ナンバーワン戦隊ゴジュウジャーVS戦姫絶唱シンフォギア ユニバース大戦   作:ボルメテウスさん

176 / 346
探し人

人通りの多いメインストリートを、百夜陸王は落ち着きなく行き来していた。サングラス越しにもその瞳は鋭く光り、周囲の人混みを逐一確認している。いつもの華やかなアイドルスマイルは消え失せ、額には薄く汗が滲む。

 

「見つけなければ……絶対に」

 

呟きは通行人の喧騒に飲まれる。彼が探し求めるのは、かつて彼の人生を決定づけた存在。突如姿を消し敵として現れた彼を、陸王は毎日こうして街を彷徨っていた。テレビカメラの前に立つカリスマ的アイドルの姿とは程遠い、必死の形相だった。

 

「あの~」

 

突然、明るい声がかかった。振り返った先に立っていたのは、鮮やかなショートヘアに太陽のような笑顔を浮かべた少女――立花響だった。彼女の目はまっすぐ陸王を捉えていた。

 

「なんかすごい探し回ってる感じだったけど、どうしたんですか? スマホとか落としたとか?」

 

陸王の口元がわずかに引き締まった。次の瞬間には完璧な微笑みが浮かぶ。

 

「おやおや~! もしかして僕のファンかい?」

 

彼はわざと大げさな動作で胸に手を当て、声色まで一オクターブ上げる。

 

「残念ながら探し物というのはね~♪ この都会という名の大舞台で逃げ水のように姿を消した……そうだな~運命の女神と呼ぼうかな? 彼女は僕の情熱にだけ応えてくれる気がしてね!」

 

両手を大きく広げてみせる。

 

響は思わず首をかしげた。

 

「あははぁ、なんというか、陸王さんは相変わらずですね」

 

「いやぁ、まいったね、響ちゃんったら相変わらずノリ悪いよ~☆ でもそこが可愛いよねぇ~」

 

陸王は響から離れようとするようにふらっと身体を逸らすが、すぐに向き直る。その動きには確固とした意志が宿っていた。

 

「そんなことよりねぇ……遠野吠君とは上手くやってるのかい?」

 

急な問いに響の頬がぱっと赤くなった。

 

「え、えええ!? そんなんじゃないですよ! ただ一緒に戦ってたりするだけで!」

 

陸王は満足そうに小さく頷く。

 

「へぇ~照れちゃって可愛いね~、もうちょっと彼との距離が縮まってもいいかもね~? なんてね!」

 

彼の中で響と吠の関係は“面白そうなカップル”として認識されていた。ライバルへの嫉妬心など欠片もない。むしろ二人が互いを信頼し支え合う様は見ていて爽快であった。しかし同時に焦燥感もある。

 

(やはり……自分自身に素直になれない俺と違って、彼女は真っ直ぐだな……だからこそ、吠君とも良好な関係を作れるんだろうな)

 

「さてと、僕も忙しいんでね、運命の女神を探しに戻らないと!」

 

軽やかなステップで踵を返し去ろうとする背中に向けて、響が叫ぶ。

 

「待ってください! 力になれることがあったらいつでも言ってくださいね!」

 

陸王は立ち止まり、肩越しにウィンクをひとつ飛ばした。

 

「あぁ、その時は「なるほど、そんな協力者がいるのか」っ」

 

突然、聞こえた声。

 

すぐに、陸王と響が見つめた先に立っていたのは、玲だった。

 

「玲さんっ」

 

「そっちも探していたようだけど、俺も探していたんだよね」

 

同時に取りだしたのは指輪。

 

それを見た2人は眼を見開いた。

 

「まさかっ」

 

「エンゲージ」『マジレンジャー』

 

それと共に、そこに現れたのは赤い西洋な重厚な鎧を身に纏い、手には剣と盾を持つ戦士、ウルザードファイヤーへと変身していた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。