ナンバーワン戦隊ゴジュウジャーVS戦姫絶唱シンフォギア ユニバース大戦 作:ボルメテウスさん
招待状は、封を切った瞬間から落ち着かなかった。差出人は雪音淡路。名前だけなら、クリスにとって嫌でも耳に残る姓だ。けれど、紙面の文面はやけに律儀で、言葉の端々に「失礼があったらごめんなさい」という弱さが滲んでいた。淡路は、自分を「亡き両親の親戚にあたる者」として扱い、だからこそ“あなたに来てほしい”と書いている。親戚という言い方がどこまで正確なのか、クリスには判断がつかない。だが、同じ姓を名乗る他人に、両親の影を勝手に触られたくない気持ちと、触れられることでしか思い出せない自分への苛立ちが、同じ場所で喧嘩を始めた。
「……ったく。招待状一枚で、人の心を引っ掻き回しやがって」
会場へ向かう足取りは軽くない。断ってもよかった。けれど、淡路の文章には“媚び”より先に“必死さ”があった。会って確かめる。そう決めたのは、同情ではなく、警戒のためだと自分に言い聞かせる。冬の空気は乾いていて、吸い込むほど喉が痛い。感情の熱が逃げるぶん、余計なことを考えてしまう。
演奏会場のホール前は、休日の顔をしていた。入口には華やかな花束、ロビーにはドレスアップした客、案内係の笑顔。結婚記念日の特別公演、という看板が眩しい。こんな場で何かが起きるとは思いたくない――そう思った直後、入口の脇で見覚えのある背中が視界に入った。背筋だけで人を見下ろすような、妙に堂々とした立ち姿。熊手真白。ゴジュウポーラー。あの“俺様”だ。
「……なんで、あんたがここに」
「俺様を見て驚くな。足りん」
「質問に答えろ」
「助けた縁だ。招かれた。それだけだ」
真白の返答は、相変わらず要点だけを削り出した石のようだった。会話を成立させる気があるのかないのか、境界線を踏ませない。クリスは舌打ちを飲み込み、視線を逸らした。戦場なら言い返せる。だがここはロビーで、周囲は一般客ばかりだ。余計な揉め事は、淡路の顔にも泥を塗る。
「……ったく。場をわきまえろよ。ここ、戦う場所じゃねぇ」
「分かっている。俺様が邪魔をすると思ったか」
「思うだろ。……あんた、そういう奴だ」
「裁くべき時だけ動く。それでいい」
最後の言い切りが、クリスの胃のあたりを微妙にざらつかせた。真白の言葉は、いつも正しそうに聞こえる。だからこそ、油断すると“従わされる”。苦手意識の正体はそこだ。クリスは受付を済ませ、真白と並んでホール内へ入った。淡路の姿を探しかけたが、ステージ裏へ通じるスタッフ動線の方が慌ただしく、主催側にいるのかもしれない。
「淡路は……来てんだろうな」
「来ている。招待主だ。いずれ出る」
「……あんた、知り合いなのか?」
「知り合いを助けた。淡路の会場の者だ。繋がっただけだ」
真白は“繋がる”という言葉を、情緒ではなく事実の接点として扱った。それが癪に障るのに、妙に納得してしまう自分がいる。クリスは黙って席番号を確認し、指定された列に向かった。真白は当然のように隣に座る。彼が座った瞬間、座席の肘掛けまで偉そうに見えて腹が立つ。
「……一応言っとくけど。私、あんたとろくに話したことねぇからな」
「話す必要があるのか」
「……ねぇよ」
「なら黙れ。演奏が始まる」
