ナンバーワン戦隊ゴジュウジャーVS戦姫絶唱シンフォギア ユニバース大戦   作:ボルメテウスさん

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刑事3人

斜面を埋めるモリスの群れは、波のように途切れなかった。

一河角乃――ゴジュウユニコーンは、足場の悪い岩場を半歩ずつずらしながら、最小限の動きで刃を通していく。前へ出すぎれば囲まれる。下がれば後衛へ流れる。数を捌きながら、目だけは常に次の一手を探していた。

 

「まだ来る……っ、きりがないわね」

 

正面のモリスを弾き飛ばした、その直後だった。

背後の岩陰から、もう一体が低く身を沈めて跳ぶ。死角。角乃が振り向くより先に、鈍い衝撃音が響いた。

 

「危ない! 先輩!」

 

飛び込んできた赤い一撃が、モリスの胴を横から叩き抜く。

悲鳴も上げきれないまま、モリスは大きく吹き飛び、転がるように斜面を落ちていった。

 

角乃が目を見開く。土煙の向こう、銃を構えたまま立っていたのは、パトレン1号の装甲をまとった青年だった。

 

「……旭!?」

 

「間に合いました! もう、背中ががら空きですよ、先輩!」

 

変身越しでも分かる、あの少し慌てたような、それでいて嬉しさを隠しきれない声。角乃は一瞬だけ言葉を失ってから、すぐに眉を寄せた。

 

「あんた、怪我はもういいの」

 

「はい! もうばっちりと回復しました! 先輩の為にも急いで来ました」

 

勢いよく返ってきた言葉に、角乃は呆れ半分、安堵半分で息を吐く。

 

「あんたねぇ……そういう言い方、誤解されるわよ」

 

「えっ、い、いや、そういう意味じゃ――!」

 

旭が慌てて手を振る。その横を、別のモリスが二体まとめて詰めてきた。角乃が反射で踏み込もうとした瞬間、赤い閃きが先に走る。

 

鋭い斬撃が、斜めに二本。

迫っていたモリスの胸を裂き、まとめて弾き飛ばした影が、砂を蹴って前へ出る。重心の低い構え。荒い気配。レッドレーサーに変身した荒巻恭吾が、標識みたいにぴたりと足を止めて二人を睨んだ。

 

「てめぇら! そんなちんたらと話している場合じゃねぇだろうが!!」

 

「あなたこそ相変わらず乱暴ですねぇ」

 

角乃がすぐさま言い返す。旭は「あ、荒巻先輩まで……!」と声を上げたが、荒巻は鼻で笑って周囲を一瞥した。

 

「再会ごっこは終わりだ。見ろ。右からも来てる。泣き言は片づけてから聞いてやる」

 

「泣き言なんて言ってません」

 

「言い方の話だ。てめぇは昔から一言多い」

 

「あぁやるのかぁ!」

 

角乃の声に、旭が「ちょ、ちょっと二人とも!」と割って入る。だが、その慌てぶりとは裏腹に、手はすでに銃を構えていた。三人の前へモリスの群れが再び迫る。黒い影が斜面を埋める。

 

荒巻が低く唸るように言う。

 

「角乃、目は生きてるな」

 

角乃は群れの奥を見据えたまま、短く返した。

 

「ええ。見えてる。……あんた達が来たなら、なおさらね」

 

旭が小さく息を呑んで、それからはっきり頷く。

 

「指示ください、先輩。今度は、ちゃんと並んでやれます」

 

その言葉に、角乃の肩からほんの少し力が抜けた。

次の瞬間には、いつもの鋭い声で前を断つ。

 

「旭、左後方の個体を止めて! 荒巻先輩、前列の流れを切る! ここから押し返すわよ!」

 

返事は二つ、重なるように飛んだ。

 

「了解です!」「最初からそう言え!」

 

三人が同時に踏み出した足音が、押し寄せるモリスの唸りを打ち消した。

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