ナンバーワン戦隊ゴジュウジャーVS戦姫絶唱シンフォギア ユニバース大戦 作:ボルメテウスさん
四つの影が同時に動いた。
「しゃあッ!」
風間のハヤテ丸が旋風のごとき弧を描き、
「どらァ!」
大原の秘剣カクレマルは炎のような残像を残す。
「フンッ!」
ノーワンの漆黒の刃が冷たく唸る。
その中心で――
陸王は一拍遅れて静かに足を踏み出し、3人に囲まれながらも軸を崩さない。
カァァン!
金属がぶつかり合う高音が廃墟に木霊した。火花が四散し、床の塵埃が吹き飛び宙を舞う。
「こいつ……!」
風間の眉が跳ね上がる。ノーワンの一刀は鋼を裂く剛剣だった。
「おいおい! 手応えありすぎだろ!」
大原が舌打ちする。受け流そうとした刃が痺れるほど重い。
だが陸王だけは冷静だった。刀を構えながら視線を巡らせる。
(このままじゃ、マズイね……)
額に汗が滲む。
「忍者ナンバーワンは、俺だぁぁぁ!」
ノーワンの咆哮と共に地面が砕け、黒い外套が蝙蝠の翼のように膨らんだ。次の瞬間――
ガシィッ!
二対の刃が十字に交わり火花を噴き上げる。風間と大原の挟撃だ。
「隙ありィ!」
陸王が音もなく滑り込む。だが。
「小賢しいッ!」
ノーワンの膝蹴りが疾風のごとく飛んだ。陸王はバックステップで躱すが、外套から伸びる鎖鎌の先端が頬をかすめる。
ピッ――
血の滴が一条の赤を描く。
「くっ……」
「逃げるなァ! 臆病者が!」
嘲笑うノーワンの声に風間の目に火が灯る。
「舐めんなコラァ!」
ハヤテ丸が逆袈裟に閃く。しかし。
キィィン――
鎌の柄が容易く受け止め、逆に振るわれた鞘が風間の胴を打つ。
「ぐぁっ……」
膝を折る風間。大原がすぐさま間に入るが、ノーワンの回し蹴りが鉄槌のように横腹を穿つ。
「ぐぉっ!?」
廃材の山に激突する大原。積荷が雪崩のように崩れ落ちた。
しかし、スーツを残して消えていた。
「抜け身の術、成功か。にしても」
ノーワンが拳を振り下ろすたび、廃墟は悲鳴を上げた。柱がへし折れ、天井が崩れ落ちる。その破片が粉塵となり、まるで竜巻のような勢いで視界を遮る。
「うわっ!?」
風間が瓦礫を蹴散らして身を起こす。スーツの一部が擦り切れ、露出した皮膚から血がにじむ。
「くそっ……あいつ、周りのことなんてお構いなしかよ」
大原が咳き込みながら立ち上がる。鎖骨あたりに打撲傷の青痣が浮かんでいた。
「まずいね……」
陸王が静かに呟く。彼の眼差しは崩れゆく廃墟を冷静に捉えていた。
「このままじゃ建物全体が崩壊する。そうなったら……」
「一般人が巻き添えを喰らう可能性があるってわけか」
風間が悔しそうに歯ぎしりする。
「それ以前に俺たちが生き埋めだ」
大原が苦々しく付け加えた。
ノーワンはそんな危機感など知らぬ顔で哄笑する。
「ハーッハッハ! この程度か?! お前ら全員まとめて叩き潰してくれるわ!」
その黒い外套がさらに膨張し、手足に鋭利な棘が出現した。まるで巨大な鎌鼬の化け物だ。
「ちっ……」
風間が舌打ちする。さっきまでの熱い闘志が急に冷えた。理由は明白だ。
「あのパワー……お前らだけじゃ無理だな」
大原が認めるように呟いた。
三人が互いに視線を交わす。プライドの高い者同士、最初の出会いは火花散る険悪なものだった。だが――
「……仕方ねぇ」
最初に動いたのは風間だった。ハヤテ丸を鞘に戻し、背筋を伸ばして構え直す。
「今回ばかりは一時休戦だ。お前ら3人とでも構わねぇ」
「なっ……!?」
意外そうな顔をする陸王と大原。しかし否定の言葉はない。
「同じことを考えていたよ」
陸王のアカニンジャーシュリケンが鈍く光る。
「ナンバー1を争うのはあいつを倒してからだな」
大原のカクレマルが月光のような輝きを増した。
三人の視線が一点に集中する。ノーワンが嗤っている中心へ。
「フン……仲良しごっこか? それで何が変わる?!」
嘲りの言葉が廃墟を震わせる。
しかし三人は応えない。代わりに足並みを揃えた。
「行くぞ」
誰ともなく呟いた瞬間――
――三つの影が一つの奔流と化した。
ノーワンを中心に三角形を作る配置。三方からのプレッシャーで敵の行動範囲を限定する古典的な包囲陣だ。
「ほう……少しは頭を使ったか」
余裕の笑みを浮かべるノーワン。だがその目つきが微かに変わる。
風間が動く。
「おらぁッ!」
ハヤテ丸が鋭く走る。上段から降り注ぐ剣閃が雨のように降りかかる。
「軽い」
ノーワンが外套を翻し防御。しかしそれが罠だと気づいた時には遅かった。
「チェストォ!」
大原が死角から飛び込んでいた。カクレマルが風車のごとく回転し外套を切り裂く。
「なっ……」
一瞬の隙に陸王が滑り込む。アカニンジャーシュリケンを手裏剣のように投擲しノーワンの動きを封じた。
「終わりだ!」
三方向からの同時攻撃。
風間の斬撃
大原の刺突
陸王の手裏剣
音速を超える衝撃が一点で炸裂した――はずだった。
「フンッ……!」
ノーワンの低い咆哮と共に世界が歪んだ。外套の中から膨大な闇のエネルギーが放出され三人を吹き飛ばす。
「ぐあっ……!?」
壁に激突する風間。
「ぐぅ……!」
床を転がる大原。
「くっ……」
陸王だけは辛うじて膝をつく。
「甘い甘い甘い!」
ノーワンが狂喜乱舞する。その身体から漏れる禍々しいオーラはもはや生物の域を超えている。
「さて……第二ラウンド開始と行こうかァ!!」