会話の終わり方まで命令形で、クリスは思わず肩を竦めた。だが、次の瞬間に別の違和感が刺さる。クリスの右隣――今まで空いていた席に、妙に派手な影が差し込んだ。香水の甘さと、金属の光沢。振り向けば、銀色の髭面とパステルピンクの扇子が、堂々と並んで座っている。見た目だけで“敵”だと分かる。分かりすぎる。
「……は? おい、マジかよ」
「こんばんは。良い夜ね」
「……良い夜にしてあげたいわぁ」
声が二つ重なって、一つの席から聞こえる。Mr.シャイニングナイフ&Mrs.スイートケーク。ブライダンの参謀隊長。幹部。こんな場所に、堂々と。クリスの身体が反射で前傾になり、手が武器の位置を探しかけたところで、真白の氷の気配が、まだ生成されていないのに冷たく背中を押した。
「立つな。座れ」
「……はぁ!? 敵だぞ!」
「見れば分かる。だが、ここは演奏会だ」
「だからって、なんで……!」
「なんでって、そりゃあ」
「結婚記念日だからよ」
「……は?」
「私たち、記念日なの。ね、あなた」
「そうだ。記念日に音楽を聴く。普通だろう」
「どこが普通だよ! 見た目からして、普通じゃねぇだろ!」
「失礼ねえ。外見で裁くなんて」
「裁くのは俺様だ」
真白の一言が、空気の温度を変えた。客席のざわめきが一瞬だけ遠のき、クリスは舌の上で罵声を転がしたまま飲み込んだ。真白は、ナイフ&ケークを見ても表情を変えない。上から評価する目だけが、淡々と動く。
「条件を出す。演奏会の邪魔をするな。客を巻き込むな。守れ」
「条件? あなたが私たちに?」
「俺様の裁定だ。従え」
「強引ねえ」
「素敵。強い男は好きよ」
「褒めるな。いらん」
「……真白、あんた……ここで戦わないって、マジで言ってんのか」
「戦えば壊れる。足りん。壊して得るものがない」
「だったら、後で――」
「後もない。俺様は貸し借りにしない。礼もいらん。従う必要もない。ただし、邪魔をするなら叩き潰す」
最後の断定に、クリスの背筋がぞくりとした。真白の言葉は、脅しではなく宣告に近い。言った瞬間に実行に移れる人間の響きがある。ナイフ&ケークは、意外なほど穏やかに頷いた。少なくとも表面上は、演奏会を楽しむ客として振る舞う気らしい。
「邪魔はしない。今日は祝いだ」
「ええ。音楽の席で血の匂いなんて無粋だもの」
「……信じられるかよ、こんなの」
「信じる必要はない。見て判断しろ」
クリスは息を吐き、拳を膝の上で固く握った。真白の言う通り、見て判断する。だが、その“判断”の主導権を真白に握られるのが癪で、同時にありがたくもあった。自分がここで暴れれば、演奏会が台無しになる。淡路が招いた場が壊れる。それだけは避けたい。理由は単純だ。淡路が何者であれ、両親の名を使って招待したのなら、その責任を勝手に踏み潰したくない。
照明が落ち、ステージに楽団が並ぶ。開演の拍手が起こり、ホール全体が一つの呼吸に寄っていく。ナイフ&ケークも拍手をした。指先は上品で、観客の一人として違和感が薄い。薄いからこそ不気味だ、とクリスは思う。真白は拍手すらしない。ただ腕を組んで、世界を裁定するように舞台を見ている。
「……ねえ、あなた」
「何だ」
「さっきから、ちょっと……」
スイートケークが声を落とす。その視線が、ナイフの横顔に刺さっている。ナイフは気づかないふりをして、ステージを見続けた。だが、その指が、肘掛けを掴む力が微かに強い。演奏が進み、弦が滑らかに流れていく。次に金管が加わり、低音が厚く重なった瞬間――ホールの空気が一段深く沈んだ。
