ナンバーワン戦隊ゴジュウジャーVS戦姫絶唱シンフォギア ユニバース大戦   作:ボルメテウスさん

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隠れた決戦

陸王は街角を歩いていた。彼の足取りは普段より軽やかだが、一方でその端正な顔立ちにはどこか憂いが漂っている。左手の薬指にはキラリと光る銀色のリングがはまっていた。

 

「はぁ……」

 

ため息をつきながら、ポケットの中の袋に触れる。中には響へ贈るつもりの菓子が入っている。だが陸王の顔には深い悩みの色が濃い。

 

「あの時のことを思い出すと、どうしても申し訳なくて……」

 

陸王は思い返す。数日前の戦いで自分の未熟さから響を窮地に陥れてしまった記憶が鮮明によみがえってくる。仲間を危険に晒したあの時以来、彼はずっと自責の念に囚われていた。

 

その時だった――

 

「あれ?陸王さん?」

 

穏やかでありながら芯の通った声が彼の鼓膜を刺激した。振り返るとそこには、少女の姿がある。

 

「あ……小日向さん」

 

小日向未来は優しい笑顔を浮かべながら陸王の方へ歩み寄ってきた。

 

「久しぶり。最近どう?」

 

「まあ……色々あって」

 

陸王の苦笑に未来は心配そうに目を細める。

 

「何かあったの?ずっと暗い顔してるし」

 

陸王は一瞬沈黙した後、覚悟を決めたように言葉を紡ぎ始めた。

 

「実は……」

 

話し終えるまでに時間がかかったものの、全てを聞いてくれた未来は最後にこう告げた。

 

「そうだったんですね。でも私は響ならきっと理解してくれると思いますよ」

 

未来のその言葉に救われる思いで一杯になりながら陸王は感謝を述べる。

 

その最中。

 

「・・・これは」

 

聞こえて来たのは、静かな斬り合いの音。

 

普通ならば聞く事が出来ない音だが、陸王の常人離れをした聴覚はそれを聞く事が出来た。

 

「陸王さん?」

 

「少し用事が出来たかも。ごめんだけど、これ、響ちゃんに先に渡しておいてくれないかな?崩れたら駄目だからね」

 

「えっ、それって」

 

「指輪の戦士が戦っているようだね」

 

それと共に、陸王の姿は見えなくなった。

 

ただ未来だけはその後ろ姿が少しだけ見えた気がしたのだった。

 

それは偶然なのか必然なのか。

 

陸王は、とある廃墟を訪れていた。

 

かつて工場として稼働していたであろうその建物は、今は見る影もなく朽ち果てていた。窓ガラスは割れ、コンクリートの壁にはひびが走り、鉄骨の支柱には錆が浮かび上がっている。天井は崩落していて薄暗い内部には埃が舞い上がり、どこか寂寥感すら漂わせている。

 

しかし、そんな廃墟の只中に二つの影があった。

 

陸王が見えたのは、僅かな赤い影。

 

数としては、二つ程度であるだが、その速度は桁違いに速かった。

 

「早い・・・」

 

陸王は無意識に呟いた。目で追うのがやっとの速さだ。そして今まさに目の前で始まろうとしているのは──

 

『ハリケンジャー!』

 

『カクレンジャー!』

 

それぞれ異なる音声が響く。だがその意味を理解する暇もないまま陸王の目の前で火花が散り始めた。

 

一方鋭い太刀捌きを見せるハリケンレッド。

 

もう一方は、豪快な笑みを浮かべながらも堅実な動きをするニンジャレッド。

 

どちらも若さ溢れる活気を感じさせる。

 

二人とも同じ目的の為に戦っていたのだろうか。それとも単なるぶつかり合いか。

 

いずれにしても陸王には関係ないことだった。

 

しかし彼らが纏う独特の緊張感は明らかに異質なものであったことは間違いなかった。少なくとも陸王にとっては初めて体験する類のものではない。

 

「面白いね、忍者同士の戦いに、僕も入らせて貰うよ」『ゴジュウレオン』

 

鳴り響く音声と共に、ゴジュウレオンに変身した陸王はレオンバスター50で照準を定めながら走り出す。

 

それに気づいたのはハリケンレッドだ。

 

「うわっ!?新手!?」

 

思わず叫ぶがすでに遅い。至近距離から放たれた光弾が風間を直撃しようとしていたその刹那──

 

地面が爆発したような轟音と共に土埃が舞い上がった。そして晴れた視界の中から現れたのはなんとニンジャレッドだった。

 

彼は背中で衝撃を受け止めていたらしい。片膝をつきながら荒い呼吸をしている。

 

「おいおい冗談じゃねぇよ……」

 

言いながら顔を上げたその目には怒りではなく困惑の色が浮かんでいた。

 

「悪いね、せっかくの戦い、僕も混ぜてくれないかな」

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