ナンバーワン戦隊ゴジュウジャーVS戦姫絶唱シンフォギア ユニバース大戦 作:ボルメテウスさん
雑居ビルの屋上。太陽が西に傾きかける午後4時すぎ。
「……見つけた」
時音の鋭い声が風に溶ける。彼女は双眼鏡で数十メートル先の商店街を見下ろしていた。
「昭和ノーワン……どこだ?」
マリアが警戒しながら尋ねる。
「あの通りの角っこ。雑貨屋の店先に立ってる……あれが昭和ノーワンだ」
「まさかこんな堂々と」
そこに立っている昭和ノーワンは街の中央に立っていた。
彼らは、すぐに駆け寄る。
「いた!」
そこに立つ昭和ノーワンは、唐突に姿を現した3人に目を向ける。
「昭和〜ッ!とうとう見つけたぞ!!この俺に楯突く愚か者は貴様らか!!」
昭和ノーワンは周囲を見渡し、禽次郎と時音の姿を見つけると。
「そう言えば、先程邪魔したのは貴様だったな!」
そう言って、指を指しながら見据えた。
「あんたが暴れるせいでこっちは迷惑被っとんねん。大人しく倒されんさいや!」
そうして、構える。
その最中。
「では!お見せしよう!!昭和のパワーが最大限に高まった!この姿を!!」
それと共に、昭和ノーワンの身体に変化が起きる。
爆発的な閃光が周囲を焼き尽くした。
「きゃあっ!」
マリアが咄嗟に顔を覆いながら後ずさる。土煙と金属片が雨のように降り注ぐ中、禽次郎は時音を庇うように腕を伸ばしていた。炎の匂いと鉄臭さが鼻腔を刺す。
「どこに行った!」
煙の向こうを探るように睨む禽次郎。そこへ低く重い音が地響きのように広がった。
ゴォォォォ……
異質な音圧が肌を叩く。まるで巨大な鐘が打ち鳴らされるような低音だ。煙がゆっくりと晴れてゆく。
そこに現れたのは、先ほどまでのノーワンとは全く異なる存在だった。
銀色の円筒状の胴体が中心にそびえ立ち、左右に伸びる赤いラインが脈打つ血管のように見える。両腕は細長く延び、肘から先は複数の環状部品で形成されていた。まさに工芸品のような精緻さと金属の冷酷さが融合した形状だ。
そして最も衝撃的だったのは頭部だった。
丸い盤面の中央に太陽が描かれており、その周囲を取り囲むように目玉の意匠が放射状に配置されている。まるで無数の視線が全方位からこちらを監視しているかのようだ。顔全体が仏頂面のように固く沈黙している。
「これが……昭和ノーワンの本体」
禽次郎の喉が干上がる。異質すぎる。生物というより巨大な機械像だ。
「違う……」
横で時音が呆然と呟いた。彼女の顔には血の気が引いていた。
「万博の……太陽の塔や」
「万博??」
マリアが振り返る。
「まさか!奴は昭和の象徴である万博!その中でも太陽の塔を模倣した形態になったんや!」
時音の声が上擦っていた。万博――正式名称大阪万国博覧会は1970年に開催された日本の誇るべき祭典であり、そのシンボルとして知られる太陽の塔は美術作品としても世界的な知名度を持つ。しかし同時に、その内部に秘められた「地獄」のモチーフも有名だ。
目の前に立つ存在はまさにそれだった。表面的には荘厳な太陽の塔の表層部を模しているが、内部に潜む恐怖の象徴を具現化したような禍々しさを放っている。
「昭和……否。昭和の頂点が……太陽の塔」
禽次郎が歯を食いしばった瞬間だった。
全員が警戒する最中、昭和ノーワンは突然、その場で踊り始める。
その行動に対して、全員が首を傾げる。
だが、昭和ノーワンは意味不明の行動を続けた。
「昭和〜ッ!!皆は知らんだろうな!万博と言うものを!」
そうして、意味不明の動きを続ける。
しかし、そこで気付く事がある。
昭和ノーワンが動く度にその空間に歪みが生じている。
「なんだこれは!?」
それは徐々に範囲を拡大し、空間そのものを侵食していく。
「昭和〜ッ!この昭和の素晴らしさを!この時代と共に受け入れるのだぁ!」
そうして、さらに奇妙な動きを激しくさせる。
その瞬間だった。
「きゃっ!」
「なんだ!?」
空気が唸る。耳を劈く轟音と共に、目の前の景色がぐにゃりと歪み始めた。
建物がひしゃげるように縮小し、道路が波紋のように揺らめく。現実というキャンバスが絵具で塗り潰されていくような光景だった。
「……これは」
禽次郎が息を呑む。
「知っているんですか?」
「おそらくだが。昭和ノーワンは、昭和の力を取り込んだ。その象徴である万博の力を!その影響で、ある芸術家の思想も取り込んだ!」
「つまり、このまま奴を放置したら、大変な事になるのか!」
「だったら、なんとかするで!」
「あぁ!」
それと共に、全員が構える。
「「エンゲージ!」」『ゴジュウイーグル!』『タイムレンジャー!』
それと共に、全員が変身を完了すると共に、構える。