ナンバーワン戦隊ゴジュウジャーVS戦姫絶唱シンフォギア ユニバース大戦   作:ボルメテウスさん

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夢の翼

「禽次郎さん!」

 

地上から響く調の叫びに応えるように、獣神の胸郭が開く。黄金色の鎧に包まれた巨躯が眩い光を迸らせながら、リョウテガソードを鞘から引き抜く。

 

「今、助けるぞ、太志!」

 

禽次郎の咆哮と共に、ゴジュウイーグルがイーグルシューター50を構える。

 

夜霧を裂くように放たれたのは風圧ではなく、空気そのものを凝縮した実体を持った矢。弓弦から放たれた瞬間、その軌道は目に見える渦を巻きながら一直線に俺たちへと飛来する。

 

だが。

 

「ヌゥン!」

 

禽次郎は左腕で大きく弧を描きながら、リョウテガソードを垂直に振るった。

 

ギィィィン!

 

金属音と空気が悲鳴をあげる。矢が軌道を逸らし、暗闇へと消える。同時に二の矢、三の矢が繰り出されるが――

 

「甘い!」

 

再び剣を逆袈裟に振り下ろす。刃が風を喰い千切るような音とともに放たれた矢が次々と爆ぜて霧散する。まるで不可視の障壁に弾かれているかのように。

 

操られている状態の太志のゴジュウイーグルは、そのまま無言でイーグルシューター50での攻撃を繰り返す。

 

それに対して、禽次郎もまた受けながらも攻め続けていた。

 

「もう少しだ!」

 

相変わらず放たれる風の矢。

 

だが、全て捌きつつある。

 

そうしながらも禽次郎は近づいていく。

 

そして遂に。

 

「うおぉおぉぉっ!」

 

一際大きな雄叫び。リョウテガソードを水平に構えた禽次郎が滑空する速度を上げた。刃先が月光を反射し、一条の剣閃となって闇を切り裂く。

 

「――撃ち抜けェ!」

 

ズバァン!!!

 

直後。ゴジュウイーグルの胸部装甲ごと歪ませるほどの衝撃波が炸裂した。

 

「ぐぉっ……!」

 

ゴジュウイーグルの声。風圧で押しやられた体が一瞬ふわりと浮くが、直後に両翼を広げて体勢を立て直す。

 

しかし。

 

「お主の夢の翼は、決してその程度では終わらせない」

 

鳴り響く音声と共に、禽次郎の背中から大きな翼を生やす。

 

『センタイリング!ウイングパンチ』

 

電子音が脳裏で炸裂し、視界の端に鮮やかな赤いシルエット、レッドホークが現れる。

 

獣神の全身が朱色に輝き、幻影が物理干渉を可能にする。風の矢が再び降り注ぐが――禽次郎とレッドホークの翼が相殺。大気を灼く衝撃波で視界が白く染まる。

 

「――今だッ!」

 

二人は同時に拳を振り抜いた。幻影のホークが左、禽次郎が右。二つの拳がゴジュウイーグルの胸甲に命中する。

 

ゴォンッ!!

 

鋼鉄の鐘楼を打ち鳴らしたような轟音。獣神の膂力とホークの加速が一点に集約され、敵機体を貫く。反動で自分たちも仰け反るが、追撃はしない。目的は倒すことではない。

 

「悪夢は終わりだ、太志!」

 

その声と同時にゴジュウイーグルの装甲が粉雪のように崩れ、制服姿の太志が露出した。

 

「ガッ……!」

 

落下が始まる。重力加速度が彼の身体を地表へと引っ張る。

 

「任せろ!」

 

禽次郎は急降下。墜ちる寸前に右手を差し出し――キャッチ。制服姿の太志は意識を失ったまま禽次郎の腕の中に納まった。脈は安定している。

 

「……よくやったな」

 

傍らではレッドホークの幻像が静かに消えながら、禽次郎は太志を優しく抱き抱える。

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