ナンバーワン戦隊ゴジュウジャーVS戦姫絶唱シンフォギア ユニバース大戦   作:ボルメテウスさん

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黄金の拳

厄災の巨体が轟音と共に変形した。頭部の一つ目が極限まで歪み、口元に異様な光芒が収束する。

 

「来るぞ!」

 

テガソードの声と共に俺は全身の制御ギアを最大出力に引き上げた。甲冑に溶け込んだリョウテガソードが金色に脈打ち、装甲全体に眩いエネルギー波が走る。直後――

 

ゴウンッ!!!

 

厄災の口腔から放たれたのは太陽にも似た巨大な赤き火球。ビル群を押し潰すような質量が一直線に襲いかかる。

 

「うおおおぉぉっ!!」

 

爆音と共に火球が命中した。衝撃波が背後の街並みを薙ぎ払い、道路標識や車両を紙屑のように吹き飛ばす。振動が直接神経まで叩きつけられ、コンソールパネルが激しく揺れた。

 

――だが。

 

「効かねぇ!!」

 

視界を埋め尽くしていた紅蓮の炎が急速に収縮していく。リョウテガソードの黄金装甲が放出する高密度の粒子シールドがダメージを全て中和していた。装甲表面に貼りついた火粉が微かに泡立ちながら蒸発していく。

 

「怯むな!!」

 

『もちろんだ! まだまだこれからだ!!』

 

跳躍し、奴の頭上を取った。

 

眼下で厄災が腕のライフルを構える。しかし遅い。

 

「喰らいやがれ!!」

 

右腕の分割されたリョウテガソードが重力加速度に乗せて振り下ろすと、厄災の腕甲を掠める。

 

鋼と鋼がぶつかる音ではなく、空間を裂くような甲高い金属音が連鎖した。厄災のライフル砲身が根本から切断され、空中に放物線を描いて落下する。

 

「まずは一本!!そして、このまま――ぶち抜くッ!!」

 

それと共にもう片方の手にある件で厄災の胴体中央へ突進。しかし奴もただではやられない。残った丸盾をブーメランのように投擃し、弧を描いて俺の背面へ飛来させる。

 

『後ろだ、遠野吠!!』

 

テガソードの警報音が脳を劈く。だが焦らずペダルを踏み込む。全身のリョウテガソード装甲が反転。背部ユニットから逆噴射が炸裂し、身体を180度急旋回させた。真正面には弧を描く盾。――捕らえた。

 

「ハァッ!!」

 

リョウテガソードの刀身を真横に薙ぎ払う。盾は接触の瞬間火花を噴き上げながらも耐久限界を超えた。金属の断末魔が空気を震わせ、破片となって霧散する。

 

「もう無いんだよ!!」

 

勢いそのまま正面に向き直り、再び厄災の喉笛めがけて突っ込む。

 

赤黒い血潮のような瘴気が口から漏れ出す厄災。本能で察知しているのだ。次の一撃を防げなければ全てが終わることを。

 

テガソード内部でコンソールが虹色に明滅し始める。リョウテガソードのエネルギーが臨界点を超えようとしていた。

 

『準備完了だ!吠、合図はお前が決めろ!』

 

テガソードの声に応じ、俺は額から滲む汗を拭った。長時間の戦闘で全身の筋肉が悲鳴を上げている。息が荒い。それでも――

 

「響……?」

 

背後からかすかな温もりを感じた。振り返るとシンフォギアを纏った響がいた。

 

「吠君だけに辛い思いはさせない」

 

彼女の歌声が直接聴覚神経へ流れ込む。彼女の歌唱に呼応して、黄色い光の粒が舞い上り、俺の疲弊した意識を覚醒させていく。

 

「ありがとな……行くぞテガソード!」

 

『ああ!』

 

叫ぶと同時に両肩装甲が開き、黄金の柱が螺旋を描いて射出される。両腕から伸びる刃が拡張変形し、両掌から高密度エネルギーの塊が噴出した。最後に胸部中央。星々の如き燐光が渦巻き、巨大なテガソードの分身を生成する。

 

「これが……お前の全てだ!!」

 

四対の腕と胸から放たれた光条が一点に収束。

 

「「「テガソード・凌手駕ナックル!!」」」

 

質量と熱量の奔流は、まるで巨大な拳となって厄災の肉体を貫通する。

 

轟音と共に黒曜石のような装甲が白熱し、亀裂が蜘蛛の巣のごとく広がっていく。

 

「ぐおおおおおっ!?」

 

苦悶の咆哮が闇夜を裂く。だがまだ終わりじゃない。リョウテガソードの光柱が更に太さを増し、厄災の腹部を穿ち――

 

ドォォォォォンッ!!!

 

雷鳴にも似た爆発音と共に厄災が爆裂する。灰燼が宇宙へ撒き散らされ、残骸の一片すら残さず消滅していった。

 

「……終わったな」

 

肩で息を整えながら呟く。テガソードの巨躯がゆっくりと膝をつく。俺と響もまた、憑き物が落ちたように操縦席に沈み込んだ。

 

「吠君……無事?」

 

彼女の呼びかけに、自然と笑みがこぼれる。

 

「ああ……今回ばかりはお前に助けられたみたいだ」

 

「ふふっ。私たちだって、いつだって助け合って生きてるんだよ」

 

頷く余裕もなく、そのまま二人とも深い眠りへと落ちていった。

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