ナンバーワン戦隊ゴジュウジャーVS戦姫絶唱シンフォギア ユニバース大戦 作:ボルメテウスさん
――気配が、近づいてくる。
瓦礫の向こう、半透明のバリア越しに感じる圧。
あのガリュードが、こちらを探している。
俺は一歩、前に出た。
気づけば、左右には紅葉さんと……クオンが並んでいる。
肩が触れそうな距離。
近いのに、心の距離はまだ遠い。
それでも――立ち止まらない。
「行くぞ」
誰が言ったのかは分からない。
けれど三人同時に、前へ踏み出した。
歩きながら、俺はテガソードを握る。
紅葉さんは銀のテガソードを、クオンはテガジューンを構えた。
「エンゲージ!」
重なり合う声。
光が弾け、装甲が身を包み、力が世界を塗り替える。
ゴジュウウルフ。
ゼンカイジュラン。
そして――ガリュード。
三つの異なる力が、一直線に並ぶ。
その瞬間だった。
前方の闇が揺れ、もう一人のガリュードが姿を現す。
変身を終えた俺たちを見て、即座に銃口が上がった。
――速い。迷いがない。
だが、俺たちはもう止まらない。
「来るぞ!」
叫ぶと同時に、三人で踏み込んだ。
正面から、真っ直ぐに。
俺は地面を蹴り、一直線に距離を詰めた。
「エンゲージ!」
走りながら指輪を切り替える。赤い稲妻が弾け、姿はデンジレッドへ。踏み込みと同時に、全体重を乗せた――
「デンジパンチッ!」
拳は確かに捉えた。
だが、金属音。ガリュードはティラノハンマー50を片手で構え、正面から受け止めていた。
「ちっ……!」
間髪入れず、横合いから紅葉さん――ゼンカイジュランのジュランソードが閃く。
しかし、ガリュードは人間離れした不規則な軌道で跳ね、刃を紙一重でかわす。
その瞬間――
乾いた銃声が、三発目で止まった。
クオンの放った弾丸が、避けきれなかったガリュードの装甲を打ち抜く。
「――当たった!」
確かな手応え。
だが、あいつはまだ倒れない。
俺は歯を食いしばり、次の一手を構えた。
俺と久光は、言葉を交わさなくても動けていた。
右から俺が切り込めば、左から久光の銃撃が飛ぶ。避けた先には紅葉さんの剣が待ち構え、三人の動きが噛み合って、ガリュードの逃げ場を削っていく。
――昔、こんなふうに並んで走った記憶が、胸の奥で疼いた。
紅葉さんは前に出過ぎず、だが確実に要を押さえ続けている。その背中越しに、俺たち二人を見て、きっと思っていたんだろう。
吠と久光が、また兄弟みたいに並んで戦っているって。
「解析完了だァ!」
ガリュードが吼え、次の瞬間、空間が歪む。
ゴジュウジャーの武器――ウルフデカリバー、レオンバスター、ティラノハンマー……ありとあらゆる武装が同時に展開された。
「くそっ……!」
俺が踏み込もうとした、その刹那――
――ドォンッ!!
遠くから、重低音の衝撃。
クリスの狙撃だった。
空中に浮かんだ武器群が、次々と弾かれ、火花を散らして地面に落ちる。
一瞬で、ガリュードは丸腰になった。
「な……ッ!?」
その隙を、俺たちは逃さない。
俺と久光は、同時に前へ出た。
視線が交わる。迷いはない。
「――お前は」
「――お前は」
二人の声が、重なる。
「「俺の獲物だ」」
俺は一歩前に出て、リョウテガソードを強く握り締めた。
胸の奥が、熱く、重く、引き寄せられるように脈打つ。
「――エンゲージ!」
刹那、空間が歪む。
夜空の向こう、宇宙そのものが渦を巻き、惑星の光が吸い込まれていく。
まるで世界の中心に立たされているような感覚だった。
『最強! 頂点! ユニバース!』
俺はリョウテガソードで円を描く。
光の軌跡が銀河となり、身体を包み込む。
そのまま、剣を振り下ろした。
『テガソードナンバーワン!』
衝撃と共に装甲が再構築され、力が桁違いに跳ね上がる。
「……行くぞ」
声は低く、確信に満ちていた。
この力で、必ず決着をつける。
ガリュードがふらついた、その一瞬――俺はリョウテガソードを握り直し、間合いへ踏み込んだ。
「――もらった!」
左右の刃が空気を裂き、赤い×字の装甲に白い火花が走る。だが、相手も“機械”のくせに反応が速い。反撃の銃口が跳ね上がるのが見えて、俺は身体を沈めてかわす。
次の手は――投げる。
リョウテガソードが回転しながら飛び、紅葉さんの手に吸い込まれた。紅葉さんは迷いなく受け止め、ジュランソードの間合いで一太刀を重ねる。さらに、刃はそのままクオンへ。
「……ため息つく暇もないな」
クオンは嫌そうに受け取って、撃ち抜くように斬る。追撃の斬線がガリュードの足を止めた。
「お兄ちゃんだからね、渡してあげるよ」
「そうかよ」
軽口みたいに言い合いながら、俺は戻ってきたリョウテガソードを掴む。握った瞬間、掌の奥が熱くなる。――ここで決める。
紅葉さんから預かったリング。
俺はリョウテガソードにバイオマンのセンタイリングを装填した。
『センタイリング!』
それが発動した瞬間、隣に現れたレッドワンが現れ、その頭部が発光し、構える。
「――バイオエレクトロン!」
リョウテガソードの縁で、眩い粒子が弾けた。赤、緑、青、黄、桃――五色の光が電流みたいに絡み合い、渦を巻いて一点へ収束する。次の瞬間、束ねられた“超電子”が槍のように伸び、雷鳴じみた轟音とともにガリュードの装甲を貫いた。
爆ぜる光の中で、機械の身体が痙攣し、あの不規則な軌道が――止まる。
白煙が晴れた時、俺は刃を下げなかった。
爆煙が晴れた直後だった。
倒れ伏したはずのガリュードの残骸が、きしむ音を立てて再構成を始める。装甲がせり上がり、内部から紫の光が噴き上がるのを見て、俺は歯噛みした。
「……まだ、終わりじゃねえのかよ」
次の瞬間、影が街区を覆った。
ガリュードは、テガジューンへと変わる。無機質な巨体が天を塞ぎ、踏みしめる一歩ごとに地面が悲鳴を上げる。
迷ってる暇はない。
「来い、テガソード!」
俺の呼び声に応え、空間が裂ける。赤い閃光と共に現れたのは、テガソードデカクロウ。
ゴジュウウルフのテガソードと、ウルフデカリバー50が合体した爪撃強化型――巨大な赤い機体だ。鋭く伸びたクロウが、獲物を引き裂くために唸りを上げている。
「行くぞ……人神一体!」
握った瞬間、意識が拡張される。視界が引き延ばされ、巨大なクロウがまるで自分の腕のように感じられた。
テガソードデカクロウが低く吠え、地を蹴る。
巨大ガリュードが構えた次の一撃よりも早く、俺は距離を詰めた。
赤い爪が振り上がる。
「――ここで終わらせる!」