ナンバーワン戦隊ゴジュウジャーVS戦姫絶唱シンフォギア ユニバース大戦 作:ボルメテウスさん
人通りの多いメインストリートを、百夜陸王は落ち着きなく行き来していた。サングラス越しにもその瞳は鋭く光り、周囲の人混みを逐一確認している。いつもの華やかなアイドルスマイルは消え失せ、額には薄く汗が滲む。
「見つけなければ……絶対に」
呟きは通行人の喧騒に飲まれる。彼が探し求めるのは、かつて彼の人生を決定づけた存在。突如姿を消し敵として現れた彼を、陸王は毎日こうして街を彷徨っていた。テレビカメラの前に立つカリスマ的アイドルの姿とは程遠い、必死の形相だった。
「あの~」
突然、明るい声がかかった。振り返った先に立っていたのは、鮮やかなショートヘアに太陽のような笑顔を浮かべた少女――立花響だった。彼女の目はまっすぐ陸王を捉えていた。
「なんかすごい探し回ってる感じだったけど、どうしたんですか? スマホとか落としたとか?」
陸王の口元がわずかに引き締まった。次の瞬間には完璧な微笑みが浮かぶ。
「おやおや~! もしかして僕のファンかい?」
彼はわざと大げさな動作で胸に手を当て、声色まで一オクターブ上げる。
「残念ながら探し物というのはね~♪ この都会という名の大舞台で逃げ水のように姿を消した……そうだな~運命の女神と呼ぼうかな? 彼女は僕の情熱にだけ応えてくれる気がしてね!」
両手を大きく広げてみせる。
響は思わず首をかしげた。
「あははぁ、なんというか、陸王さんは相変わらずですね」
「いやぁ、まいったね、響ちゃんったら相変わらずノリ悪いよ~☆ でもそこが可愛いよねぇ~」
陸王は響から離れようとするようにふらっと身体を逸らすが、すぐに向き直る。その動きには確固とした意志が宿っていた。
「そんなことよりねぇ……遠野吠君とは上手くやってるのかい?」
急な問いに響の頬がぱっと赤くなった。
「え、えええ!? そんなんじゃないですよ! ただ一緒に戦ってたりするだけで!」
陸王は満足そうに小さく頷く。
「へぇ~照れちゃって可愛いね~、もうちょっと彼との距離が縮まってもいいかもね~? なんてね!」
彼の中で響と吠の関係は“面白そうなカップル”として認識されていた。ライバルへの嫉妬心など欠片もない。むしろ二人が互いを信頼し支え合う様は見ていて爽快であった。しかし同時に焦燥感もある。
(やはり……自分自身に素直になれない俺と違って、彼女は真っ直ぐだな……だからこそ、吠君とも良好な関係を作れるんだろうな)
「さてと、僕も忙しいんでね、運命の女神を探しに戻らないと!」
軽やかなステップで踵を返し去ろうとする背中に向けて、響が叫ぶ。
「待ってください! 力になれることがあったらいつでも言ってくださいね!」
陸王は立ち止まり、肩越しにウィンクをひとつ飛ばした。
「あぁ、その時は「なるほど、そんな協力者がいるのか」っ」
突然、聞こえた声。
すぐに、陸王と響が見つめた先に立っていたのは、玲だった。
「玲さんっ」
「そっちも探していたようだけど、俺も探していたんだよね」
同時に取りだしたのは指輪。
それを見た2人は眼を見開いた。
「まさかっ」
「エンゲージ」『マジレンジャー』
それと共に、そこに現れたのは赤い西洋な重厚な鎧を身に纏い、手には剣と盾を持つ戦士、ウルザードファイヤーへと変身していた。