ナンバーワン戦隊ゴジュウジャーVS戦姫絶唱シンフォギア ユニバース大戦 作:ボルメテウスさん
放課後の校庭に、妙な空気が漂っていた。
猛原禽次郎は、白線が引かれたグラウンドのど真ん中で固まっている。
その横では、風鳴翼が腕を組み、状況を冷ややかに分析していた。
そして、最も震えているのは高良鉱騎。彼はユニフォーム姿のまま、すでに半泣きだった。
星野球一郎が、やたら爽やかな笑顔で言い放つ。
「さぁ! 熱血友情スペシャルマッチ、スタートだ!」
「いや、どうしてこうなるんじゃ……いや、どうしてこうなるんだよ僕……」
禽次郎が頭を抱える。
高良も続いた。
「む、無理無理無理……! 僕、球技全部苦手なんだけど!!」
翼はため息をひとつつく。
「落ち着け。まず状況を整理しよう。……なぜ我々は野球をすることになった?」
その疑問に――もっとも答えるべきではない相手が答えてきた。
「決まってるだろ?」
星野が胸を張る。
「“熱”だよ! 俺たちは“熱”で結ばれているんだ!」
「説明が雑すぎるんだよ!!!」
禽次郎が速攻でツッコむ。
しかし、よりツッコミたい光景は別にあった。
ファイヤキャンドル――
敵幹部であるはずの炎の怪人が、堂々とキャッチャーマスクをつけて構えている。
「燃やすぞォ!! 青春を燃やすぞォ!!」
「アーイー!!」「アーイー!!」
周囲にはアーイー軍団が、完全に“部員の気合い入れ”テンションで声を合わせていた。
「いや敵組織が普通に練習してるぅぅぅ!!?」
禽次郎は両手を挙げて叫ぶ。
高良は青ざめた顔で翼の袖をつかむ。
「風鳴さん……あれ……僕、夢じゃないよね……?」
翼は冷静な表情を保ったまま、小さくうなずく。
「残念ながら現実だ。……この世に、ここまで理不尽な状況があるのかと私も驚いている」
「そんなに落ち着いて言わないでよ!!!」
高良が泣きそうな声で返した。
そのときだった。
三人の耳に、妙な声が届いた。
『野球……したい……燃えたい……もっと熱く……』
禽次郎は肩を跳ねさせる。
「い、今の聞こえた!? なんか、僕の脳に直接語りかけてきたんだけど!」
翼も眉をひそめた。
「霊感的なものか? 精神干渉か? ……いや、ここまでくるとただの“ノリ”かもしれないな」
「“ノリ”で精神に語りかけないでぇぇ!!!」
高良が完全に壊れかけていた。
星野はというと――
ひとりだけ、超晴れやかな笑顔で両手を広げていた。
「ほらな? みんな“野球したい心”でつながってんだよ!!」
「納得できるかぁぁぁ!!!」
三人の雄叫びが校庭にこだました。
そうして、試合開始のホイッスル――ではなく、ファイヤキャンドルの「燃えろォォ!!」という咆哮で、熱血すぎる野球戦が始まった。