ナンバーワン戦隊ゴジュウジャーVS戦姫絶唱シンフォギア ユニバース大戦   作:ボルメテウスさん

210 / 346
弟子入り直行

「だからっ!弟子にしてほしいんです!!」

 

公園の外周を爆走する進が叫ぶ。彼の両眼は希望で輝いていた。

 

「俺様に、弟子など必要ない!」

 

その先を行く熊手が振り返る。顔いっぱいの汗と困惑。彼は全力疾走しながらも妙に紳士的な敬語を使い続けている。

 

「なんでですか師匠ぉー!!」

 

「師匠じゃないと言っている」

 

熊手の隣をベアックマがぴょんぴょん飛び跳ねながらついていく。「クマァー!?」と心配そうな鳴き声。

 

彼らの走る道沿いでは—

 

「あれ……なんだこれ……」

 

その様子を見ていた調は首を傾げながら見つめていた。

 

「おっと、月読調か、こんな所で会うとは珍しいな」

 

「・・・いや、熊手さん、その後ろにいる彼は」

 

「俺様にも事情があるんだ・・・」

 

「そうです!熊手さんに弟子入りするために追いかけてきてます!!」

 

進の純粋無垢な声が響く。

 

「弟子入り?」

 

その言葉に対して、思わず首を傾げてしまう。

 

「俺様がいつものように世直しを行っていたら、この若者がやって来て!」

 

熊手は腕を組んで説明を続ける。

 

「『ぜひあなたのようなカッコ良いヒーローになりたいんです!』と言うんだ」

 

「それで弟子にしてあげればいいじゃないですか?」

 

調が素朴な疑問を投げかける。

 

「俺様は、神になる為に戦っている。故に弟子など取るつもりはない!」

 

そう、断言した熊手に対して、進は。

 

「えっと、神ですか」「気にしないでください。こういう人なので」

 

戸惑いを隠せずに言った調はため息をしながら言う。

 

熊手真白は足を止め、真摯な面持ちで問いかけた。

 

「なぜそこまで弟子入りに固執する?」

 

夕暮れ時の住宅街に沈黙が流れる。通行人が不審そうな目で通り過ぎていく。

 

進は胸に手を当て、震える声で語り始めた。

 

「俺……弱いんです」

 

予想外の告白に熊手の眉が上がる。

 

「誰にも負けたくないのに……今日みたいに何もできないなんて……」

 

進の拳が小刻みに震えていた。

 

「だから……」

 

彼は意を決したように言った。

 

「熊手さんみたいな強くて優しいヒーローになりたいんです!」

 

進の目は真っ直ぐだった。嘘偽りのない、ただの憧れではなく本気の願い。

 

しかし——

 

「まだわからない……」

 

進は俯き加減に呟いた。

 

「本当に自分がなりたいのはどんなヒーローなのか……」

 

彼の脳裏に甦るのはあの日の記憶。ボランティア活動中に出会ったセンタイリング。テガソードとの契約。初めて感じた力への期待と恐怖。

 

(この指輪があれば俺は変われると思ってた……でも)

 

「現実は全然違う……」

 

進は右手を開く。その手のひらには金色のリングがあった。

 

「ほぅ、お前も指輪の戦士だったか」

 

「えっ、お前もって」

 

すると、熊手は片手で、ゴジュウポーラーのセンタイリングを見せる。

 

「それが分かった以上はやる事は既に決まっているな、来い」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。