ナンバーワン戦隊ゴジュウジャーVS戦姫絶唱シンフォギア ユニバース大戦 作:ボルメテウスさん
「ふん……愚か者が」
灰色の瞳の男——ゴジュウレオンの姿をした偽物が、冷たい声でそう吐き捨てた。
「出てこい」
奴が短く命じる。その途端だった。
ズン……ズン……!
地鳴りのような重い足音が周囲一帯から湧き上がり始めた。音の出所を探ろうとする暇も与えられず、建物の影や瓦礫の山の向こうから、無数の黒い影が這い出してくる。
厄災の戦闘員だ。
十人や二十人じゃない。五十……百……いや、もっとだ。まるで地面そのものが生き物にでもなったかのように蠢きながら、黒い津波となって押し寄せてくる。
そいつらは、一貫性はなく様々なセンタイスーツを身に纏っており、センタイリングが宙を舞っているのが分かる。まるでガラクタ箱の中身が歩いているかのように不気味で、それでいて整然と軍隊式の行進を刻んでいる。腰に提げた剣の柄に添えられた指さえも正確無比な角度を保っていた。一切の曇りもない、あまりにも完成された『兵士』。
奴が片手を水平に挙げた瞬間、戦闘員の進行がピタリと止まった。
「目標を排除せよ」
凛とした号令が響き渡る。
「舐めんなああああああ!!」
俺の咆哮が戦闘員の静寂を切り裂いた。
「お前らに用はねぇ! どけぇえええ!」
右腕のワイルドウルフカリバー50を地面に叩きつける。爆炎と共にアスファルトがめくれ上がり、その破片が前列の戦闘員数体を薙ぎ倒した。
「吠くん! 左から行くぞ!」
陸王の声。レオンバスター50の銃口が火を噴き、俺とは反対側の戦闘員に横殴りの雨を降らせる。
「俺の相手はてめぇだ! !」
暴神が吠えながらティラノハンマー50を振りかぶり、戦闘員の群れに特攻を仕掛ける。巨漢が弾丸のように突っ込み、数十人がまとめて吹き飛ばされた。
「こっちも忘れんじゃねぇぞ!」
上空から禽次郎爺さんの声。イーグルシューター50から放たれた光の矢が正確に隊列の継ぎ目を射抜き、混乱を誘う。
「私達も続くわよ!」
角乃がユニコーンドリル50を唸らせながら前方の戦闘員の壁に穴を開ける。機動力が半端ねぇ。
「ふんっ!」
紅蓮の炎が隣で渦巻いた。ファイヤキャンドルだ。奴もまた戦闘員を蹴散らしながら俺たちの近くに滑り込んでくる。
「ゴジュウウルフ! てめぇとの決着は一旦預けるぞ! コイツらが邪魔だ!」
「へっ! 口が悪ぃな!」
お互いに顎を打つように言い合いながらも背中合わせになる。背後の熱気は頼もしい。
「切ちゃん! 調ちゃん!」
陸王が叫ぶ。二人が頷き、シンフォギアを纏ったまま戦闘員の中央に斬り込んだ。
「でぇぇす!」
切歌のブレードが旋回し、回転斬りで扇状に敵を両断。
「私も助けたい!!」
調のバトン型の刃が幾重もの真空波を生み出し、戦闘員の盾と鎧を紙細工のように切り裂く。
物量とは言えど、この密度の連続攻撃。徐々に戦闘員が削れていくのが見える。
「吠くん!」
陸王が振り向いた。
「このまま敵本体を叩かないとキリがない! 一気に行くぞ!」
「ああ!」
俺は残る数人の戦闘員を纏めて蹴り飛ばし、先頭へ飛び出す。戦いは始まったばかりだ。だが、俺たち五人なら——いや、8人いればどんな嵐だって正面突破できる。
「吠ぇぇええ!」
背後で響の声が聞こえた気がした。そうだ、お前も一緒に帰るんだ。
「だから——止まってられるかよおおお!」
俺の叫びは銃声と爆炎に溶けていく。次の標的は戦闘員ではなく——
「 響を返せぇええ!!」
それと共にリョウテガソードを構える。
だが。
「それが、厄介な代物だと、分かっている!」
リョウテガソードの銀色の刀身が宙を舞った。俺の右手から放たれた最後の希望が、まるで嘲笑うかのようにクルクルと回転しながら空中を滑っていく。
「……っ!」
思わず呻いた。あの剣がなければ変身能力は格段に低下する。そして何より……あの剣にはテガソードとリンクした“何か”がある気がする。
戦闘員の間を縫うように放たれた玲の指示の一撃。俺たちが予測できない死角から撃ち込まれたエネルギー弾が俺の腕をかすめ、リョウテガソードを弾き飛ばしたんだ。
「吠くん!? 大丈夫かっ!」
陸王が俺の傍に滑り込んでくる。その顔に明らかな動揺が走っていた。他のゴジュウジャーたちも攻撃の手を緩めず戦闘員と応戦しているが、明らかに意識が俺と剣の方へ向けられている。
「剣を……探せ!」
暴神が吼える。彼は戦闘員の大盾を叩き壊しながら叫ぶが、その声も遠く響く戦闘音に吸い込まれていく。
リョウテガソードは遥か向こうのコンクリートの塊に突き刺さっていた。ここから全力で走っても数秒はかかる。その間に俺は丸裸同然だ。
「くそっ……!」
そう、考えている時。
「諦めない」
その一言。
見つめた先、そこには未来がいた。
「未来、何時の間に」
「私も響を救いたいからっ。だから」
その言葉と同時に未来の言葉に反応するようにリョウテガソードが輝く。
それを見た俺は、叫ぶ。
「使え!」
俺の言葉を聞くと共に、未来は。
「エンゲージ!」『最強!頂点!ユニバース!』
鳴り響く音声に合わせるように未来の姿が変わる。
それは、響達が使っていたシンフォギアに似た要素が見られる。
だが、どこか違うというか。
「あれは、神獣鏡!?」
「それも、これってもしかして、エクスドライブデスか?!」