ナンバーワン戦隊ゴジュウジャーVS戦姫絶唱シンフォギア ユニバース大戦   作:ボルメテウスさん

141 / 346
節約ナンバーワンバトル

夕暮れのスーパー駐車場。買い物客で賑わう店内から漏れる蛍光灯の明かりが、陸王たち一行を照らしていた。虎丸涼は先頭を歩きながら淡々と告げる。

 

「食材調達です。今日の修練は『食費削減による持久力養成』」

 

「待ってくれ……この状況で、それを言うのかい?」

 

陸王が眉をひそめた。

 

それは店内から悲鳴が響いている光景から。

 

「泥棒ー!」

 

「袋詰め放題コーナーが荒らされてるぞ!」

 

三人が駆けつけると、棚の特売品が積み上げられた中央テーブルの上で一人で高笑いをしているノーワンを改めて見る。

 

「俺こそはァ! 節約ノーワン! ノーワンワールド・節約ナンバーワンだァ!」

 

陸王は思わず頭を抱えた。

 

節約ノーワンはキャベツを床に投げ捨てると指を突きつけた。

 

「そこのアンタたち! 誰が一番節約できるか勝負しなァ! 承諾せねば店中の商品を消費税還元セールにしてしまうぞォ!」

 

「承諾するわけないでしょう」

 

虎丸が一歩前に出る。

 

「虎丸さん?」「危険ですよ!」

 

調と切歌が制止しようとするが、彼女は振り向きもせずレジ袋を両手に提げた。

 

「節約バトルの舞台は日常にある。掃除機なんて贅沢品に頼るくらいなら……」

 

サッと懐から取り出したのは竹製の箒だった。柄の先端に革紐で括られた百円ショップのメモ帳が揺れている。表紙には『日々の節約術』と毛筆で書かれていた。

 

「『雑巾の再利用は限界を迎えたら燃料にする』、『水道代ゼロで皿洗いするには雨水タンクを活用』……これ全部試したわ。その中でいちばん効果があったのは……」

 

虎丸が箒を逆手に持ち替え、節約ノーワンの額に軽く突き刺すように伸ばす。

 

「行動力。物事を始める意志よ」

 

ノーワンは。

 

「そんなのは節約ではなく、ただのケチ!」

 

「ケチですって」

 

その一言に、虎丸は我慢ならないのか、箒を持つ力が強まる。

 

「あなたみたいな奴がいるから! 本当の節約は生きる為にある。生きる為に必要な物をいかに抑えるのかが重要なの! そもそもあなたのやっている事はただの窃盗と同じ! 食品の価値を知らないんじゃないの」

 

「価値だって。いいだろう! ならばこのバトルであなたを徹底的に分からせてあげる」

 

それと共に、ノーワンは。

 

「ならば、より分かりやすい形にすれば良いんじゃないかな」

 

「・・・その方法は」

 

「分かりやすい方法は、あれじゃないか」

 

そう、陸王が見せたのは袋詰めコーナー。

 

「・・・袋詰め?」

 

「そうさ、同じレジ袋にどれだけ入れられるのか。節約と言えば当然、安い物を多く買う事! それを試すには」

 

「それであれば、もっと分かりやすい勝負になりますね」

 

調が納得するように言う。

 

「確かに」

 

それと共に野菜コーナーを見つめながら。

 

「ならば、始めようではないか」

 

「グハハッ! この俺様の節約術を見ろォッ!」

 

ノーワンは特売のキャベツを鷲掴みにすると、まるで爆弾を投げ込むかのようにレジ袋へ叩き込んだ。ざっくり割れたキャベツが袋の底で歪み、緑の葉っぱが四方八方に飛び散る。

 

「おいおい! もっと詰めないとダメだろうがァ!」

 

次に彼が選んだのは巨大な玉ねぎだ。皮を剥かないまま直接袋へ押し込み、形を無視して他の野菜の隙間にねじ込んでいく。紫色の皮が擦り切れ、鼻を突く刺激臭が立ち込めた。

 

「これこそが……俺の究極節約術《圧縮詰め込み》だァ!」

 

ノーワンが自慢げに言い放った瞬間、袋の底部から異音が響いた。

 

バリッ!

 

ナイロン素材が悲鳴を上げる。玉ねぎの重量に耐えかねた袋が裂け始めたのだ。

 

対照的に虎丸は動かなかった。彼女はまず棚からそっとミニトマトのパックを一つ手に取り、掌の上で転がすように配置を確認する。一つひとつのトマトを慎重に袋へ滑り込ませていく。

 

(最小の隙間も許さない)

 

「まずは小型野菜で安定性を確保」

 

続いて彼女が選んだのはカリフラワー。茎の部分を丁寧に切り落とし、残った白色の花蕾部分を逆さまに袋へセットする。この形状が意外なほど多くの空間を塞いだ。

 

次々と小さく均一な野菜群―ピーマン、ブロッコリーの芽部分―が袋に収まっていく。それぞれがぴったりと噛み合った様子は、精密なパズルのように美しかった。

 

「節約とは秩序です」

 

ノーワンの袋は今や裂けかけており、中身が次々と床へ零れ落ちていた。一方虎丸の袋は完璧なバランスを保ちながら膨らんでいく。

 

そして決定打となったのは……彼女が袋の最上部に慎重に乗せた一本の長ネギだ。葉先の緑が垂直に立ち上がり、見事な均衡を生み出していた。

 

「私の勝ちです」

 

静寂が訪れた。

 

そうして、参加者の全員が詰め終わると共に。

 

「終了!それでは、結果発表です!」

 

「結果は、野菜の数で判明します」

 

それと共に、何時の間にか司会を務めていた切歌と調が務める。

 

そうして、各々の袋から次々と野菜を取り出していく。

 

「勝者は」「この方です!」

 

そうして、2人が宣言した勝者は。

 

「「陸王さんです!」」

 

「何ぃぃ!!!」「・・・」

 

宣言した勝者に、2人は驚きを隠せなかった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。