ナンバーワン戦隊ゴジュウジャーVS戦姫絶唱シンフォギア ユニバース大戦 作:ボルメテウスさん
採掘場の斜面は、踏み込むたびに砂利が流れた。
崩れた支柱、折れたレール片、転がる鉄筋。
その隙間を埋めるように、モリスの軍勢が押し寄せる。
暁切歌が前へ出て刃を振り下ろすたび、硬い接触音が鳴り、遅れて腕へ衝撃が返ってきた。
倒したはずの影の上を、次の列がすぐに踏み越えてくる。
月読調は半身ずらし、切歌の横で視線だけを滑らせる。
「切ちゃん、右」
短い声に、切歌が引き足で間合いを調整し、そのまま斜めへ踏み込んだ。
斬る、返す、押し込む。
呼吸を乱しながらも刃を止めず、押し寄せる群れの“頭”を正面から削っていく。
だが、数が厚い。
押し返しても、押し返した分だけ、別の列が奥からせり上がる。
その後ろで、赤嶺陰夢がそっと手をかざした。
散らばっていた金属くずが、砂の上を擦る音を立てながら一直線に寄っていく。
折れたレール片と鉄筋が噛み合い、地面に新しい導線が敷かれる。
赤嶺瑚陽がその手前へ踏み込み、拳を握る。
つま先が土を抉り、沈めた腰から全身へ力が伝わる。
拳の輪郭に沿って、青白い電気が細く跳ねた。
「切ちゃん、逃げるの、左」
「分かってるデス!」
調が外縁へ回って逃げ道を削り、切歌は逆側から斬り込み、群れを細く、深く、導線の終点へ押し立てる。
陰夢は漏れそうな電気の流れを整え、金属片の角度をわずかに変え、通り道を一本に固定する。
瑚陽は歯を食いしばり、帯電をさらに押し込んだ。
空気が乾き、皮膚の上を細かな静電気が走る。
モリスの足元で火花が散り、列がわずかにたじろいだ。
「今度は、間違えない」
その一言と同時に、瑚陽の電気がレールへ走る。
低いうなりが地面を伝い、導線の上に青白い光が一気に走り抜けた。
「切ちゃん、今」
調の合図で、二人の刃が同時に動く。
切歌が右上から大きく振り下ろし、調が左下から鋭く抉る。
交差する斬線が、ちょうど導線の中心でぶつかった。
接触音が一つ、腹の底へ響く衝撃が続き、溜め込まれていた電流が十字に爆ぜる。
稲妻が群れの中心を貫き、モリスの輪郭が一斉に揺らいだ。
前列が浮き、後列を巻き込み、灰色の塊がまとめて吹き飛ぶ。
砂煙が舞い、震えた鉄片がぱらぱらと地面へ落ちた。
切歌は反動で一歩引き、膝を沈めて踏みとどまる。
調はその横へ戻り、切歌の肩線に合わせて構え直す。
瑚陽の肩は上下していたが、拳はまだ下がらない。
陰夢は一歩後ろから、その背中が崩れない距離を守り続ける。
「……助かったデス」
「礼はいらない。次、来る」
短いやり取りだけで、四人はもう同じ前を見ていた。