ナンバーワン戦隊ゴジュウジャーVS戦姫絶唱シンフォギア ユニバース大戦 作:ボルメテウスさん
「おいおい、あまりこっちを無視しないでくれよなっ!」
それと共に玲は、その右腕のテガジューンを陸王達に銃口を向けて、引き金を
引いた。
途端に放たれたのは紫色の光弾であり、それが陸王と響を襲いかかる。
それを感じた陸王はすぐにレオンバスター50を手に、構える。
テガジューンとレオンバスター50。互いの銃による銃撃戦を行いながら接近する。玲のウルザードファイヤーが放つ紫電の如き弾幕と、陸王のレオンバスター50が織り成す黄金の光条が空中で激しく衝突する。廃坑内の古びた鉄柱が爆音とともに粉砕され、崩れた岩壁から砂塵が噴き上がった。
「玲さんっなんでこんな事を!?」
響の悲痛な叫びが硝煙の中に響く。しかし彼女の問いかけに対する答えは一発の光弾だった。咄嗟に飛び退いた響の眼前で岩石が砕け散る。
「理由なんてどうでもいい。今は……戦うだけだ」
玲の声音はどこまでも平坦で感情を読み取ることができない。まるで人形が言葉を発しているかのような異様さがあった。赤い鎧の下から漏れる呼吸音さえも規則正しく一定である。
一方でレオンバスター50の銃口から絶え間なく放たれるエネルギー弾が玲の周囲に着弾し、その度に炎と煙が立ち込める。しかし肝心の本体には掠りもしていない。ウルザードファイヤーは凄まじいスピードで岩陰から岩陰へと跳躍しながら接近してくる。
(速い……まるで別人の動きだ)
陸王は歯噛みした。かつて共に戦った玲とは比べ物にならない機動力と正確無比な射撃精度。明らかに肉体改造を施されている。
「そこだ!」
陸王が再び引き金を引く。しかし玲は予測済みだったかのように斜め前方へスライディングし、そのまま片膝立ちの姿勢でテガジューンを構え直す。一瞬の沈黙──次の瞬間、高出力のビームが放射状に拡散しながら陸王を襲った。
「ちぃっ!」
咄嗟に響を庇うように立ち塞がった陸王は左腕の装甲で直撃を受け止める。衝撃で数メートル吹き飛ばされながらも何とか踏みとどまる。装甲表面がひび割れ青白い火花が散った。
「陸王さん!」
「大丈夫だ! 君は下がっていてくれ!」
響を安全圏へ押しやると同時に再びレオンバスター50を構える陸王。だが既に目の前には炎の奔流が迫っていた。ウルザードファイヤーの剣から放たれた巨大な火炎の波が坑道内を飲み込んでいく。
(まずい……避ける隙間がない)
窮地に立たされたその時──
「Balwisyall nescell gungnir tron!」
聞き覚えのある起動聖詠が響き渡った。眩い蒼白の光が地中から噴き上がり、火炎を切り裂きながら立花響の姿へと収束していく。拳に纏われた白銀の篭手が微かに震えながらも炎の壁を正面から受け止める。
「響ちゃん……!」
「私も戦います! 理由がわからないけど玲さんを止めないと!」
シンフォギアを纏った響が力強く言い放つ。両者の間で拮抗する力場が火花を散らし、坑道内に超高熱と超低温の乱流が発生した。
「ふぅん……興味深い」
玲の口元が僅かに歪む。そこには戦闘への純粋な喜びが垣間見えた。そしてその目に映る二人の姿を眺めながら呟く。
「ならば」
それと共に別の指輪を取り出し、装填する。
「エンゲージ」『キュウレンジャー!』
その音声と共にウルザードファイヤーから、ホウオウソルジャーへと姿を変える、
ホウオウソルジャーへと姿を変えた。
その玲の口元が不気味に歪む。変身直後の僅かな静寂の後、彼の姿が忽然と消えた。
「速い!」
響の警戒を促す声が上がる。しかしその時には既に玲が陸王の懐に潜り込んでいた。変身前の数倍の速度で瞬時に距離を詰めた彼の動きは常識を超えていた。
「っ!?」
驚愕する陸王に向かって、玲は宝剣を横薙ぎに振るう。その一撃は風圧だけで地面の岩盤を抉り取った。咄嗟に後方へ跳躍する陸王だったが──
「遅い」
玲はまるで時間を超越したかのように再び陸王の死角へと出現していた。小楯を前方に構えながら体当たりを食らわせる。その衝撃は戦車砲の一撃にも匹敵し、陸王の体が廃坑の壁面へと叩きつけられた。
「がはっ……!?」
壁材が蜘蛛の巣状にひび割れ、粉塵が舞い上がる。受け身を取る暇もなく背中を強打した陸王の視界に星が散った。
「なんて馬鹿げた力とスピード……!」
崩れ落ちる瓦礫の中から喘ぎ声をあげながら立ち上がる陸王。そこへ容赦なく宝剣が振り下ろされる。反射的にレオンバスター50で受け止めたものの、刀身が触れた瞬間に凄まじい熱量が襲ってきた。
「っ熱い!!」
鋼鉄製の銃身が灼熱に晒され、赤熱化しながら溶融を始める。陸王の指先にまで熱が伝わり肉が焼ける痛みを感じた。苦悶の表情を浮かべる彼の視界の端で、玲が今度は小楯を槍のように構えて突進してくるのが見える。
(まずい……避けられないっ!)
回避行動を取る間もなく玲の突撃が腹部に炸裂する。臓腑を圧搾される衝撃で息が詰まる。装甲越しでも伝わる恐るべき質量と速度。その威力に耐えきれず陸王の身体が宙を舞い、廃坑の支柱へ激突した。
「ぐぉ……っ!?」
支柱が根元から折れ曲がり、大地を揺るがす轟音と共に崩落が始まる。砕け散る建材の破片が雨霰となって降り注ぐ中、陸王は霞む意識を奮い起こそうと頭を振った。
「陸王さん! 大丈夫ですか!?」
響の声が響く。
「さて、目的の物はこれとして、実はね、君にも用があるんだ、立花響ちゃん」
「っ」
それと共に響が振り向くと共に、テガジューンの銃口を向けていた。
「エンゲージ」
その言葉と共に。
『ゴジュウウルフ』
響き渡る音声を最後に響の意識は途切れる。