ナンバーワン戦隊ゴジュウジャーVS戦姫絶唱シンフォギア ユニバース大戦   作:ボルメテウスさん

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走り抜けた先

「このままじゃ埒があかねェ!」

 

レッドレーサーが歯ぎしりする。ノーワンの茶室から次々と涌き出る蔦の壁が彼らの前進を阻む。畳から生える新芽が触手の如く絡まり合い、二人を縛り上げようと蠢く。

 

「分かってるわ。だから……」

 

ゴジュウユニコーンの掌に青い粒子が渦巻き始めた。センタイリングの鎖が高速回転し、金属の擦過音が耳を劈く。

 

「エンゲージ!」『デカンレンジャー』

 

閃光と共にゴジュウユニコーンはデカレッドに。

 

「ほう……警察官が悪党退治ですか」

 

おもてなしノーワンの障子窓が歪み笑みを形作った。

 

「いいえ。犯罪は二度と犯さないわ」

 

デカレッドは断言した。その瞳にはかつて暴走した自己への決別が宿っていた。

 

「証明してやる!」

 

両手に握られたディーマグナムをクロスさせながらデカレッドが跳ぶ。レッドレーサーの傍らで彼女は精密射撃モードへ移行。レンズ上のターゲットサイトが敵陣を捕捉する。

 

「行くぜ!足を止めるなァ!」

 

レッドレーサーの号令で前衛が疾走。茶室の障子に囲まれた空間を風圧で切り裂きながらフォーミュラーブレードを振るう。その背後にぴたりと影を添わせる形でデカレッドが位置取った。

 

「アーイー部隊!」

 

ノーワンの指令と同時に灰色の戦闘員が現れる。彼らの右手には栓が解放されたシャンパンボトルが握られていた。水晶のように透明な銃身が月光を反射する。

 

「泡で溺れるがよい!」

 

軋むような爆音と共に酒瓶が炸裂。黄金色の液体が放射状に噴き出し、酸っぱい香りと酒精の蒸気が視野を曇らせる。

 

「チッ!」

 

レッドレーサーが右腕を盾代わりに構え突進。アルコールの奔流を浴びながらも怯まず進む。

 

「援護する!」

 

デカレッドのトリガーが引かれる。ディーマグナムから放たれる紫電の弾丸がアーイーの腕を貫通。撃ち抜かれた瓶が空中で砕け散る。虹色の飛沫を背に受けながらレッドレーサーは跳躍。アッパーで一体の顎を打ち砕く。

 

「どけェ!」

 

続けて水平方向に一閃。掃き捨てるように二体目を薙ぎ倒す。その隙を突いてデカレッドがカバーに入った。バックステップで距離を取りつつ残りのアーイーに三点バーストを浴びせる。甲高い悲鳴が多重奏のように響く中、敵陣が瓦解していく。

 

「良いタイミングだ」

 

「そっちこそ!」

 

短い応酬。それだけで十分だった。幼馴染のような息の合い方ではない。けれど確実に命を預け合う覚悟で戦う者の呼吸が一致している。

 

「逃げる気?」

 

おもてなしノーワンの躯がわずかに揺らぐ。障子窓の隙間から焦燥の色が滲んだ刹那――

 

「遅い」

 

鋭い風切音が廊下に響き渡った。大理石の床に突き刺さった一本の短刀。

 

「影を穿つ」

 

投擲した小太刀は正確無比にノーワンの影を縫い止めていた。

 

「動けないっ」

 

「今だ!」

 

それと同時だった。

 

「先輩!」「あぁ!」

 

それと共に、2人は走り出した。

 

既に、ゴジュウユニコーンはデカレッドの変身が解除すると共に、構えていた。

 

『フィニッシュフィンガーユニコーン』『カーレンジャーフィニッシュ!』

 

天井が崩落する轟音の中、二条の閃光が交差した。

 

マゼンタの光芒を纏ったゴジュウユニコーンのユニコーンドリル50が螺旋を描きながら突進する。その穂先には純白の輝き──過去のトラウマと向き合う角乃の決意が宿っていた。

 

レッドレーサーはフォーミュラーブレードを手に、灼熱の風を巻き起こしながら急降下。車輪のように回転する体躯は赤く燃え上がり、まさに走る煉獄そのものだった。

 

「馬鹿な……そんなはずが……っ」

 

おもてなしノーワンの障子窓が恐怖で歪む。両者の必殺技が交差した瞬間──!

 

「フィニッシュフィンガーユニコーン!!」「カーレンジャーフィニッシュ!!」

 

爆音。茶室全体を包む圧搾波動が粉塵を巻き上げた。ノーワンの躯が稲妻に貫かれるかの如く痙攣する。鮮やかなピンクの鱗片が剥がれ落ち、その奥から黒い瘴気の塊が露出する。

 

「こんな……完璧なおもてなしが……叶わないなんて……!」

 

断末魔の嗤いとともにノーワンは霧散した。最後の言葉はどこか寂寥感に満ちていた。

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