ナンバーワン戦隊ゴジュウジャーVS戦姫絶唱シンフォギア ユニバース大戦 作:ボルメテウスさん
青春ノーワンから始まった事件は無事に解決した。
元ユニバース戦士達の指輪もまた、陸王の手に預ける形となり、各々が新たな道へと進んでいた。
事件の首謀者が未だに行方不明だという結果で終わりを迎えた。
小日向は、その日、1人で買い物を行っていた。
普段ならば一緒にいる響は、その日はS.O.N.G.の任務もあり、寮にはいなかった。
だが、そんな彼女の帰ってくる場所を作るのも自分の仕事だと思いながらも、少しだけ寂しさを感じながら歩いていた時だった。
「ほぅ、こんな所に会うとは奇遇だな」
唐突に声をかけられ、小日向は足を止めた。
振り向けば、そこに立っていた人物に見覚えがあった。
それは、1度会ったが、あまりにも印象に残っていた人物。
「熊手さんっ」
「久しぶりだな」
熊手は軽く手を挙げた。
左手はない為、右手だけで挨拶をする形となっていたが。
「本当に熊手さんなんだ……」
未来の表情に緊張が走る。
熊手のことを知っているのは響から聞かされたからだ。
『世界を救ってくれた英雄』として、それ以上に『少し変わった人だけど信用できる人』とも言っていた。
そして目の前に立つこの男こそ―――。
「おっと警戒しなくていいぞ? 別に悪いことしようってんじゃないんだからよ」
「そ、そうですよね……」
思わず身構えたもののすぐに肩の力を抜くことができたのはやはり熊手に対する信頼があるからだろう。
しかし同時に疑問も湧き上がってきた。
何故ここにいるのかということである。
「あの、熊手さんはなんでここに?」
「世直しをしていた所だクマ!」
そう、熊手の肩に乗っていたベアックマが代わりに答えた。
「まぁ、500万程度の軽い依頼だがな」
「ごひゃっ」
一般人の感覚がある未来からしたら、信じられない値段の為に驚きしかない。
「あのっなんでそんな大金を」
それは、これまで謎に包まれていた熊手の情報を少しでも知る為の質問であった。
そして、それは熊手としても好都合だった。
「俺の信念のようなモノだ」
「信念?それがお金の為ですか?」
熊手は少し遠くを見るような目をした。
「そうだな、まぁ」
市街地に突如響き渡った爆音。
ガラスの砕け散る音と悲鳴が、夕暮れの街に不協和音を奏で始めた。
「熊手さん!あれは……」
小日向未来が震える指で指し示す先──崩れるビル壁の向こう側から、黒服の集団が溢れ出ていた。まるで蟻のように列を成し、通行人を追い立てる姿は悪夢そのものだ。
黒服たちの頭部には鈍い金属光沢。金や銀の円盤が揺れるたびに耳障りな甲高い音を放つ。ブライダンの戦闘員・アーイーだ。
「どうやら、世直しの時間だな」
それと共に熊手は、グーデバーンを構えようとした時。
「エンゲージ!」『トッキュウジャー!』
「むっ」
すると聞こえて来た声の方を見る。
そこには、銀のテガソードを手に持ったトッキュウ1号がアーイー達に向かって行く。
「出発進行だ!!行くぜ、レールスラッシャー!」
その言葉と共に、トッキュウ1号は、その手に刀身がまさしく列車のレールを思わせる武器、レールスラッシャーで次々とアーイー達を切り裂いていく。
キンキン!キンコンカン!という鋭くも軽快な効果音が響き渡り、まるでテレビゲームのようだ。
未来は息を飲んだ。トッキュウ1号の動きは素人のそれではない。
身体全体を使って回転し、時には宙返りしながら正確に敵を叩き落していき、その一撃一撃は重く、アーイー達の硬質な装甲を易々と切り裂いている。
だが突然、前方の視界が遮られた。
「踏切!」
カンカンカンカン!!
突如響き渡った警告音と同時に、目の前に鉄製のバーが降りてくる。
「ぎゃあああ!?」
驚くアーイー達が急停止する。まるで交通事故寸前の自動車のように固まってしまった。さらに後方から追いかけてきていた別のグループも同じように急ブレーキをかけられ、仲間同士で激突する光景が続々と広がっていく。
「これは……?」
「ほぅ、あのユニバース戦士の能力か」
それを見ていた熊手は頷くと。
「これで終わりだ!」『トッキュウジャー!フィニッシュ!』
それと共に、銀のテガソードから、赤い列車の残像と共に、トッキュウ一号は横に振り切った。
それと同時に、多数のアーイー達は切断されて爆発した。
「終わったか、ならば」
「えっ、熊手さん」
それと共に、熊手はそのまま近づく。
「お前もまた、指輪の戦士だな」
「何?」
すると、トッキュウ1号は、そのまま振り返る。
「指輪の戦士同士、出会えば分かるよな」
そう、熊手は問いかける。
だが。
「・・・俺は、今はもう指輪の争奪戦をやるつもりはない」
「何?」
その一言に対して、熊手は聞き返す。
それと共に、トッキュウ1号は、そのまま変身を解除する。
「俺はこの力を、願いの為には使わない。人々を守る為に使うと決めたから」