ナンバーワン戦隊ゴジュウジャーVS戦姫絶唱シンフォギア ユニバース大戦 作:ボルメテウスさん
爆煙が薄れると同時に変身が解けた。煤まみれの姿に戻った角乃が膝をつく。その眼前に荒巻の巨大な手が差し伸べられた。
「……まだ終わってねぇぞ」
低い声だが確かな意思がこもっている。その手を掴み立ち上がると、翼が遠くから駆け寄ってくるのが見えた。彼女の白衣は硝煙で黒ずんでいる。
「被害者の特定を急ぐぞ」
荒巻が通信機に向かって怒鳴る。警察組織と連携する彼の横顔に角乃は言葉を失った。こんなにも堂々と命令を下す男がいるものか。
「……なぜ戦士に?」
思わず漏れた問いに彼は眉をひそめた。
「警察官は市民を守るのが仕事だ。指輪の力だろうが何だろうが使うだけだ」
その返答はシンプル極まりなかった。信念というより習性のように淡々としている。
「……わたしは違う」
角乃が俯く。レザースカートの裾を握りしめる拳が震えた。
「妹を取り戻すためです」
風が瓦礫を運ぶ音。その静寂を破ったのは意外な温もりだった。
「それでも人を助けてるんだろ」
荒巻が差し出した掌。その上で金色の光沢を帯びるのは――
「俺のセンタイリングだ」
角乃の瞳孔が収縮する。
「良いんですか」
「・・・センタイリングの力は警察で個人としての力ではあまりにも大きすぎる。まぁなんだ。こいつを責任持って使える奴だったら渡そうと思っただけだ」
「・・・先輩の願いは良いんですか?」
角乃はそう戸惑いながらも、尋ねる。
だが、荒巻は。
「俺の願いは、市民を守る事。だったら、てめぇも人を守れば良いだけの話だろ」
「・・・・・・!」
荒巻の言葉に角乃は、思わず泣きそうになりながらも。
「ありがとうございます!」
と一礼をする角乃を見て、荒巻は微笑みながら翼に呼ばれ、そのまま去っていった。
サロン中央に鎮座する巨大な貝殻装置。瓦礫に埋もれたまま静かに佇むそれを見つめながら翼が言った。
「これがギャラルホルン……確かに動作している気配はないな」
角乃は慎重に距離を詰める。荒巻から託されたセンタイリングが懐で仄かに温かい。
「調査は明日にすべきですか?」
「いや」
翼の判断は迅速だった。
「これほどの装置が一般施設に放置されているとは」
「けれど、もしも先輩の話が本当だったら、もしかしたらこのギャラルホルンが起動して、行方不明になっているとか?」
「分からない。だが、よく考えれば、ブライダンが、吠の言うノーワンワールドが異世界かどうかも分からない。それを含めれば」
「ブライダンも、ギャラルホルンと何か関係しているか」
「どちらにしても、詳しい事は本部に持ち帰らなければ」
そう、未だに波乱が続くだろう予感をさせながらも、今回の1件は幕を閉じる。