ナンバーワン戦隊ゴジュウジャーVS戦姫絶唱シンフォギア ユニバース大戦 作:ボルメテウスさん
カイセキ・ノーワンが研究棟を荒らす音が響く中、往歳の部屋にいた全員が一斉に入口へ振り向いた。
鈍い揺れ、アーイーの奇声、そして解析怪人の触腕による破壊の音が階下から迫ってくる。
「教授、今の……!」
響が身構えながら声を上げる。
往歳は険しい顔で首を振った。
「残念やが……ワシにはもう戦えん。センタイリングは奪われてしもたからな。今はただのオッサンや」
言葉とは裏腹に、その目は状況を冷静に見極めていた。
竜儀も続いて前に出る。だが彼の両腕には、解析のために装着されていたゴジュウティラノのデータ機器が固定され、金のテガソードは台座に設置されたままだ。
「私も……いや、俺も動けん。金のテガソードは今、この大学でしかできない特別な解析中だ。ここで無理に戦えば、データが壊れる恐れがある」
つまり、ゴジュウジャー側は完全に不参加ということだった。
月原が唇を引き結び、隣のアクティと目を合わせる。
「となると……戦えるのはボクたちだけ、ってことですね」
アクティは静かに頷き、外の騒音へ視線を向けた。
「……状況は最悪だが、対応は可能だ」
響も拳を握る。
「私も行きます。竜儀さんや教授の大事な研究を壊させるわけにはいきません!」
往歳は苦笑しつつも満足げに頷いた。
「頼もしいこっちゃ。ユニバース戦士2人と響ちゃんが揃えば十分やろ。あいつを止めてきてくれ」
響は胸のペンダントを握り締めた。
静寂を破るように、彼女の唇から低く、しかし確かな調べが紡がれ始める。
その声は周囲の雑音を飲み込み、純粋なエネルギーへと変わっていく。
熱を帯びた歌声が響き渡る。
「Balwisyall Nescell gungnir tron」
光が迸り、ペンダントを中心に奔流となって響を包み込む。
黄金のシンフォギア装甲が一片ずつ彼女の身体に形成され、戦士としての姿が輝きながら立ち上がった。
月原は静かに前へ歩み出た。
右手のセンタイリングを掲げ、銀のテガソードへ装填する。
『センタイリング!』
電子音が弾けるように鳴り、月原の表情が引き締まる。
「エンゲージ!」
次の瞬間、月原は銀のテガソードを――五度叩き合わせる。
そのたびに周囲へ 赤いデジタルパターン が走り、空間に浮かぶ座標軸が月原の身体をスキャンするように回転する。
まるで電子空間に飛び込むかのように、彼の輪郭がピクセル化していく。
『メガレンジャー!』
音声と同時に、破裂する光の粒子が再構築され、赤い装甲が装着されていく。
フェイスシールドが光り、月原は堂々と名乗りを上げる。
「メガレッド――月原 望、スタンバイ完了!」
電子ノイズが迸る中、ユニバース戦士・メガレッドが姿を現した。
アクティは無言で一歩前へ出る。
その瞳には迷いも躊躇もない。
手にしたセンタイリングを銀のテガソードへ静かに装填する。
『センタイリング!』
低く響く音声に、アクティは短く言い放った。
「エンゲージ」
次の瞬間――
銀のテガソードを胸の前で力強く3回スラッシュするように叩く。
空気が震え、赤い“翼の残光”が後ろへ広がった。
まるで大型の鳥が羽ばたき、彼の背へ宿ろうとするかのように。
『ライブマン!』
音声が響いた瞬間、風が巻き起こる。
アクティの身体を包む赤い輝きは炎のように弾け、そこから生命を象徴する獣の気配が噴き出す。
フェイスシールドが展開し、胸部にファルコンの紋章が浮かび上がる。
「レッドファルコン――アクティ・イカロス」
静かな声とは裏腹に、その登場は獣王の咆哮のように圧倒的だった。
3人が揃って構えた瞬間、空気が一変した。
「……へぇ。三色そろって華々しいやんけぇ」
八本のケーブル触手を揺らしながら、カイセキ・ノーワンが不気味な笑みを浮かべる。
「分析完了ぉ。お前ら、ワイの“データにない存在”やな? ――せやから実験材料にしたるわ!」
腹部の“No.1”バックルがギラリと光る。
カイセキ・ノーワンが片手を高く掲げ、叫んだ。
「アーイーども! かかれやァ!! “解析戦闘術ナンバーワン”の力、見せたるでぇ!!」
「キーン!」「コーン!」「カーン!!」
銀アーイーたちが一斉にベルメットを鳴らし、突撃態勢に入る。
数体の金アーイーまでもがシャンバーンを構え、泡立つ音を響かせた。
月原が息を呑む。
「数が……多い!」
アクティは静かに一歩前へ出る。
「囲まれる前に散開するぞ」
響はペンダントを握り直し、拳を構えた。
「行こう! みんな!」
アーイーたちが鐘の音を響かせ突撃してくる。
大学構内で、ついに戦いの火蓋が切られた――。