ナンバーワン戦隊ゴジュウジャーVS戦姫絶唱シンフォギア ユニバース大戦 作:ボルメテウスさん
負傷したゴーレッド。
彼は病院の集中治療室に運び込まれた。幸い命に別状はないものの、重度の熱傷と骨損傷により全治数ヶ月の見通しだった。
夜の病院廊下。
竜儀は窓際に立ち、夜景を見つめていた。ふと視線を感じ振り返る。
そこには厳格な表情の男が立っていた。
「久しいな、竜儀」
「父上……」
暴神竜登。世界有数の外科医にして暴神家当主である。
「患者の付き添いか。相変わらず物好きだな」
「私の勝手でしょう。用件は何ですか?」
竜儀の声は冷ややかだった。しかし竜登は意に介さず続ける。
「家の連中が騒いでいるぞ。後継者問題で揉めているそうだ」
「私には関係ありません。帰って頂けますか?」
「いつまでその道化芝居を続けるつもりだ?お前は暴神家の嫡男だぞ」
その言葉に竜儀の瞳が鋭くなる。
「私の身は既にテガソード様に捧げている、あなたの所有物ではありません」
竜登は鼻で笑った。
「ふん……くだらない戯言を。お前がどれだけ偽善を重ねようと、血は変えられない」
「……っ」
竜儀の拳が微かに震える。
「その弱さが命取りになるぞ。今一度考え直せ」
薄明かりの病室で、ゴーレッドこと急場一命がゆっくりと瞼を開いた。
「……ここは?」
掠れた声が静寂を破る。見慣れぬ天井と消毒液の匂い。
その近くには竜儀と弦十郎。
2人がいた。
「お目覚めになりましたか。怪我の具合は如何です?」
「あんたが……俺を助けてくれたのか?」
包帯で固められた右腕を動かそうとすると激痛が走る。竜儀は小さく首を振った。
「医師たちは皆様の献身に感謝していましたよ。特にあなたは親子を守るために自ら盾となったとか」
一命の脳裏に爆発の瞬間が蘇る。燃え盛る炎の中、飛び込んできた赤い影──それは紛れもなくこの男だ。
「おっと失礼。私、暴神竜儀と申します」
丁寧に差し出された手に困惑しながらも握手を返す一命。
「急場一命だ……その」
言葉に詰まる彼に竜儀は柔らかく続けた。
「なぜ戦ったのか、そう問いたいのでしょう?」
「……ああ」
「簡単なことです」
竜儀は窓の外に目を移した。夜の帳が落ちた街並みに、微かな灯りが瞬いている。
「誰かが傷つきそうなとき、無視できません。それがたとえ敵同士であろうと」
その瞳には確かな信念が宿っていた。一命の胸に何かが刺さるような感覚が広がる。
「だがな爆神」
突然鋭く響いた声に竜儀は向き直る。
「いつか決着をつけようぜ」
包帯で拘束された右手が微かに震えていた。
「あんたみたいな奴となら全力でぶつかれる気がするんだ」
その真摯な眼差しに竜儀の唇が緩やかに弧を描いた。
「望むところです」
だが彼は立ち上がると悠然と言った。
「とはいえ今日ではない。今はまず傷を癒してください」
そう告げて扉へ向かう背中に一命が問いかけた。
「なんでそんな余裕なんだ?早くリングを奪えばいいじゃねぇか」
竜儀は首を横に振る。
「万全でなければ意味がない。何よりも、そのような事、テガソード様は望まないのだから」
そうした会話を終えると。
「そう言えば、朦朧していたけど、気になる事が」
「・・・なんでしょうか?」
「・・・何やら、親父さんと喧嘩していたように聞こえるが」
「お見苦しい所を聞かせてしまい、申し訳ございません」
それと共に、竜儀はゆっくりと、まるで自分でも溜め込んでいたのを話し始める。