ナンバーワン戦隊ゴジュウジャーVS戦姫絶唱シンフォギア ユニバース大戦   作:ボルメテウスさん

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救急の背中合わせ

採掘場の夜気は乾いていて、粉塵が喉の奥にざらついて残る

人影はない、建屋も照明も落ちていて、遠くの街の灯りだけが山肌に薄く滲む

暴神竜儀はティラノハンマー50を肩へ乗せ、息を短く刻みながら斜面を見上げる

ここで止める、そう決めた瞬間だけが背骨を真っ直ぐにした

 

灰色の軍勢が、音もなく湧く

モリスの列は倒れても倒れても継ぎ目が埋まり、影が影を押して前へ出る

竜儀は構え、重心を沈め、踏み込みの半歩で間合いを測る

振り抜く前に肘を締め、背筋を一枚にしてからハンマーを走らせた

 

「来い……いやさか、ここは通さない」

接触の鈍い音が腹へ響き、遅れて衝撃が地面へ落ちる

砂利が跳ね、粉塵が舞い、数体がまとめて浮く

だが落ちきる前に、別のモリスがその隙間を埋めてくる

 

竜儀は反動で一歩引き、呼吸を吸い直す

指先が熱い、握り直すたびに掌の皮が擦れる

次の一撃は縦ではなく横、列の頭を崩して流れを乱す

崩れた影の向こうから、また別の列が噛みついてくる

 

背後の空気が冷えた

爪が伸びる気配、視界の端で影が跳ぶ

竜儀が振り向くより早く、赤い閃きが割って入った

斬撃の音が一つ、影が弾け、砂へ転がる

 

「竜儀、背中は預かる!」

振り返った先に、ゴーレッドが立っている

急場一命、燃えるような声のまま、視線だけが周囲を一瞬でなぞった

その視線が止まったのは敵ではなく地形で、次に向けられたのがモリスの列だった

 

「ここは無人だ、心配は切る!」

「分かっている……だが、気が抜けるわけがない」

一命が短く笑い、剣を構え直す

「人を救うのは後じゃない、今ここを折らせないためだろ!」

 

病院の白い廊下が、一瞬だけ脳裏をよぎる

消毒液の匂い、警報の音、あの時も背中を預けた

預けていい相手だと身体が先に知っていて、竜儀は迷いを切り捨てる

「いやさか……ならば、前は私が叩き割る」

 

二人が背中合わせに立つ

肩一枚ぶんの距離、互いの呼吸が同じ速さへ揃う

竜儀は前へ出て、構えを低くし、重心を前へ送って一撃を叩き込む

一命は背後へ半歩ずらし、斬り込みの角度を変えながら爪を落とす

 

モリスの波が厚くなる

押し返しても埋まり、切り裂いても寄る

竜儀の腕が軋み、肩が重くなる、息の熱が面の内側に溜まる

それでも一命の声が背中を押し、竜儀は踏みとどまる

 

「竜儀、次は左から来る!」

「承知……っ!」

竜儀は引き足で角度を変え、左斜面へ薙ぎ払う

接触、音、衝撃、粉塵の反応が連鎖して、列が一瞬だけよろめく

 

だが、その瞬間を狙ってさらに奥から新しい群れが湧く

影が影を踏み越え、斜面が灰色に塗り替わっていく

一命が歯を見せるように笑い、剣を握り直した

「まだ、燃えてきた!」

 

竜儀は短く息を吐き、視線を前へ固定する

未来のことは語らない、語れば気が散る

守るべき人々はここにはいない、それでもこの一線の向こうにいる

「いやさか……ここからが本番だ」

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