ナンバーワン戦隊ゴジュウジャーVS戦姫絶唱シンフォギア ユニバース大戦 作:ボルメテウスさん
あれから三日。
夕暮れの街角に俺は立っていた。
肩には今日届けるばかりの荷物が載っている。
目的地はもう目の前。古くて少し傾いた木造の建物。遠野家の玄関先だ。
深呼吸ひとつ。インターホンのボタンを押す。
チャイムの音が響くのと同時に、玄関が開いた。
出てきたのは母さんだ
「はいはーい、あら?あなたは……」
母さんは荷物を持つ俺を見て目を丸くした。
「えっと……注文した品ですか?」
「ああ。ここへ届けるように言われて」
差し出したのは宅配用の箱。中身はパン。
そういえばここが父さんお気に入りの店だっけ。
「助かります。ちょうど買いに行く時間なかったんです」
料金を受け取りながら、ふと視線を向けると……。
居間の窓越しに見えた光景に思わず息を呑んだ。
「あの子たち……」
思わず口に出してしまった。
「私達の子供、より正確に言うとその、親戚の子だったんですけど、あの子達の両親は亡くなってしまったの。私達も、子供を2人行方不明になったから、他人事じゃないと思って」
そう言った母さんは俺を隠すようにして玄関前まで誘導した。
「……ご苦労様でした。またお願いしますね」
苦笑いを浮かべながら母さんが去っていく。
その背中に深く礼をして、踵を返そうとした時だった。
「ねえおにいちゃん」
後ろから呼ばれて振り返ると、そこには見知らぬ小さな少年達が立っていた。
きっと噂の子供たちだろう。
「パン屋のおにいちゃんなの?」
男の子の方が目を輝かせて俺を見上げる。
「まあそんなとこだ。今日は届け物だけだけどな」
しゃがみこんで目線を合わせると、二人の表情が柔らかくなる。
「ありがとう!お兄ちゃん!」「私!このパン大好きなんだ!」
「・・・あぁ」
その言葉を聞いて、俺は思わず笑顔になる。
「・・・それでは、また来るな。その時は楽しみにしてな」
「うん!約束!」
立ち上がりながら応える俺の表情は自然と緩んでいた。
(守りたいものが……また増えたな)
遠くで夕陽が沈みかけていた。オレンジ色の空の下で小さく誓う。この温もりを決して壊させないと。
俺の背中を見送る子どもたちの笑顔を思い浮かべながら、足早に帰路についた。
「ふふっ」
背後から聞こえた小さな笑い声に、俺は肩越しに振り返る。
「……やっぱり響か」
ビルの陰から顔を出した立花響が、小走りに近づいてきた。
「見ちゃったよ。吠くんが優しく子供とお話してるところ」
「……見てたのかよ。恥ずかしいじゃねぇか」
照れ隠しに頭を掻きながら目を逸らすと、彼女はにっこり笑って人差し指を立てた。
「それでね!提案があるの!」
「提案?」
「うん!今日の晩御飯は……」
彼女が満面の笑みで両手を広げて言った。
「私と一緒に食べませんか?」
その響の言葉に、俺は。
「・・・良いぜ」
そうしながら、俺は響と一緒に彼女がお勧めだというお好み焼き屋に向かう事にした。