ナンバーワン戦隊ゴジュウジャーVS戦姫絶唱シンフォギア ユニバース大戦 作:ボルメテウスさん
その日、マリアは休日という事で、今は眠るマムの墓参りに来ていた。晴れた空の下、静寂に包まれた墓地はどこか物悲しさを感じさせた。
手に持つ花束をぎゅっと握り締めながら、足早に歩いていると、ある墓石の前で既に他の人が訪れているのに気づく。
「え……?」
マリアの視線の先に立っていたのは意外にも禽次郎だった。派手なファッションで周囲と明らかに浮いており、いつもなら陽気に笑っているであろう彼が、珍しく無言で墓前に花を供えていたのだ。
(どうしてこんなところに?)
不審に思ったマリアが近づこうとした瞬間、気配を感じたのか、禽次郎が振り返った。
「あっ! マリちゃんではないか! こんなところで会うなんてサイコーじゃん!」
いつもの軽薄な口調で手を振ってくる。だがその表情は普段よりも少し柔らかかった。
「禽次郎さんこそ……ここで何をしているんですか?」
マリアの問いかけに、禽次郎は一瞬だけ目を伏せる。
「ん〜?ワシは…」
そう言って指差された墓石には、「猛原家之墓」と刻まれている。
「まさか……家族の墓?」
「あぁ、ワシの妻が眠る墓だ」
予想外の答えにマリアは息を飲む。普段の騒々しい態度からは想像できない答えだった。
「マリアちゃんもお墓参りなんだよね? 見てたんだけどさ」
「あ……うん。マムの……」
「そっかそっか〜! うん、きっとマムさんも喜んでると思うぞ!」
再び明るいトーンに戻った禽次郎だが、その声には微かな影があった。
ふとマリアは訊きたくなる。「あの願いは……」
「ん〜?」
「あなたが変身するために使った『パーリーピーポー』という願い……。それがあなたにとって本当に大切なものなんだなって」
禽次郎は黙って墓石を見つめる。しばし沈黙の後、ゆっくりと口を開く。
「それはなぁ……」
風が木々を揺らし、静けさの中に響いた。
「ワシの妻が死ぬ時に言ったんだ。『これからの人生は自由に生きろ』ってな……」
突然の告白にマリアは驚く。
「え……?」
「だからワシは変わろうと思った。今まで家族のために生きてきたけど……これからは自分らしく生きたくてな。でも……」
言葉が詰まる。禽次郎の顔に一瞬だけ深い悲哀が浮かんだ。
「結局……一人ぼっちになってしまったから」
そう言って笑う彼の笑顔はどこか寂しげだった。
「だから……もう一度やり直したいんだ」
その言葉にマリアは。
(この人の本当の願いは、本当にそうなのかしら。今の表情を見ると)
その表情は、確かに見た事があり、そして自身も体験した事のある。
だからこそ、マリアは禽次郎の本当の願いを考える事が出来たが、同時にそれを口にする事は出来ない。
それは、あまりにも。
そんな思いをしていると、何かを感じ取った。
「これは」
「なっ、なんだ!?」
周囲を見ると、建物の景色が次々と変わっていく。
困惑する彼らを余所に、それを起こした犯人が、姿を現す。
「我こそはノーワンワールド・昭和No.1!昭和100年の今こそ令和の世に、昭和の素晴らしさを教えてやる!!昭和〜〜ッ!!」
「・・・また、変わったノーワンが現れたわぁ」
そうして、姿を現したノーワン。
その身体は全身が昭和を思わせるアイテムによって、構成されているノーワンであり、ノーワンを中心に次々と街の景色が昭和に戻っていく。
「くっ!一体、なんなんだ!」
マリアと禽次郎は、昭和の景色と化していく街を眺めていくのであった。
「とにかく、止めなけ「この街が可笑しくなっているのは、あんたの仕業か!」えっ」
そうしていると、聞こえて来たのは、1人の女性。
その女性は、バンダナを被っており、彼女の手にはセンタイリングがあった。
「なんや、よう分からないけれど、これ以上、あんたの好きにはさせないで!」
「まさか、指輪の戦士!って、禽次郎さん…?」
そう、彼女は、その手にあるセンタイリングを構える。
だが、そうしている間に禽次郎は……驚きで眼を開かせていた。
「エンゲージ!」『タイムレンジャー!』
そうしている間にも、女性は既に指輪の戦士へと姿を変える。
それと共に、ノーワンへと向かって走り出した。
その光景を見ながら、禽次郎は信じられないような物を見るようにしていた。
「どうしたの、禽次郎さん?」
「・・・時音」
「えっ?」
その名を知っているように、禽次郎は呟く。
「知り合いなの?」
「ワシの妻だ…」
その言葉に、マリアもまた、驚きを隠せなかった。