ナンバーワン戦隊ゴジュウジャーVS戦姫絶唱シンフォギア ユニバース大戦 作:ボルメテウスさん
硝煙と灰が舞い散る戦場跡。崩落した高層ビルの残骸が夕陽に照らされ、二人の影が長く伸びる。
「さて」
最初に口を開いたのはアッサムだった。オーレッドから変身解除された金色の装甲を脱ぎ捨て、青い貴族服に戻りながら嗤う。
「共闘はここまでだな」
暴神もゴジュウティラノから元の姿に戻りつつ、険しい表情で相手を見据える。
「分かっていたことだ」
風が二人の間を吹き抜けた。さっきまでの連携が嘘のように、空気が張り詰める。
「同じゴジュウティラノでも」
アッサムの指でセンタイリングが夕陽を反射する。
「余は惑星アッサミカの王位を取り戻すため」
指輪がさらに強く輝き、彼の周りに淡いオーラが漂い始めた。
「私は」
暴神もまた指輪を握りしめる。
「テガソード様の為に」
その瞬間、二人の間で不可視の壁が生まれた。
二人の戦いがまさに始まろうとした時。
「お前らっすぐに離れろ!」
「えっ」「なにっ」
灰燼が舞い上がる。崩れかけた廃墟の中から、黒い霧のようなものが立ち昇った。
「……グゥゥゥ」
スラオーの残骸が蠢く。粉々になった骨格が糸で引かれるように繋がり始め、漆黒の怨念が渦を巻く。
「まずいっ!」
暴神が叫ぶより早く、黒霧がアッサムへと襲いかかった。
「なにっ!?」
アッサムの足元から怨念が絡みつく。彼の優雅な姿勢が崩れ、青い衣装が漆黒に侵食されていく。
「ぐあああっ!? この……力は……!」
彼の身体が痙攣し、瞳孔が収縮する。額に脂汗が浮かび、呼吸が荒くなる。
「アッサム!」
熊手が駆け寄ろうとした瞬間──
バンッ!
暴神の顔を掠めて黒い衝撃波が走った。
「余は……!」
声は確かにアッサムのものだった。だがその響きは金属のように冷たい。
「余が……勝つのだ……!」
風が止んだ。そこには変貌したアッサムがゴジュウティラノへと変身し、立っていた。
外見はほとんど変わっていない。だがその胸部には禍々しい赤いX字が刻まれ、首元には白いスカーフが血痕のように染まっている。
「……これは」
切歌が震える声で呟く。熊手の頬に冷や汗が伝う。
「厄災にゴジュウジャーの力が奪われたっ」
「待てっ!」
切歌の叫びが虚しく響く。
ゴジュウティラノは、瓦礫を蹴散らして走り去っていく。
その赤いX字の胸当てが不吉に光っていた。
「クソッ」
熊手が歯軋りする。
「奴は厄災に飲み込まれた! 一刻も早く止めるぞ!」
暴神が真っ先に飛び出し、その後を切歌と熊手が追う。廃墟の谷間を駆け抜ける。
だからこそ、その時に誰も気付かなかった。
これが、すぐに始まる戦いに。