ナンバーワン戦隊ゴジュウジャーVS戦姫絶唱シンフォギア ユニバース大戦   作:ボルメテウスさん

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スーパー決闘

夕陽に染まるスーパーの一角で歓声が湧き起こった。陸王の袋からは完璧に整理された野菜群が次々と現れる。トマトは傷一つなく整列し、キャベツの葉は自然な形を保っていた。

 

「なぜだァ!? 私の方が多く詰め込んだはずだ!」

 

ノーワンが血眼で抗議する中、陸王はゆっくりと歩み寄った。指輪から放たれる微かな光が彼の横顔を照らす。

 

「僕のやり方はシンプルさ」

 

袋の中の人参を一つ摘み上げる。土汚れを軽く払う動作さえ優雅だった。

 

「どんな野菜にも個性がある。太い根を持つもの、傷つきやすい皮を持つもの……」

 

彼の目が細められる。

 

「ファンに接するときと同じだ。一人ひとりの好みを知って、彼らが最も輝ける場所へ導く」

 

突然、ノーワンの袋から大根が転がり落ちた。無理な圧力で割れた断面から汁が滲み出している。

 

「お前は粗暴すぎる。無理に押し込めば痛みを生む」

 

陸王が静かに言い放った。

 

「修業も節約も……」

 

袋をそっと床に置く。野菜たちはまるで眠るように静止していた。

 

「相手を愛することから始まる」

 

その言葉が空気を震わせた刹那――

 

「そのような節約!認められるはずが無い!!」

 

すると、節約ノーワンは怒りだした。

 

「節約とはぁ、夢に続くステェップ!私ならば女王様にぃ、ナンバーワンとしてぇ、選ばれるという夢があるからこそぉ、今を耐え忍ぶ事がぁ出来るぅ!その節約を愛するなど、言語道断!」

 

「・・・いいえ、それは違う」

 

それを虎丸が遮る。

 

「節約も修業も好き。確かにその通りです」

 

「虎丸ちゃん」

 

「だから、止めましょう、あのノーワンを」

 

「あぁ、2人も一緒に」

 

「勿論」「デース!」

 

それと共に、陸王と虎丸は各々のセンタイリングを構える。

 

「「エンゲージ!」」『ゴジュウレオン!』『ゲキレンジャー!』

 

陸王達が変身を完了すると共に、構える。

 

「えぇい!アーイー!」

 

節約ノーワンの雄叫びに合わせるように現れたのは、アーイー。

 

アーイーは、その場で現れると共に、その手にある銃を既にゴジュウレオン達に向けていた。

 

「さて、さすがにこの場で銃を使ったら、被害は大きいから」

 

「ならば、スーパーの力を借りるだけ」

 

それと共にゲキレッドが既に走り出していた。

 

そして、その手には何時の間にか獲物を持っていた。

 

「なっ」

 

「ほぁ!」

 

それと共にゲキレッドがその手にある武器で薙ぎ払う。

 

それによって、アーイーは吹き飛ばされる。

 

その武器は。

 

「ごっごぼうだとっ!」

 

節約ノーワンの驚愕した声が辺りに響く。目の前のゲキレッドが構える二本のゴボウ──鮮やかな黄金色の肌には土の香りがまだ残る。

 

「『食は命、だから敬え』っていうのが我が家訓よ」

 

ゲキレッドは不敵に笑いながら柄を握り直す。

 

「それに……この一本一本がね」

 

振り上げた瞬間、ゴボウが稲妻のように閃いた。

 

ザシュッ!

 

アーイーの胸部アーマーが十字に割れ、内部の電子基板が火花を散らす。弾丸ではない。根菜の繊維が摩擦熱で焼け焦げた匂いが立ち込める。

 

「うわぁぁ!」

 

吹き飛ばされたアーイーが陳列棚へ突っ込み、缶詰の山が雪崩のように崩れ落ちた。

 

「こっこれは何だ」

 

その様子に呆気にとられながらも節約ノーワンが呟く。

 

「・・・なるほど、ならばデース!」

 

「切ちゃん」

 

それを見た切歌もまた、周囲にある物を見渡す。

 

その様子を調は呆れて見つめている間にも、その手に取るのは。

 

「えいやっデース!」

 

「なっ」

 

切歌がその手に取ったのはカボチャ。更にはジャガイモなどを片手で2つずつ。

 

それを何処からか出してきた紐で繋げると共に。

 

「ジャガイモホッペと南瓜マントを纏ってお正月デース!」

 

「新年を祝っている場合じゃないわよ」

 

その様子を調が呆れて言う。

 

それと共に調が周りにある物を見渡すと。

 

「ならば」

 

見つけるのは麺棒。

 

「お饅頭屋さんの定番道具。餅つきも出来るしね」

 

そうして、麺棒を振るう。

 

それによって、アーイー達を打ち払っていく。

 

「ぐぬぬぬっ、このようなので!」

 

「さて、最期の仕上げだね」

 

ゴジュウレオンが節約ノーワンとの近接戦闘に入る。節約ノーワンと格闘戦に入る。ゴジュウレオンは周囲の物を利用して、節約ノーワンを追い詰める。その時のゴジュウレオンはまるで拳法使いのように戦う。

 

「来なさいッ! 私の節約拳法を見せてくれるッ!」

 

節約ノーワンが特売コーナーから拾った巨大な醤油ビンを槍のように構えて突進する。硝子が風を切る音が凶悪に響く。

 

ゴジュウレオンは軽やかに身を翻す。まるで店内に敷かれた赤い絨毯の上を舞うように。

 

「へぇ……なかなか威勢がいいじゃん」

 

避けた直後、彼の視線が動く──陳列棚の端っこに鎮座する四角い立方体が目に留まった。豆腐だ。

 

「これが次の稽古台か」

 

片手で箱を掴むと同時に節約ノーワンが追撃。醤油ビンの尖った先端がゴジュウレオンの喉元へ一直線!

