ナンバーワン戦隊ゴジュウジャーVS戦姫絶唱シンフォギア ユニバース大戦 作:ボルメテウスさん
「ふぅ……」
カウンターテーブルに置いたコーヒーはすでに湯気が立っていない。響が隣で小さなため息をついた。店内は静寂に包まれている。壁一面の窓から差し込む午後の日差しが埃をキラキラと光らせている。
「やっと落ち着いたって感じだな」
俺達はテガソードの里にて、各々が疲れた様子で座り込んでいた。
「それにしても、あれが厄災か」
「あぁ、だが今回の1件を考えれば、厄災はおそらくは復活が始まっている」
「うぅ、あんな奴らがこれからも出てくるなんて、鬱デス」
「まあまあ切歌ちゃん」
切歌を宥めながら調が淹れたての紅茶を啜る。その向かいでは陸王がコーヒーカップを片手に新聞を広げていた。
「これは、指輪争奪戦も厳しくなってきそうだ」
暴神はそう呟きながらため息をつく。
「まぁそうだろうな……」
俺はカップを揺らしながら同意する。
「それにしても吠、随分と豪快な戦いぶりだったじゃない」
角乃さんが皮肉交じりの笑みを浮かべる。
「ふんっ……仕方ないだろうが、相手があれじゃあ慎重になってる暇もなかった」
思わず顔を逸らす。実際問題、テガソードなしであんな怪物と戦う羽目になったら命が幾つあっても足りない。
「お疲れさま」
ふと隣に立った響が皿を差し出す。焼き菓子の香りが鼻孔をくすぐった。
「食べてもいいのかよ」
「もちろん。」
「それじゃあいただくか」
焼き菓子を齧ると、ほろりとした触感と共に蜂蜜の優しい甘味が広がった。
「美味い……」
「よかった」
響の笑顔につられて肩の力が抜ける。さっきまでの緊張が嘘みたいに和らいでいく。
仲間たちの声が店内に満ちていく。疲労も和解も一旦棚上げだ。
その時だった。
「遠野吠」
背後からテガソードの声。
「なんだよ」
「今度の相手はさらに厄介だ。油断するな」
「言われなくても分かってる」
「ふぅ……」
コーヒーの湯気が薄れていく。店内に漂う蜂蜜の香りが戦場の記憶を少しずつ洗い流してくれる。だが現実は甘くない。
「しかし次はどうなるかな」
暴神が新聞を畳みながら呟く。記事には消滅した厄災についての政府の公式発表が載っていた。もちろん「事故」扱いだ。
「ああいうのがウヨウヨ出てくるとしたら、指輪争奪戦どころじゃなくなるデス」
切歌が不満げに頬杖をつく。響は紅茶を一口含みながら俺を見た。
「吠君も疲れたでしょう?今日は早く休んだ方が──」
「いや」
俺は皿を押しやりながら首を振った。
「まだだ」
そうしながら、俺は。
「とりあえず、腹一杯になんか食わないとな」
「・・・確かにね」
それに対して響もまた笑みを浮かべる。
まだ、どういう結末になるか分からないが。
少なくとも、後悔のない戦いを続けなきゃいけない。