ナンバーワン戦隊ゴジュウジャーVS戦姫絶唱シンフォギア ユニバース大戦 作:ボルメテウスさん
「それじゃ、始めるとしようか!行くぞ!グーデバーン」
「はい!真白さん」
真白の声が落ちた瞬間、グーデバーンの巨体が――山肌を踏み抜く。
一歩。地面が沈み、砂利が弾け、岩が跳ねた。
二歩。尾根の空気が押し出され、樹々の葉が一斉に裏返る。
その勢いのまま、真っ直ぐにテガソードブラックへ突進する。一直線。迷いのない軌道。拳を前に出しただけで、前方の霧が裂けた。
それに対して、角乃は落ち着いていた。
視線は揺れず、呼吸だけを整える。足下の小石が震えるほどの振動の中で、声だけが硬質に通った。
「こっちも、負ける気はないわよ!行くよ、テガソード!」
「あぁ」
角乃の呟きと共に、二つのセンタイリングが光を弾く。金属の縁が、山の薄い日差しを切った。
『デカレンジャー』『パトレンジャー』
音声が鳴り響くと同時に、空気が一段、重くなる。
テガソードの前へ、二つの戦隊――巨大ロボが持つ銃型武器が“出現”するのではなく、“現実に落ちてくる”ように現れた。
金属の塊が空間を押し、低い衝撃音が山に反響する。握った瞬間、腕から先がズンと沈んだ。
その武器を手に取ると共に、突進モードへと変形する。
可動部が噛み合う乾いた音。ロックがかかる鋭い音。銃口が向きを変え、機構が“戦う形”へ収束していく。
「はぁ!」
二丁拳銃を持つ形となったテガソードブラックは、そのまま引き金を引く。
初弾の反動が、機体の肩を僅かに揺らす。
銃声は破裂音ではなく、山を叩く金槌の連打。弾丸の通り道に白い圧力の筋が走り、破片が遅れて吹き上がった。岩肌が抉れ、木々の幹が一瞬で削られ、粉じんが帯になって広がる。
「ほぅデカレンジャーロボとパトカイザーの武装か、ならばこちらは!」
返答の余裕が、真白の言葉に混じる。
その直後――リングの声が山に落ちる。
『マスクマン』
鳴り響くと共に、グーデバーンの拳に、オーラパワーが纏う。
淡い光ではない。熱の膜が拳の輪郭を太くし、周囲の空気が歪む。
そして、その拳が弾丸を迎え撃つ。
ガン、と。
金属が金属を叩く音に、別の高音が混ざった。跳ね返された弾が岩へ突き刺さり、火花と破片が散る。
二発、三発、四発。グーデバーンは拳を振るうのではなく、“置く”。そこに当たった弾だけが、無理やり進路を変えられていく。
「嘘でしょ!」
角乃の声が上ずる。
弾幕で止めるはずだった突進が、止まらない。むしろ、跳弾が山肌を刻むほど、相手の距離だけが詰まっていく。
「指輪の数では負けているが、その程度で俺様に勝てると思うなよ」
その言葉が終わるより先に、次の音声が割り込む。
短い、鋭い宣言。
『ターボレンジャー』
それと共に、ターボロボの力を纏ったグーデバーンが――消える。
正確には、視界が追いつかない。巨体のはずなのに、山の空気だけを置き去りにして距離を殺す。
遅れて、風圧が襲った。樹々が一斉にしなる。土が剥がれ、斜面の小石が浮いて舞う。
瞬く間に、テガソードブラックの懐。
「っ!」
『ガオレンジャー』
鳴り響く音声と共に迫り、ガオキングの能力を纏うと共に、両手の武器を手放して、そのまま受け止める。
二丁が離れた瞬間、金属の塊が重力に引かれて落ち――地面を砕いた。
だが、それに構う余裕はない。
迫り来る拳。
テガソードブラックは両腕を交差させ、全身の関節を噛み締めるように固定する。
受け止めた瞬間、山が鳴った。
衝撃が地面を伝い、尾根の向こうで鳥が一斉に飛び立つ。足下の岩が割れ、粉じんが膝まで噴き上がった。
それでも、踏ん張る。受けるだけで終わらせない――“獣王”の重みで、拳の勢いを押し返そうとする。