ナンバーワン戦隊ゴジュウジャーVS戦姫絶唱シンフォギア ユニバース大戦 作:ボルメテウスさん
「えっ……」
小日向未来の口から思わず漏れた声。トッキュウ1号の変身が解けた青年――虹野光は静かに熊手を見据えていた。その瞳には迷いはない。
「あなたも……指輪を持っているんですよね?」
熊手は懐から取り出し、くるりと回した。
「ああ。だがなぜ戦う事だけに拘るんだ?お前も指輪と契約したのならば、願いの為に戦っていたはずだ」
「これが正しいと思うんです」
虹野は拳を握りしめた。
「最初は興奮しました。『鉄道を守れる力だ!』って。でもブライダンの連中を見て気づいたんです――本当の守るべきものは、乗客や沿線の人々だって」
未来は息を詰まらせながら二人のやりとりを見守った。
「この人も……私みたいに誰かのために必死になってるんだ」
未来は、その言葉を、親友である響に重ねてしまう。
だが、そんな未来とは別に熊手は笑みを浮かべた。
「それで良いのか?」
「えっ?」
熊手の問いかけに、虹野は理解出来ない様子であった。
「確かに人々を守るというのは素晴らしい事だ。だが」
熊手は再び口を開く。
「夢を持つことは悪い事じゃねぇ。夢を抱いていたからこそ強い意志を持ち続けられる事もある」
「どういう事ですか?」
虹野は眉を寄せる。
「お前もまた夢を捨てるなという事だ」
「っ!」
虹野の胸に衝撃が走った。
確かに虹野は最初は夢を抱いていた。
『この力があれば、全ての鉄道を守れる』
それが理由で指輪の所有者となったのだ。
だが、現実は違った。
ブライダンという組織の存在がそれを打ち砕いたのだ。
だからこそ夢を捨てた。それが今の虹野なのだ。
だからこそ熊手の言う言葉に納得出来ないのだ。
「ふん、なら教えてやろう。俺が勝てばお前のその考えを改める」
「何?」
「何で?」
その一言に虹野と未来は同時に驚く。
「戦えば分かる」
そう熊手は言うと、既にグーデバーンを取り出し、構えていた。
「えっ」
「エンゲージ」『ゴジュウポーラー!』
鳴り響いた音声と共に既に熊手はゴジュウポーラーに変身していた。
「熊手さん、まさか」
「さっさと構えろ、でなければ」
その一言と共に熊手は、地面を殴る。
殴られた地面から氷の柱が現れ、それを砕け散る。
「お前は何もかも無くなるぞ」
その一言が本気である事を理解する。
「俺も負ける訳にはいかないんだ」
虹野もまた、テガソードを構えた。
「エンゲージ!」『センタイリング!』
鳴り響いた音声と共に、虹野は再びトッキュウ1号へと変身する。
それと共に。
「負ける訳にはか、教えてやろう。今のお前では、決して俺様には勝てない事を」