ナンバーワン戦隊ゴジュウジャーVS戦姫絶唱シンフォギア ユニバース大戦   作:ボルメテウスさん

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宿命の敵

コンビニ店内には謎のJPOPが流れている。レジの横に積まれた弁当パックを整理しながら、俺は深いため息を吐いた。

 

「いらっしゃいませー」の声さえ喉の奥へ引っ込みそうな午後三時半。

 

「お? おいっ! あの男じゃねぇか!」

 

突然の大声に振り返ると、入り口付近で赤い燕尾服をまとった大男――ファイアキャンドルが仁王立ちしていた。

 

アーイをも引き連れながらもずかずかと入り込む。

 

「出でよ、我らが宿命の好敵手! ゴジュウウルフォオオオッ!!」

 

レジで客が怪訝そうに眉をひそめる。カップ麺売り場にいたサラリーマンがスマホのカメラを向け始めた。

 

(……勘弁してくれ)

 

俺は叫びたくなる衝動を堪えた。

 

「ゴジュウウルフ!俺様と勝負しろ!」

 

「・・・断る」

 

「あぁなんでだぁ!」

 

俺の言葉に対して、ファイアキャンドルは勿論の事、周りにいるアーイ達も何やら騒いでいる。

 

「今、俺はバイト中だ、てめぇらに構っている程、暇じゃねぇんだよ」

 

「なんだとぉ」

 

その言葉に対して、ファイアキャンドルはこちらを睨んでいる。

 

(ちくしょう……こいつは本当に面倒なヤツだ)

 

俺は心の中で毒づきながらも、客の対応に戻ろうとした。こんなところで戦闘なんてされたら、店ごと吹っ飛ぶどころか俺のバイト代がパーだ。

 

「くそっ……!逃げるのか卑怯者め!」

 

ファイアキャンドルが床を踏みならす。その振動で陳列棚のお菓子が数個落ちた。

 

(まずいな……このままじゃマジで暴れ出す……)

 

俺は意を決して振り返った。

 

「逃げてんじゃねえ。今は……このバイトの方が大事なんだ」

 

「なっ……?!」

 

ファイアキャンドルの顔が歪む。アーイたちがざわついた。

 

「お前と遊んでたら時給が減る!そんな時間はねえんだよ!」

 

俺は声を張り上げた。

 

「それに……今の俺の『ナンバーワン』は戦闘じゃなくて……売上ノルマなんだよ!」

 

するとファイアキャンドルの目がキラリと光った。

 

「な……なるほど……!」

 

奴は急に納得したように頷いた。燕尾服の胸ポケットから何かを取り出す。

 

(まさか武器を?!)

 

「ならば……これで決着をつけよう!」

 

取り出したのは……タイムカードだった。

 

「俺様もアルバイトとして潜入した!今月の販売成績で勝負だ!」

 

店内が凍りついた。

 

「は?」

 

俺の思考が停止する。ファイアキャンドルは得意げにレジを指差す。

 

「どちらがより多くの商品を売り捌くか……これが本当のナンバーワン戦闘だ!」

 

俺はその言葉に対して、呆れながらも。

 

「良いだろう!見せてやるぜ!バイトナンバーワンの実力を!」

 

『えっ』

 

俺以外の奴らが驚きの声を出しているが、どうでも良い。

 

店長の悲鳴にも似た了解を得て(正確には脅迫)、俺とファイアキャンドルはそれぞれ別のレジを担当することになった。

 

「いらっしゃいませー」

 

俺は低い声で呟く。愛想笑いなんてしない。だってこの程度の接客、本気出すまでもない。

 

一方、隣のレジでは。

 

「オラァ!買ってけ!これは貴様らへの褒美だ!」

 

ファイアキャンドルがスナック菓子を投げつけている。客は蜘蛛の子散らすように逃げていく。

 

(……ダメだこりゃ)

 

時計の針が進む音だけが響く店内。レジ前の客はゼロ。遠くから聞こえる救急車のサイレンの方が大きく感じる。

 

俺の横ではファイアキャンドルが退屈そうに欠伸をしている。

 

「おいゴジュウウルフ!なぜ誰も買わないのだ!この俺様の威厳が怖気づかせるのか?!」

 

「威厳じゃなくて恐怖を感じてるんだよ……って言うか」

 

俺は冷蔵ケースを見回す。

 

「第一、てめぇ、なんでいきなりこんな勝負を仕掛けてきたんだ」

 

俺はそうしながらも、ファイアキャンドルを睨む。

 

以前から、勝負を仕掛ける事があったが、こんな急にはなかったはず。

 

「てめぇとの決着の為でもあるが、何よりも今の俺様達にはゴジュウウルフ、お前達の指輪が必要なんだよ」

 

「はぁ?なんでだ?」

 

その言葉に俺は思わず聞き返してしまう。

 

「てめぇも知っているはずだ、厄災を」

 

「あぁ、この前、ぶっ潰した」

 

「その厄災が復活する。だからこそ、女王はさらなる力を手に入れる為にテガソードと最も繋がりのあるてめぇらの指輪を欲した。だからこそ、俺様が一番乗りで手に入れるつもりだ」

 

そうして、ファイアキャンドルは。

 

「それに最近になって、分かった事があるんだよ」

 

「分かった事?」

 

「裏切り者の存在がな」

 

「はぁ、裏切りって一体」

 

そんな事を言っていると、コンビニのドアが吹き飛ばされる。

 

その方向を見ると、そこにいたのは。

 

「クオンっ」

 

そこにはクオンが立っていた。

 

その事に驚きつつも、俺はこの情況はマズイと感じた。

 

この狭い店内、クオンの奴とファイアキャンドルを両方を相手するのはマズイ。

 

俺が、そう考えていると共に、ファイアキャンドルの奴は既に武器を構えていた。

 

「てめぇ!」

 

「おっと、ファイアキャンドル、いきなりどうしたんだ?」

 

「どうしたもこうしたもあるか!てめぇ、俺達を裏切って厄災と手を組みやがった事はもう調べがついているだよ!」

 

「なんだって!?」

 

その言葉に俺もまたクオンを睨む。

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