ナンバーワン戦隊ゴジュウジャーVS戦姫絶唱シンフォギア ユニバース大戦 作:ボルメテウスさん
虎丸の提案は、陸王は当初こそ困惑した。
なぜ、修業を行うのか。
しかし。
「これまで通りでは、これまでの結末しか生まれない。
だからこそ、一度決めた覚悟は変えるべきではない。
例え辛くてもやり遂げる覚悟がないとできない」
その言葉は、陸王が今までアイドル時代を生きてきた事を基づいているのか。
だからこそ、虎丸の言葉は陸王にはよく分かる。
「ならば、お願いしようかな。けれど、良いのかい?」
「何がですか?」
「僕も指輪の戦士。つまりは本来ならば敵同士なのに」
その言葉に対して、虎丸は。
「敵だとしても、迷いのある相手と戦うのは正々堂々ではありません。ならば、あんたには迷いを捨てる必要があります。それによって全力で戦うのが私の拳法です」
その言葉は、確かに陸王にとっては思い当たるものだった。あの戦いの際に自分は何もする事ができなかった。
それどころか、動揺で足が竦む。
「ならば」
そうして、陸王は決める。
「修業をお願いしようかな」
「分かりました」
こうして、陸王の拳法としての修業が始まった。
虎丸の、修業。
その内容は。
「これは、家事だね」
「えぇ、私の最近の修業ですから」
虎丸涼はランドリー袋を床に置くと、無言で陸王を正面に立たせた。その瞳には一切の妥協がない。
「まず、呼吸を整えなさい」
陸王は混乱しながらも指示に従う。
(修業って……家事じゃなかったのか?)
深く息を吸い込み、肺の奥まで空気を送り込む。虎丸は頷くと、袋からTシャツを取り出した。
「一枚一枚に魂を込めなさい。畳む動作は戦闘と同じ。重心の移動と呼吸のタイミングを意識する」
一枚目のTシャツを丁寧に畳む陸王の額に、早くも汗が浮かんだ。
(この人……ただの家事じゃない。指先の運び一つひとつが武術の型になってる)
虎丸の動きは洗練されていた。布を折る動作さえも、まるで武術演舞の一部のようだ。
そして夜、厨房には大量の野菜とスパイスが用意されていた。
「カレーは時間と火加減の管理だ。戦場と同じ」
包丁を持たされた陸王は戸惑う。
「指揮官が現場を知らないでどうする? スパイスを効率良く混ぜる技術は戦略立案に通じる」
ニンジンを刻むリズムが早くなる。
煮込んでいる間、虎丸は鍋を見つめたまま語りかけた。
「あなたは戦士としての才はある。だが、戦場で迷う癖がある」
ルーがとろみを増すにつれ、陸王の表情は。
「なんというか」
「何ですか?」
「普通に家事だよね」
そう、陸王は、ここまでの修行の内容を思い、呟く。
それに対して、彼女は。
「日常の中に修行ありです。先程までの私の動きを見れば分かると思いますが」
「それはまぁ」
調もまた、苦笑いをしながらも答える。
「何よりも、これからが本当の修行です。あのスーパーで」
それと共に見つめた先には。
「俺こそはぁノーワンワールド・節約No.1!俺の節約を邪魔する気ならぁ、容赦はぁしないぃ!」
「ノーワンかぁ」