ナイフの瞳が、一瞬だけ焦点を失った。視界が白く跳ね、瓦礫の角のような影がフラッシュする。灰色の空。火花。粉塵。何かが崩れる音が、音楽の裏側で鳴った気がした。ナイフは息を止め、次の瞬間、何事もなかったように顎を上げた。理解できない断片を、脳が「気のせい」と名付けて押し込める。だが、押し込めた指先の震えだけが、消えない。
「……あなた? 今、息が止まったわ」
「止まってない。照明が眩しかっただけだ」
「眩しいのは、あなたの方でしょう?」
「黙れ。演奏の邪魔だ」
スイートケークは扇子を閉じ、ナイフの横顔をまっすぐ見た。客席の誰にも悟られない程度の沈黙が、二人の間に落ちる。クリスはその沈黙の温度を感じ取り、背中の皮膚が粟立った。真白はまだ動かない。ただ、視線が一度だけ、ナイフの手元へ落ちた。氷の気配が、ほんの少しだけ濃くなる。
「……“いつものあなた”じゃないわね」
スイートケークの囁きに、音楽が重なっていく。祝福の旋律の中で、祝福ではない何かが、確かに混じり始めていた
現状のセンタイリングの所有情況確認
秘密戦隊ゴレンジャー
ジャッカー電撃隊 ゴジュウティラノ
バトルフィーバーJ ゴジュウレオン
電子戦隊デンジマン ゴジュウウルフ
太陽戦隊サンバルカン ゴジュウイーグル
大戦隊ゴーグルV
科学戦隊ダイナマン ゴジュウイーグル
超電子バイオマン ゴジュウウルフ
電撃戦隊チェンジマン ゴジュウユニコーン
超新星フラッシュマン
光戦隊マスクマン ゴジュウポーラー
超獣戦隊ライブマン ゴジュウイーグル
高速戦隊ターボレンジャー ゴジュウポーラー
地球戦隊ファイブマン ゴジュウユニコーン
鳥人戦隊ジェットマン ゴジュウイーグル
恐竜戦隊ジュウレンジャー ガリュード
五星戦隊ダイレンジャー ゴジュウユニコーン
忍者戦隊カクレンジャー ゴジュウレオン
超力戦隊オーレンジャー ゴジュウティラノ
激走戦隊カーレンジャー ゴジュウユニコーン
電磁戦隊メガレンジャー ゴジュウティラノ
星獣戦隊ギンガマン ゴジュウイーグル
救急戦隊ゴーゴーファイブ ゴジュウティラノ
未来戦隊タイムレンジャー ゴジュウイーグル
百獣戦隊ガオレンジャー ゴジュウユニコーン
忍風戦隊ハリケンジャー ゴジュウレオン
爆竜戦隊アバレンジャー ゴジュウティラノ
特捜戦隊デカレンジャー ゴジュウユニコーン
魔法戦隊マジレンジャー ゴジュウイーグル
轟轟戦隊ボウケンジャー ゴジュウユニコーン
獣拳戦隊ゲキレンジャー ゴジュウイーグル
炎神戦隊ゴーオンジャー ゴジュウレオン
侍戦隊シンケンジャー ゴジュウユニコーン
天装戦隊ゴセイジャー ゴジュウティラノ
海賊戦隊ゴーカイジャー ゴジュウウルフ
特命戦隊ゴーバスターズ ゴジュウユニコーン
獣電戦隊キョウリュウジャー ゴジュウレオン
烈車戦隊トッキュウジャー ゴジュウポーラー
手裏剣戦隊ニンニンジャー ゴジュウレオン
動物戦隊ジュウオウジャー
宇宙戦隊キュウレンジャー ゴジュウレオン
快盗戦隊ルパンレンジャー ゴジュウウルフ
警察戦隊パトレンジャー ゴジュウユニコーン
騎士竜戦隊リュウソウジャー
魔進戦隊キラメイジャー ゴジュウイーグル
機界戦隊ゼンカイジャー
暴太郎戦隊ドンブラザーズ ゴジュウウルフ
王様戦隊キングオージャー
爆上戦隊ブンブンジャー ゴジュウレオン