ナンバーワン戦隊ゴジュウジャーVS戦姫絶唱シンフォギア ユニバース大戦 作:ボルメテウスさん
「まだ、あんなのを隠し持っていたのかっ」
そう言いながらも、陸王はすぐに立ち上がろうとした。
けれど、オルカブースターによるパワーアップの反動で、すぐに動く事が出来なかった。
「ぐっ」
「先程のショー、なかなかに見応えがあった。ならな、見物料を払わなければな」
「熊手真白」
「さぁ、行くぞ、アウェイキング!」
そう、熊手は笑みを浮かべながら、その手にあるグーデバーンを起動させる。
それと同時に、現れたのは、巨大なグーデバーンが、そのまま地面に着陸する。
「リングイン! 人神一体!グーデバーン!」『グーデバーン!』
熊手の宣言、それと共にグーデバーンもまた、両手の白いグローブを真っ直ぐと構える。
「テガナグールか、だが「僕をその名で呼ぶな!」ぐっ」
アイアイザーに乗っていた設名に対して、グーデバーンが、既に懐に飛び込み、その拳を振るう。
瞬時に両腕と一体化しているロングバレルの大砲で防御する。衝撃波が周囲を包む。
「ふん。ならばっ」
それと共に、グーデバーンに向かって放つ。
その砲撃に対しても、グーデバーンは動じる事なく構える。
「ぐっ、これは」
「このアイアイザーには、この空間で生み出された奴らの願いに対する思いが吸収されている!確かにもう指輪の戦士にはなれないがお前達の指輪を奪えば、その力を使うだけ!」
「そうは、させないわよ!」
それと共に、走り出していたのはマリアだった。
マリアがやろうとする行動を察した熊手は不敵に笑う。
「グーデバーン!」「はい!熊手さん!」
熊手の言葉を察したグーデバーンは、迫るマリアに腕を伸ばす。
グーデバーンの手の上に乗ったマリアは、そのまま一体化する。
それと共にグーデバーンの周囲には銀色の籠手が現れる。
グーデバーンは、その籠手を左腕に装着し。
「グーデバーンアガート!!
巨大な新たな左腕を得たグーデバーンはその宣言と共に構える。
「グーデバーンアガート!!」
その宣言と同時に、左手に装着された銀色の籠手が青白い光を纏う。掌底から溢れ出るエネルギーの奔流は、まるで生きた蛇のように蠢いていた。
アイアイザーは即座に反応した。両肩から延びるロングバレルの大砲が咆哮を上げる。
エネルギー弾が雨あられと降り注ぐ。一つ一つが爆発の規模を持つ破壊球だ。
「こんな豆鉄砲で勝てると思ったか!」
設名の声が通信越しに響く。だがグーデバーンは微動だにしない。
「発射!」
熊手の指示と同時に左腕が伸びる。掌底から放たれるのはビームの拳圧。一本一本が独立した意志を持つかのように宙を裂き、アイアイザーの弾幕へと食らいつく。
ドンッ! ズバババッ!
空中で衝突したエネルギー弾とビーム拳。普通なら対消滅するはずだが――。
「なにっ!?」
設名が呻くのも無理はない。ビーム拳はアイアイザーの攻撃を飲み込みながら貫通していた。まるで飢えた獣が餌を貪るかのように。
アイアイザーの装甲が火花を散らす。先ほどまでの威勢が嘘のように、その巨体が後退する。
「まさか……!そんなことが!」
「甘いぜ」
熊手の冷笑と共にグーデバーンアガートのビーム拳が続けざまに放たれる。まるで蜂の群れだ。一発一発がアイアイザーの関節部を正確に狙っていく。
ガキン! メキッ!
機械油が噴き出し、装甲板が歪む音。アイアイザーの左腕関節が火花を上げながら悲鳴を上げる。
「ぐ……これは……」
設名が歯ぎしりする。アイアイザーのシステム表示が警告を示す。冷却機能が限界まで達している。これ以上の負荷は機体に致命的だ。
だがグーデバーンは容赦しない。「次!」と熊手が叫ぶたびに新たなビーム拳が生成され、アイアイザーを追い詰めていく。
「馬鹿な……私の……計算が……」
アイアイザーの残った右腕が震えながら大砲を構える。だがその照準は既に狂っていた。
「無駄だ!」
グーデバーンのビーム拳が直撃。右肩のロングバレルが根元から切断され地面に落下する。砕けた破片が周囲に散る。
設名の視界に映るのはボロボロになったアイアイザーの姿。装甲の一部は溶け落ち、内部機構が露出している。機関部からは不吉な電流が走り、各部システムが次々とダウンしていく。
「こうなったら……!」
最後の抵抗か。アイアイザーが背部スラスターを全力稼働させ突進しようとする。しかし――。
「遅い!」
それと共に、既に必殺の構えを取る。
「「「俺様鉄拳・シルバークラッシャー!!」」」
熊手とグーデバーンとマリアの声が重なる。
その一撃が迫った時。
「ぐあぁぁっ!!」
アイアイザーの胸部装甲に直撃した。爆発的な衝撃が機体全体を揺さぶり、ついには機能停止のアナウンスが響き渡る。
沈黙したアイアイザーを前に、グーデバーンはゆっくりと拳を納める。銀色の籠手から光が消え、その姿は再び普段の雄々しさを取り戻した。
「終わったな……」
熊手が呟くと同時に、グーデバーンは静かに地面に降り立つ。
設名の敗北を確信した陸王は、深呼吸を一度してから歩み寄った。
「これでやっと終わるか……」
彼の心には複雑な想いが渦巻いていた。
「これで、青春は、これでようやく終わったかな?」
「いいや、続くさ、どこまでも。けれど」
「くそっ!くそっ」
そして、彼らから離れた場所にて、アイアイザーから脱出した設名は走る。自分の研究が失敗し、アイアイザーも敗北したことで、彼のプライドは粉々になっていた。
(こんなところで終わってたまるか!俺の研究はまだ完璧になるはずだった!)
走りながらも彼は周囲を見回す。どこかに隠れる場所はあるか? この屈辱を晴らす方法は?
だがその足取りが止まったのは、目の前に立ちはだかる人影のせいだ。薄暗い廊下の奥に、細いシルエットが見える。
「……誰だ?」
声がかすれた。
「おやおや、こんなところでお会いできるとは運がいい」
静かな声。低くて落ち着いている。でも氷のように冷たい。
説明が目を凝らすと――そこに立っていたのは男だった。年齢不詳でどこか陰のある顔立ち。特に印象的なのはその目だ。灰色の瞳が不自然に輝いている。
陸王が以前見たあの写真と同じ男だ。
「お前は……!」
設名が声を荒げようとした瞬間。
「静かにしてください」
その言葉と共に、灰色の瞳の男が一歩前に出る。手には何も持っていないはずなのに、圧倒的な威圧感を感じた。
「私の実験に協力していただき感謝しますよ」
男は微笑んだが、それは暖かいものではない。獲物を眺める捕食者のような目だ。
「あなたの研究成果は興味深かった。ですが――」
そこで彼は言葉を区切る。
「もう必要ありません」
設名の顔が恐怖に染まる。「やめろっ!!」
だが抵抗する間もなく、灰色の瞳の男の手が伸びる。
「ぐああああぁぁぁぁっ!!!!」
悲鳴が響いた。