこじゃない!」
「ッ!?」
ブンレッドの最後の一撃。閃光のごとき突きがシシレッドの胸部を捉えた。洗脳を解く鍵となる一点だ。
「ガッ!」
シシレッドが大きくのけぞる。ブンブンハンドルの先端が微かに紫の霧を切り裂く。洗脳エネルギーが霧散していく。
「……幸福のゴールはまだ到着してないぜ」
ブンレッドが穏やかに呟くと、シシレッドの身体がガクリと膝をつく。彼の瞳に理性の光が戻ってきた。
「……あれ?僕は……」
「目が覚めたか、星野?」
シシレッドが周囲を見回す。
「え、グッドスピード?なんでここに……それにこの格好……」
「長くなる話さ。とりあえず今は一緒に走ってくれよ」
それと共に、ブンレッドは指を向ける。
それを見て。
「・・・あぁ、未だに状況は分からないが!」
「ふぅ……さて、この格好になったからな、とことん暴れてやるぜ!」
アカニンジャーの忍者服がひらりと舞い、賀州が身構えると同時、レッドマスクの巨躯が轟音を立てて迫った。
「むぅんッ!」
レッドマスクの右拳から爆発的なオーラが迸る。地面を削りながら突進するその姿は破壊兵器そのもの。
「おっとっと!」
賀州は素早く腰を落とし、一瞬で横へ跳躍。レッドマスクの拳が空を切り大地が亀裂を刻む。
「ははっ!すごい力だなオッサン!」
賀州が軽口を叩く間にもレッドマスクの連打が続く。左右からのジャブが竜巻のように襲ってくる。
「だけど――」
賀州の影が二つに分裂。分身忍法だ。
「何っ?」
一瞬の困惑を突いてアカニンジャーは忍者一番刀を抜く。紅蓮の刃が月光に輝く。
「悪いけど先生のお仕置きタイムだ!」
レッドマスクの左フックをしゃがんで回避しながら、刃が弧を描く。鎧の表面を浅く焦がす程度だが十分だ。
「くっ……!」
バランスを崩したレッドマスクがよろめく。その隙にアカニンジャーは背後に回り込み、刀身を弓なりに引き絞る。
「そんなんじゃ生徒は守れねえぞ!」
力任せな殴り合いではなく、速さと技術で翻弄するのが忍者の本質。賀州の動きは蜘蛛のように狡猾かつ鋭い。
「ぬうぅ……」
レッドマスクが雄叫びと共に両拳を振り回す。まるで猛獣だ。しかしアカニンジャーはすでにその懐に入り込んでいる。
「お前の拳は!」
至近距離で忍者一番刀が閃く。黄金の刃紋が幾筋も描かれる。
「生徒を導くためにあるんだろ!」
決定的な一閃。洗脳エネルギーの中枢を捉えた。レッドマスクの巨体が大きく揺らぐ。
「……ッ」
衝撃と共に正気が戻りつつある表情。瞳の濁りが晴れていく。
「賀州……お前か」
「おうよ。遅かったな先生」
アカニンジャーが刀を収めると同時、剛力が膝をつく。
「……すまん。迷惑かけた」
「謝んなって。ほら立てるか?」
差し出された手を掴む剛力。その温もりが彼に確かな自我を取り戻させる。
「まだ終わっちゃいないぜ。あっちも気になるしな」
賀州が視線を向けた先では――