 

「『柔らか受け流し』!」

 

ゴジュウレオンは箱豆腐を盾にする。ガラスの先端が豆腐の表面に吸い込まれる!

 

プチュッ……

 

硝子と液体が交わる異質な音。醤油ビンの先端が豆腐に埋没し、内部の固形物が柔軟に衝撃を吸収。節約ノーワンの剛拳は豆腐という天然クッションに阻まれた形となった。

 

「なッ!? こ、この豆腐が……!?」

 

「食材こそ最高の教師だよ」

 

ゴジュウレオンが箱ごと豆腐を蹴り上げる。空高く舞い上がった豆腐が天井から落下するコンマ数秒後──

 

「『飛燕落葉』!」

 

落下してきた豆腐を空中でキャッチ。そのまま節約ノーワンの顔面へフルスイング!!

 

ベシャアッ!!

 

醤油と豆腐片が華麗に飛散。白い固形物が覆われたノーワンの顔が「???」と困惑する。

 

「まだだね! 次の段階へ行こうか!」

 

ゴジュウレオンが近くの乾物コーナーへ踏み込む。戸棚を開けると──

 

バラララララララッ!!

 

「ピーナッツぅ!?」

 

豆の雨が降り注ぐ。ゴジュウレオンは空中でピーナッツの粒を幾つか捕らえ、拳を握りこんだ。

 

「これが本当の『弾丸節約』さ」

 

シュッ!

 

目にも止まらぬ高速パンチ。だが放たれたのは実弾ではない。超高速で放り出されたピーナッツの一群が嵐のように節約ノーワンを直撃!

 

カチッ! カチッ! カチッ!

 

無数の豆がボディアーマーを叩く乾いた音が連続する。しかも一つ一つのヒットポイントが分散しているため全体像としては相当な打撃量。

 

「痛っ!? ぐへぇっ!?」

 

節約ノーワンはその場で悶絶。ゴジュウレオンはトドメとばかりに一歩踏み込むと──

 

「これでフィナーレだ!」

 

ゴジュウレオンの右拳が天へ掲げられる。その瞬間、センタイリングが蒼く輝きだした。光が奔流となって拳へ集束していく。

 

「蒼き咆哮よ……我が拳に宿れ!」

 

低く抑えた声がスーパーの喧騒を貫く。集められた光はやがて巨大な鬣を持つ青い巨獣の幻影──ラオイオンへと具現化した。獅子の王が唸り声一つ上げることもなく、その巨大な顎が虚空へ浮かび上がる。

 

「な、何だこの光は……!?」

 

節約ノーワンが怯んで後ずさるも、ゴジュウレオンの瞳は既に決着を見据えていた。左足が床を蹴る。閃光と化したレオンが跳躍した。空中で回転しながら右拳を腰元まで引き絞る。

 

「轟け!『蒼咆咆弾』!!」

 

ゴジュウレオンの渾身の一撃が放たれた。その拳先から解き放たれたラオイオンの幻影が唸りを上げて驀進する。雄々しい爪痕を帯びた疾風が陳列棚の間を縫うように猛進し、ついに節約ノーワンの眼前で炸裂。

 

「ぐわああああっ!!」

 

ラオイオンの巨大な牙が一瞬だけ節約ノーワンの全身を飲み込むように噛み付き、そして――爆ぜた。蒼光が波紋となって広がり、衝撃波が店内を蹂躙する。吹き飛ばされたノーワンの装甲が粉々に砕け散り、その身体が陳列棚の最上段へ叩きつけられ静止した。

 

「節約ノーワン……敗北確認」

 

虎丸が淡々と宣告する。一方でゴジュウレオンは静かに拳を下ろし、爆風で乱れた髪を軽く整えた。その顔には微笑み。勝利の余韻よりも清々しさを湛えた笑みだった。

 

「まったく……食料品売り場で暴れるなんて、僕なら舞台にしちゃうんだけどなぁ」

 

その言葉を聞いた切歌が飛び上がって抗議する。

 

「もぉ~っ! デスが舞台だったらキャベツに土足で乗らないデスよ~!」

 

「まあまあ……」

 

調が苦笑しながら仲裁に入る。背後の宙に残る蒼い光の残滓が戦いの激しさを物語っていた。

 

(修業は終わりじゃない。だけど……今日の節約バトルは合格点かな?)

 

ゴジュウレオンの指輪がふと瞬き、センタイリングが青い粒子を纏いながら宙を舞う。それはまるで祝祭の終わりに吹き抜ける風のように爽やかで――どこか誇らしい。

 

すると、ゲキレッドは、虎丸は。

 

「・・・陸王さん」

 

「んっ、なんだい?」

 

すると、彼女はその手にあるゲキレンジャーのセンタイリングを投げ渡す。

 

「これは一体」

 

「・・・正々堂々に拘っていた。けれど、教えるつもりが教えてくれました」

 

「僕がかい?」

 

「好きだという気持ち。私は武術が好きなのを思い出しました。そして、それは修業もそうです。そして、それは全て。あなたのお陰です」

 

「そっか」

 

その言葉に陸王は嬉しそうに笑う。

 

「僕も修業で、分かったよ。自分が好きな事を、そして」

 

それと共に陸王は。

 

「僕自身もやるべき事を」

 

自分の手で決着をつけるべき事。

 

「好きと憧れを教えてくれたあの人を止める為に」




尚、戦闘に使われた食べ物は、調が料理して、全員で食べました。
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