ナンバーワン戦隊ゴジュウジャーVS戦姫絶唱シンフォギア ユニバース大戦 作:ボルメテウスさん
はぁ……と大きな溜息をつく。切歌は頭を抱えたくなる衝動を抑え、喫茶店のテーブルに座った二人の王子を交互に見つめる。
「どうしてここに……こんな時に」
つい口からこぼれた疑問に、アッサムは優雅にカップを持ち上げた。
「当然だろう? 戦士たるもの休息は必要だ」
彼の紅茶は湯気を立て、陶磁器の縁が朝日に照らされている。
「……今はそんなこと言ってる場合じゃないですよ」
暴神もカップを置きながら鋭く言う。その目は真剣だが、どこか諦めの色も滲んでいる。
「自称王子殿下、そろそろ教えてもらいたいことがある」
切歌の頭の中は混乱している。
問い詰めたくても言葉が出ない。喉の奥が熱くなっていく。
「ふむ、余自身もまた混乱はしているからな」
アッサムの笑みがやけに清々しい。
「実はな……」
アッサムは静かに語り始めた。指輪を握る手に微かな力が入るのがわかる。
「余もまたこの『指輪』の争奪戦に参戦していた」
「家臣4人と対峙してな」
その言葉に切歌の目が見開かれる。暴神も思わず眉をひそめた。
「なるほど……」
暴神がゆっくりとうなずく。その声には深い共感と、わずかな同情が混ざっている。
「私たちと同じか」
アッサムがうなずく。
「そうだ。彼らもまた、余と同じように自身の願いの為に戦っていた」
「そこもまた似た感じか」
「ならば、吠さんもいたんですか?」
すると、アッサムは首を傾げる。
「それは一体、誰の事だ?」
「えっゴジュウウルフの吠さんデス!」
「・・・ふむ、余の知るゴジュウウルフとは全く違う名だ」
「デデース!それは一体」
困惑する切歌達。
それと共に、ドアが開かれる。
「・・・ふむ、気配を感じて来て見たら、なるほど厄介な事になっているな」「なっているクマ!」
「熊手さん?何か知っているんデスか?」
そこには、事情を知っていると思われる熊手がその姿を現す。
「やはり現れたか……この世界の"歪み"を感じてな」
熊手が入口に立つ。その眼光は普段以上に鋭く、室内に緊張感が走った。
「熊手さん?その"歪み"というのは」
切歌が恐る恐る尋ねると、熊手は静かに歩み寄りながら口を開いた。
「お前達が体験している現象……その原因は"ギャラルホルン"と呼ばれる完全聖遺物の影響だ」
「ギャラルホルン?」
「聞いたことない名前デス……」
切歌と暴神が同時に顔を見合わせる。熊手はゆっくりと説明を続けた。
「こちらの世界からこぼれた可能性が生んだ並行世界と、こちらの世界とを繋げる特性をもつ。並行世界側で異変が生じたときのみ発動し、完全聖遺物でありながら一切の制御も干渉も受け付けない代物だ」
「・・・ふむ、それはつまり、このアッサムというのは、その平行世界からこの世界に来たという訳ですか?」
「なるほど、道理で見覚えのない光景だった訳だ」
「いや、混乱しないのデスか!?」
「余にとっては、指輪を集め、惑星アッサムに戻るのが最優先だからな」
「さて……」
アッサムは静かにカップを置いた。その手つきには余裕さえ感じられる。
「どちらにしても、そのギャラルホルンが反応する事なんて」
「・・・厄災だろうな」
そう、ギャラルホルンの発動した原因。
それは、間違いなく厄災だろう。
そう思った時だった。
「・・・どうやら、早速出てきたようだな」
熊手の言葉と共に、彼らはまた、その目的地に向かって、走り出す。